INORAN

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【INORAN インタビュー】
ステイホームの期間中に
“何が大事か?”というのを探してた

映画やドラマのサウンドトラックを
作ったような感じ

今作の音楽性としてはエレクトロポップやファンク、ヒップホップ、ソウル、ジャズ、ダンスミュージック、あらゆる要素が混在していて、ギターが前面に出ている感じでもないですね。

そうなんですよ。曲が浮かんだ時の編成にギターが入っていない曲もあって。2曲目「Soul Ain’t For Sale」、5曲目「Missing Piece」は入っていないままですね。

打ち込みだからというのもあるんでしょうけれど、シンセ音がフィーチャーされていますよね。これも自然に?

うん。ここ数年の自分がよく聴いているトレンドだったりもするので。考えてみると、今回のアルバムは映画やドラマのサウンドトラックを作ったような感じかもしれないですね。そこは『想』の時と似ているかも。“こういう場面ではこういう曲、こういう歌詞が合う”とか、そういうイメージは漠然とあったというか。とはいえ、どういう映画やドラマという具体的なものはないんだけど。

INORANさんの人生のサウンドトラックですか?

そこまで大袈裟ではないです(笑)。今、観たいもの…というか。NetflixやHuluで観る海外ドラマとかで、“こういう作品だったらこういうサウンドトラックが鳴ってるな”とか惹かれる音楽ってあるじゃないですか。中には、たった一曲で作品を決定づけてしまうものもあるし。そういう曲が積み重なったアルバムかもしれない。

ジャケットのアートワークも想像を駆り立てるものになっていますね。羽根は自由の象徴のようにも受け取れますが、どんなコンセプトだったんですか?

“こういう意味が〜”とは決まっていなくて、見た人にいろんなことを感じてもらえるアートが好きだし、そういう創造力が掻き立てられるものになったと思います。デザイナーさんには自分でも覚えてないぐらいいろいろなアイディアを伝えて、考え抜いて具現化してもらいました。いいジャケットになったと思いますね。これまでの作品は“どこへ行って作った”とか“こう思って作った”というのが確実にあったけど、今回はそうではないので、視覚的要素もやっぱり漠然としてるよね。自分の見た風景がはっきりとは分からないし、見えないものって限りないから、それを見えるものにするには大変な時間を使いました。

誰しも脳内は広くて自由だからこそ、人間同士のやり取りは果てしないですし、コミュニケーションには楽しさと難しさが伴いますよね。INORANさんは各自異なる宇宙を持っているさまざまな人たちと接する時、その本質を何によってキャッチしています?

いやぁ~、それもまだ勉強中ですね。“こうでありたい”というのはあっても、自分の調子でも変わってくるし。だけど、余計なものに邪魔されないように、自分自身のことを好きでいてあげる努力をしていたいとは思いますけどね。他人を好きになるには、そこが基本だし、根本になる大事なことだと思うので。もちろん自分よがりになるわけではなくてね。

自分自身を認めてこそ他者との対話もできる。そういう部分はありますね。

うん。それが思いやりだと思うんだよね。人に対してだけの思いやりって嘘なんじゃないかって最近は思うかな?

自粛期間中は暗い気持ちになった人も多かったと思うのですが、INORANさんはメンタル的には大丈夫でした?

テレビをずっと観ていたら暗くなるかもしれないけど、ずっと“旅”してたから全然大丈夫ですよ。だって、もうしょうがないことだもん。

雑音に惑わされず、音楽に没頭する日々だったんですね。

それが僕の担当なので。環境問題を考える担当の人も世の中にいるし、戦争を止めたり、コロナを撃退しようと日々努力したりするのが担当の人もいる。もちろん“みんなの未来を良くしよう”ということには絶対に賛同するけどね。僕は僕で音楽を作るのが仕事だし、それが担当だから、“みんなの生き甲斐となるものを作らなきゃな”と思ってた。

音楽家としての誇り、役割や使命をより強く意識した…みたいな?

うん。“俺、これしかできないし”っていう。それをまずやらなきゃ始まらないってことですよね。

ファンの方々にとってもライヴを生で体感するのがなかなか難しい状況が続いていますが、この作品を届けるにあたって何か伝えたいことはありますか?

いつもと変わらないんですけど、その人に寄り添ってあげられるような曲たちであったらすごく幸せですね。そうなれば曲たちが幸せだし、俺も幸せだし。

『INORAN 50TH ANNIVERSARY BASH! -』は残念ながら開催延期となりましたが、お誕生日当日の9月29日には初の無観客配信ライヴをされるそうですね。

同じ時を同じ場所で過ごして、一緒に熱を上げていくライヴがもちろん理想なんだけど、今までとまったく一緒とはいかない世の中なので、違った方法論を模索してチャレンジしてみたいというものの第一弾です。もちろん、できるだけ高い温度で熱を伝えられるようにしたいとは思っています。

どんな感じになるのか楽しみです!

