L→R GOD(Pro)、SIZUKU(Vo) photo by MANA

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【SIZUKU インタビュー】
歌声によってマジックにかかればいい

映画『バイバイ、ヴァンプ!』のエンディングテーマを表題曲に据え、劇中歌「Peace of the World ~Vamp~」をカップリングに収めるシングル「FANTASY MAGIC」。両曲の作詞作曲&プロデュースを手がけたGODにも同席してもらい、本作について訊いた。

人それぞれに愛の形はあるけど、
どれも同じ愛

「FANTASY MAGIC」は映画『バイバイ、ヴァンプ!』のエンディングテーマで、カップリング曲の「Peace of the World ~Vamp~」は同映画の劇中歌なのですが、映画のために書き下ろしたということですか?

GOD
そうです。台本を読んで書きました。聖歌を歌うシーンがあったんで、SIZUKUは音大出身だから打ってつけだと思って、映画のエグゼクティブプロデューサーに相談したんです。“まだ歌手が決まってないのでぜひ”ということになり、それがエンディングテーマになると思ったら、最後のクライマックスのシーンで使われる劇中歌になったんですよ。そうなると別にエンディングテーマが必要になるので、それも作ったというのが経緯です。歌声を違う感じにして、それもSIZUKUに歌ってもらおうってことになりました。一本の映画で同じアーティストが2曲も歌えるのは珍しいことですよ。

確かに。では、「FANTASY MAGIC」からうかがいたいと思います。しっとりとしたハートフルなナンバーなのですが、どんなイメージがあったのでしょうか?

GOD
この映画はLGBTを題材にしていて、同性愛を取り上げているんですね。なので、男女の恋愛をはじめ、同性愛、友情とかいろいろな愛があるけど、SIZUKUの歌声によってマジックにかかればいいっていう。彼女の歌声を聴いて誰かを愛するようになる…それは男同士であっても。なので、“FANTASY MAGIC”と。

以前にお話をうかがった時、GODさんは歌詞もメロディーも全て一緒に降りてくるとおっしゃってましたが、それらが台本を読んで降りてきたのですか?

GOD
自分のオリジナルの時は全部降りてくるんですけど、映画とかの台本がある時はそれを読んでどう思うかですね。何も感じなかったら、それはもう楽曲提供はできないってなります。いくら台本があって、ちゃんとしたテーマがあっても、作れないものはお受けできないですからね。まぁ、持ってるストックに合うものがあって、それを使うケースも多々ありますけど。

「FANTASY MAGIC」はどんな曲を作ろうと思ったのですか?

GOD
台本を読んだから結末は分かっているので、この曲がエンディングで流れることによって“愛の形は人それぞれにある”と思えるような歌詞であり、曲の世界がイメージされました。実はこの映画、ネットで大炎上したんですよ。同性愛を取り上げているんですけど、コメディー映画なんでギャグでピュアな愛情を描いてるんです。
SIZUKU
ヴァンパイアに噛まれて同性愛に目覚めるけど、主人公の男の子には好きな女の子がいるから、その子と結ばれるために戦う…という内容なんです。
GOD
それの面白いところだけを掻い摘んだ予告編を観た人たちが問題提起して。でも、本編をしっかりと観てもらえば、男女の恋愛も同性愛も愛に変わりないというか、そういうことをテーマとしていることが分かってもらえると思います。

映画を拝見してないので何とも言えないのですが、LGBTはデリケートなテーマですからね。あと、歌詞に《それは歴史さ》とあり、《遠い過去から》や《永遠に誓う》と時間の流れを描いているのは、ヴァンパイアということで?

GOD
そうです。ヴァンパイアの家系が何十年もの年月を経て日本に来たっていうストーリーだったので、時空を超えた世界というか、愛というか、そういうところを描いています。

SIZUKUさんはこの曲のデモを聴いた時、どんな感想を持ちました?

SIZUKU
いつもデモはGODのアカペラなんですけど、すごくいい曲だと思いましたね。それがアレンジされたものを聴いた時はびっくりしました。“うわっ、こういうサウンドになるんや”って。“FANTASY MAGIC”というタイトルから幻想的なものになるとは思ってたんですけど、想像以上でした。
GOD
やっぱりね、アカペラでは感動してもらえないんですよ。“ふ〜ん、こんな感じね”って(笑)。

そのアカペラのデモを渡して編曲してもらうんですよね。アレンジャーの方にはどんなふうに伝えたのですか?

GOD
デモを作った時点で僕の頭の中では曲として完成しているので、“こんな感じで〜”って伝えて。上がってきたものがそれと違ってたら、そこは何回も説明してやり直してもらいます。

確かGODさんは譜面が書けないし、楽器も弾けないんですよね。

GOD
はい。だから、例えば昔の映画音楽を引っ張り出してきて“こんな感じなんだ”って。ほんと細かいやり取りですよ。“映画の『フットルース』みたいな音楽で”と言っても、“何分何秒に流れているフレーズか教えてくれ”って言われたりしますから。

では、SIZUKUさんはどういうことを意識して歌われました?

SIZUKU
私も映画に出演させてもらっているので、作品を自分なりに理解して歌いましたね。人それぞれに愛の形はあるけど、どれも同じ愛っていうか。《愛の形 人それぞれに》と歌詞にもありますしね。
GOD
映画では家族愛や兄弟愛など、いろんな愛を描いてましたからね。

聴く人の免疫力を上げるというシータ波を持つSIZUKUさんの歌声がエンディングに流れると、最後の最後に全ての感情を包み込むような感じになるんでしょうね。

SIZUKU
そういう気持ちで歌ってました。
GOD
でも、シータ波ってずっと出てるわけではないんですよ。シータ波が出るような歌唱っていうのがあるんです。高音、中音、低音で出るんですけど、例えば“サビのここからここまでに出ている”とかなんで。だから、SIZUKUがしゃべっててもシータ波は出てないんです。あくまでも歌声なんで。歌った時に“あっ、今のところシータ波だね”って。

例えばサビで出るように歌ったりはできないんですか?

GOD
そうなんです。自然と出るものなので。童謡や唱歌、懐メロだと出やすいけど、J-POPは出にくいんですよ。
L→R GOD(Pro)、SIZUKU(Vo) photo by MANA
L→R SIZUKU(Vo)、GOD(Pro) photo by MANA
GOD(Pro) photo by MANA
SIZUKU(Vo) photo by MANA
SIZUKU(Vo) photo by MANA
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シングル「FANTASY MAGIC」

OKMusic編集部

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