鈴木このみ

鈴木このみ

【鈴木このみ インタビュー】
「Realize」は今の自分が歌うに
ぴったりな曲だと思う

無理に頑張らなくても、
みんなが頑張らせてくれる

はい(笑)。何度も言うようですが、ほんとにハードなアプローチなナンバーだと思います。一方、カップリング曲である「A Beautiful Mistake」に話題を転じますと、こちらもギターは使っているものの、どちらかと言えば鍵盤が中心で、タイトル曲とはタイプの異なるナンバーですね。

表題曲がかなり豪華な感じに仕上がったので、カップリング曲はシンプルなバンドサウンドに仕上げてみようと思って作っていきました。

ギターも鳴っていますが、ノイジーでありつつ重くないという。

軽快さがあるというか、ポップな感じに聴けるんじゃないかと思います。

サビメロは開放的なんですけど、このメロディーはどなたがお作りになられたのかと思えば…

私です(笑)。でも、すごく大変でしたね。表題曲が強すぎるので(笑)、カップリングはどうしたらいいかというところから、まず悩みましたね。なので、打ち合わせも結構重ねましたし、曲も結構ボツになったものもあったり(苦笑)、楽に生まれた曲ではなかったです。

「Realize」がタイトル曲に決定してから、カップリングをどうするか考えたんですね?

はい。で、“私、書きたいです!”って言って(笑)。そうしたらスタッフさんたちも“いいね、書きなよ”って言ってくださったので、“じゃあ、オーディションに挑むような気持ちで何曲か書いてみます!”と言って書いたんですけど、全然ダメで…。で、ちょっと納期を延期してもらって、この曲がやっと生まれた感じです。

アルバム『Shake Up!』では「Humming Flight!」も作曲されていましたが、曲作りをするようになったのは最近なんですか?

ここ数年ですね。最初の頃はほとんどしてませんでしたし、自分自身も曲を作ることで自分を表現しようとは当初はまったく頭になかったので。なので、最初は全然自信がなかったですね。素晴らしい作家の方に書いていただきすぎて、自分が書くよりも書いていただいたほうがいいものができるんじゃないかと思って引っ込んでたんですけど、ライヴを重ねていくうちに周りの人が“これだけライヴでバンバン言葉を発してて、いろんな曲の人を歌っているから、たぶん溜まっているはずだよ”って言ってくれて、そこから自分でも曲作りをやってみて…という感じですね。

なるほど。ご自身は意識していなかったけれども、周囲から“曲作りの素養のようなものが溜まっていると思うよ”と勧められたと。

周りの人が見出してくれた感じですね。私はアニソンシンガーなので、そこでのジレンマみたいなものもあって…何だろうな? “自分自身をどこまで出していいんだろうか?”ということも感じていたりして。でも、周りで見てくれている人がそう言ってくれて、意外と出してみたら、お客さんもすごく喜んでくれて。私もそういうメッセージをもらうとすごく嬉しくなっちゃって、“じゃあ、もっと曲を書いていきたい”と思ったことがきっかけですね。

そして、「Realize」に対抗するような曲を自分で作ってみようと思ったわけですね。

気分的にはダブルA面くらいの気持ちでやらないと“置いてかれる!”と思ったので、食らいついていきました。

しかし、タイトル曲「Realize」のサウンドもそうでしたし、「A Beautiful Mistake」での作曲を手がける姿勢もそうで、とにかく本シングルの制作はアグレッシブに、とても能動的に臨まれたんですね。

ほんと前のめり…というか、個人的には攻めの一枚だと思います。

そういう気持ちになれたのは、先ほどおっしゃられましたが事務所を移籍したこと大きなきっかけでしょうか?

それが大きいと思います。何て言ったらいいんだろうなぁ? 自分自身のヴォーカルへの気持ちもすごく変わったと思いますし…言葉にするのはすごく難しいですね(苦笑)。

心機一転という感じでしょうか?

あっ、そういう部分はすごくあると思います。環境が変わることで自分の気持ちもガラッと変わったというか。移籍するまでしばらく悩み続けましたし。“どういう環境でやっていくのが自分的にはいいのかな?”というところで悩んだり、自分の在り方をすごく悩んだ末に“じゃあ、環境を変えるべきだ!”って決めたことでもあるので、ここ2年くらい気持ちが揺れ動いてて。

その中で結論を出した以上は、自然と気持ちも前のめりになったと?

そうですね。でも、今となっては肩ひじ張って“気合い入れてめっちゃ頑張ろう!”みたいな感覚は薄くなってきていて、無理して頑張らなくてもいろんな人が後ろから押してくれてる感じというか…そういうことを感じてますね。もちろん、それはこれまで歌ってきた中でかかわってくれた人でもありますし、これからかかわってくれる人でもあると思いますし、ファンのみなさんのパワーでもあると思いますし、そういう人たちに背中を押されて自然と歌が出るような感覚が、今、めちゃくちゃ気持ちいい状態ですね。

それはいいですね。ソロシンガーは往々にして内向的になりがちなところがあると言いますから、ファンも含めて周囲の人たちと一緒に作っているという感覚は素敵だと思います。「A Beautiful Mistake」のメロディーが開放的なのはそういったところも関係しているんでしょうね。

確かにそうですね…うん。自分が予想していたよりは明るい感じになったので、自分の心情がメロディーに勝手に出ちゃったみたいなところはすごく大きいと思います。たぶん今の自分の心境が“無理に頑張らなくても、みんなが頑張らせてくれる”みたいになってるので、それがメロディーにも出たとも思いますね。

ただ、ここに辿り着くまでには何度もダメ出しをされたというのも(笑)。

まぁ、大変でしたね(苦笑)。

そこに話を戻すのも恐縮なんですけど、「A Beautiful Mistake」の《ほら 何回だってミステイク 悪戦苦闘してトライアゲイン》という歌詞が、その状況に見事に合っているじゃないですか?

これは自粛中に思ったことなんですけど、ほんとにひとりじゃ何もできないっていうことをすごく感じて、自分が情けないと思ったことがあって。例えば、小さいことなんですけど、“映像を5分間撮って”って頼まれて家でひとりでやったら3日間もかかったりして、“えっ、自分はこんなこともできないの!?”って思っちゃったり。それこそ作曲もそうですよね。“自分はできるようになっている”って思っていたのに、そう思っているところまではまだまだ届かないっていう不甲斐なさみたいなものを感じて、それを作詞してくださった草野華余子さんにZoomでワーッといっぱい話させてもらって。“自分ができないことが多くて悔しい”とか、コロナ禍になって乗り越えられる人もいれば乗り越えられない人もいるわけで、すごく試されているんだけど、“なかなかうまくいかなくて悔しい”とか、そういったことを素直にお話しさせてもらって、そのアンサー的にいただいたのがこの歌詞なんです。

先ほど“かかわった人たちから背中を押される”と仰っておられましたが、《間違えたとしても 胸張って満点あげよう》という歌詞は、まさしく鈴木さんの背中を押している感じですよね。

そうですね。今回は胸の中がスカっとする言葉が多いなと思います。

「A Beautiful Mistake」の歌詞は、今まさに語ってくださったことがそのまま反映されているようです。

私、そんなに強くないんですよ(苦笑)。曲調はバリバリにハードだし、ジャケ写もイケイケで撮ってますけど、ずっと歌ってきて思うのは、基本的には強くないってことで。でも、強くなろうとしているところが人として輝く部分だと思うので、そういうところがこのシングルの2曲両方にあって、弱い人が足掻いて強くなっていくところが出ていると思います。

OKMusic編集部

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