どうでしょうね? 超暗くて超寒いかもしれない(笑)。初めての試みだし、まだリハも始まっていないので、まずはやってみないと分からないですね。でも、音を合わせ始めたら自ずと決まっていくとは思います。

INORANさん自身、生で音を鳴らすのは半年振りぐらいになりますか?

フルバンドではそうですね。セッションはやっているけど。

バンド感への渇望感は強いですか?

もちろんそれはありますね。あの場所はあの場所でしかないので…だけど、前を向いていかなければいけないから、いろんなトライはしていくつもりです。

ちなみに、50歳のお誕生日を迎えることに関しての想いはいかがでしょうか?

50歳だからどうというのは特にないですけど、“50だせ!?”っていうのはあるよね(笑)。

びっくりしますよね(笑)。少年時代は50代の自分に対してどんなイメージを抱いていました?

想像もしてなかったし、音楽をずっとやっているとは20代でも思ってなかった…30代でも思ってなかったかな? 40代は10年後のことだから、フワッとはイメージできたけど。今は70代のことは想像できないね。60代だったらできるけど(笑)。

INORANさんはいつまでもエネルギーが衰えることなく活動されていて、その姿に鼓舞されますよ。

感謝ですよね。応援してくれる人がいるということなので。ひとりではできないから。

60代や70代の現役ミュージシャンで理想となる存在はいますか?

完璧な理想となるひとりの人、ひとつのバンドはないですね。“このバンドのここは好き”“このミュージシャンのこの考え方がいい”“ん〜、これはな…”というのがあって、それをかけ合わせて自分の理想を作っていくという感じかな? キース・リチャーズの発言やギターはすごいと思うけど、僕はああいったブルースが土台にある生き方じゃないし…あっ、分かった! 今回のアルバム、僕の脳内のブルースですよ。ニューオリンズのブルースでもないし、アフリカでもニューヨークでもない、俺の中にしかないブルースだと思う。本当の叫びだったり、喜びであったり、生きたい気持ちであったり。そういう作品なんじゃないかな? …って、今、思いました。ジャンル感の話ではないですよ。今の俺なりのブルースってこと。

分かります! そう言われてみると、今日のいろいろなお話がスッと腑に落ちます。

うん、俺も今腑に落ちました(笑)。

聴き手の哀しみや嘆き、痛みに寄り添うという意味でも、ブルースというのは今とても必要とされている音楽だと感じます。

うん、そうだね。何回も言ってしまうけど、やっぱり生き甲斐をみなさん求めていると思うし。その中の大事なもののひとつに音楽があると思うから、これからも表現し続けられたらいいなと思います。

取材:大前多恵

アルバム『Libertine Dreams』2020年9月30日発売 KING RECORDS
    • 【完全生産限定盤】(CD+Blu-ray+写真集)
    • NKCD-6929
    • ¥12,000(税抜)
    • ※KING e-SHOP限定販売
    • ※LP SIZE BOX仕様
    •  
    • 【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
    • KICS-93940
    • ¥4,800(税抜)
    • ※三方背BOX仕様
    • 【通常盤】(CD)
    • KICS-3940
    • ¥3,000(税抜)

ライヴ情報

『INORAN – VISION - SUITE ROOM#929』
9/29 (火) 19:00〜
<チケット>
ONLINE TICKET : ¥4,500
ONLINE TICKET with INORAN BIRTHDAY WISHES !! (サポート1000) : ¥5,500
ONLINE TICKET with SAVE THE STAGE CREW (サポート2000) : ¥6,500
ONLINE TICKET with
INORAN BIRTHDAY WISHES !! & SAVE THE STAGE CREW (サポート3000) : ¥7,500
〈チケット販売期間〉
9/11(金) 12:00〜9/29(火) 20:00
〈受付URL〉
一般発売:https://eplus.jp/inoran-s/
FC受付:https://eplus.jp/inoran-s-fc/

INORAN プロフィール

イノラン:国内にとどまらず、世界に活動の場を拡げるLUNA SEAのギタリスト。1997年よりソロ活動を開始、現在迄にフルアルバム10枚以上をリリースする等精力的な活動を行なっている。LUNA SEA、ソロの他にもTourbillon、Muddy Apes等多岐に渡るプロジェクトで音楽活動を鋭意展開中。ソロ活動20周年を迎えた17年8月にセルフカバーベストアルバム『INTENSE/MELLOW』を、LUNA SEAが活動30周年を迎えた19年8月にはオリジナルフルアルバム『2019』を発表し、20年9月にアルバム『Libertine Dreams』をリリース。INORAN オフィシャルHP

「Don't Bring Me Down」
MV(Short Ver.)

『LibertineDreams』
全曲試聴

OKMusic編集部

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