Keisandeath

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【Keisandeath インタビュー】
誰かの心の叫びを歌う
っていう感覚に近い

自分にとってこの3年間の全部が
必要なことだったと思う

「Do Nothing?」は『空-Kuu-』に収録されていますが、改めて聴いても《塞ぎこんでる暇はない 世間は急かしてくる》って出だしから力強さがあっていいなと思いました。Keiさんが持っている頑固さが垣間見られる曲だと思います。

《見えない未来を楽しませて》って部分が好きって言ってくれるファンの方もいて、歌詞に注目してくれる方も多いですね。《共に行こうか ひとりじゃない》とか。

そのフレーズは関わる人やファンの方に出会えたからこそ、Keiさんの心から出てきた言葉ですよね。

確かにそうですね! この曲の歌詞は、ただワクワクしながら書いていたのを覚えています。メロディーと歌詞が同時に出てきたところが多かったので、作るのも早かったです。

今作の選曲はバンドサウンドのものを中心に選んでいるそうですが、頻繁にファンの方とコミュニケーションを取っているからこそ、何かリクエストに応えたことはありますか?

和テイストなアレンジの曲が増えました。篠笛が入っている「Ayame」が人気で、ファンの方からの“また笛を入れてほしい”という意見が多かったから「ハヤザキザクラ」に入ってます。

これまでの活動スタイルもそうですし、ファンありきのベストアルバムですよね。

そうですね。曲を作る時は自分の中にあるテーマをもとにして取りかかるんですけど、アルバムの選曲だったり、アレンジに関してはいただいた感想がきっかけになっていることもあります。

曲を作る時にあるテーマとは、例えばどんなものなんですか?

「NyanMetal」は捨てられてしまった猫の曲で、「武家Metal」は人を殺めてしまった後悔や戦のあとの虚しさ、「四隅咲き乱れた華」は門限が早くて怒っている反抗期の子とか…結構バラバラなんですけど(笑)。

戦国時代から現代まで幅広いですね(笑)。でも、テーマというよりはストーリーに近いというか。

そんな感じです。実際に自分が経験したかどうかは関係なく、純粋に曲にしたいって思ったことを書いています。でも、こうしてそれぞれの曲のテーマを思い出してみると、シリアスなものが多いですね。幸せなことよりも、悲しみや苦しみを描くほうが感情を爆発させて書けるのかもしれないです。誰かの心の叫びを歌うっていう感覚に近いのかな。

それで言うと、「Do Nothing?」はご自身の叫びを歌っているように聴こえましたよ。

この曲は自分自身のこともそうだし、近くにいるスタッフの方を見て大変そうだと思ったのがきっかけになっていて(笑)。そういう自分の身近に起きていることを歌っているからパーソナルな曲というか、他の曲とは違う等身大の自分を歌っているような印象を持ってもらえたんだと思います。実際に自分の身に起きた悔しいこともあって“見下してきた奴らさよなら!”みたいな反骨心も入ってます。

ベストアルバムにはそれぞれ1曲ずつ新曲が収録されていますが、まずは『空-Kuu-』に入っている「Stay Home」についてはいかがですか?

コロナ禍で気持ちがかなり落ち込んでいる人もたくさんいると思うんですけど、“もうダメだ”って思っている人を元気づけられる曲にしたくて。この状況を転機にして、何か別の希望に向かっていけたり、新しいことに目覚めたり、好転することができたらいいなと思って作りました。

アツい想いを込めながらもメロディーはキャッチーで、歌詞には“幸せクラスター”というフレーズもあって遊び心が感じられます。

はい。歌詞はいろいろ遊んでいるところがあって、歌詞カードには書いてないけど“〇〇〇って歌っているように聴こえるかな?”みたいな仕掛けもあるので注目してほしいです。

続いて『色-Shiki-』に入っている「Shiki」ですが、こちらのベストには“ゆったり聴ける曲”が選ばれているはずなのに、がっつりメタルだったので驚きました。

それはみんなにツッコまれるところだと思ってました(笑)。いい意味での裏切りとして楽しんでもらえたらいいですね。この曲は“ブルースメタル”ってコンセプトで作った曲で、特にAメロに込めたブルースっぽいニュアンスも感じてもらえるんじゃないかと思います。

この2曲の新曲はベストアルバムの書下ろし曲ですが、他にも未発表の曲がある中で一から作ったのには何か理由があるんですか?

すごく深い意味があったわけではないんですけど、“今だからこその作品”っていうのを感じてもらえたらと思ってます。“Stay Home”ってタイトルもまさにこのご時世だからこそですし。あと、この2曲はまず長野さんに原曲を渡してアレンジをしてもらってから“この歌詞ではダメだ!”と思って、急遽書き直したんです。最初の歌詞は中身が暗かったので(笑)、もっとパワフルにしようと。歌詞をあとからつけるのは今まであまりやってこなかったので大変でしたが、このタイミングで作った新曲だからこそ挑戦できた部分ではあります。

今作でしか聴けない新曲と、アレンジや再録で進化した楽曲たちが収録されたベストアルバムが完成して、今後のライヴのパフォーマンスも変わるんじゃないですか?

そうですね。私自身というよりかは、アレンジに参加してくれた楽団家来たちがさらにやる気満々でパフォーマンスしてくれる気はしています(笑)。10月11日には四谷LOTUSで延期になっていた『Do Nothing?』のリリースライヴを配信と有観客で開催しますが、9カ月振りくらいのライヴになるのですごく楽しみです! 来てくれるお客さんにも、配信で観てくれる方にも喜んでもらえるステージにしたいですね。今回のレコーディングの時に自分で入れたギターがライヴでちゃんと弾けるのかっていう不安もありますが(笑)、気合い十分です!

1stアルバムでインディーズデビューしてから約3年が経ったわけですが、最後にこれまでの活動を振り返ってみていかがですか?

全部必要だったんじゃないかと思います。前までは暗めな曲が多かったって話をしましたが、それがなかったら明るい曲を作ってみようとも考えなかっただろうし。明るい曲を聴く気分じゃない時にはしんみりした曲を聴いて、落ち込む時間も大切だと思うので、そんなふうにリスナーに寄り添うこともできるんじゃないかなと。それでまた這い上がる力になってくれたらいいですね。

この3年間でご自身の中に変わらずにあるものは?

人に対する愛はずっとあると思います。だからこそ、今までのこと全部が必要だったと思えるし、早く“売れてほしい”って言ってくれるファンの方の気持ちに応えたいです。

取材:千々和香苗

アルバム『空-Kuu-』2020年10月16日発売 ZUKKA RECORDS
アルバム『色-Shiki-』2020年10月16日発売 ZUKKA RECORDS
アルバム『空-Kuu-&色-Shiki-』2020年10月16日発売 ZUKKA RECORDS

『Keisandeath Do Nothing?again at 10.11』

10/11(日) 東京・四谷LOTUS
※会場有観客&TwitCastingでの有料配信で実施

Keisandeath プロフィール

ケイサンデス:秋田県出身のメタル系シンガーソングライター。3歳の時からピアノを始め、11歳からX JAPANのhideに憧れてギターを始める。13歳でバンドを始めたことがきっかけで作曲をしてみたところ、意外とできてしまったのでそれから作曲も開始。2017年に1stアルバム『THE FIRST』でインディーズデビュー。Keisandeath オフィシャルHP

「ハヤザキザクラ」MV

「Obonne」MV

「武家Metal」MV

OKMusic編集部

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