ボカロP・164、蝶々P、buzzG、YMらも
登場 バーチャルとリアルが同居する
空間、GUMI生誕10周年配信ライブの公
式レポート到着

昨年6月26日に生誕10周年を迎え、5月より次代へダイブするためのイベントプロジェクト『SPACE DIVE!! 2020』を始動したボーカロイド「GUMI」。7月15日発売の2枚組コンピレーションアルバム『SPACE DIVE!! feat. GUMI』に続いて9月6日に無観客配信『【Streaming+】SPACE DIVE !! 2020 -GUMI 10th anniversary LIVE-』の開催が企画された。当日、スペシャルゲストとしてGUMIの隣から演奏で場を盛り上げたのは、GUMIの代表曲の作者であるボカロPの164、蝶々P、buzzG、YM。さらにGUMI同様に株式会社インターネット出身のボーカロイド「音街ウナ」、「神威がくぽ」がゲストで登場。バーチャル/リアルが同居した2時間は、周りの存在がGUMIを支えるだろう未来を実感させた。
GUMI
1曲目のイントロが流れてから、スポットライトの下、普段のミニスカコスチュームに身を包んだGUMIが、顔に両手をかざし目を瞑ったままの立ち姿で、うっすらと現れた。ライブは、GUMIによるジャンプを合図に、現実へとダイブするポップチューン「セツナトリップ」からスタート。いくつものカラフルな星が円状になりくるくると回転していく。この日は、ステージ手前の中央に設置された透過スクリーンが、画面越しでライブを視聴するファンから見たGUMIを立体的に映す役割を果たしていた。配信ライブとはいえ、まるでキャラクターが目の前に居るかのような臨場感をもたらすことができるのは、バーチャルならでは。
GUMI
バチバチと反射し合う赤い照明と響く低音が混ざる「モザイクロール」から、鬱屈した気持ちが充満する様子を描いた「ケッペキショウ」へ。不安定な心の向かう先に待っていたのは全編英詞の「ECHO」。途中で分身したGUMIが緊張感の走る圧巻のダンスを見せた。
「昨年、めでたく10周年を迎えることができました。今年から次の10年が始まります。これもみなさんの応援のおかげです。今日は10周年分の感謝を込めて精一杯パフォーマンスをするので、世界で一番最高の時間を私と一緒に過ごしましょう!」
buzzG
蝶々P
鍵盤から流れる音色に合わせてGUMIが言葉を丁寧に紡いだのは、ピアノが全体を引き立てるバラード「心做し」。その音色の持ち主は蝶々P。バーチャル/リアルの演奏が融合する光景は、それぞれがお互いに足りないものを補い合っているよう。流れるたくさんの♡の映像を背景に、全身を使って恋する気持ちをチャーミングに描いた「夜もすがら君想ふ」「告白予行練習」の後には、buzzGと「星の唄[reprise]」を奏で、切ない感情を指先にまで込める「会いたい」と近未来的でエレクトリックな「フラジール」を続けた。
GUMI、音街ウナ
神威がくぽ
ここでステージに呼んだバーチャルゲストの音街ウナが登場する。ウナとファンから愛にあふれたおめでとうコールを受け取り「ウナちゃん、みんな、本当にありがとう!」と感謝したGUMIは、ふたりが並び相対的に踊った「再演(音街ウナ・GUMI)」から、歌の主役をウナへとバトンタッチ。ユーロビートを彷彿とさせる「はやくそれになりたい!」「カンデンさせちゃうぞ」をパワフルに歌いきったウナと引き換えに突如、神威がくぽが中毒性の高い「ダンシング☆サムライ」で降臨するも、一言も残さず姿を消したことに、GUMIは感嘆の声を上げた。
パンツスタイルに着替えたGUMIが「最後まで飛ばしていくぞー!」と気持ちを切り替えると、歪むギターが印象的な「天ノ弱」が流れ始め、164との共演ステージに。濃厚でエモーショナルなサウンドに乗るGUMIの歌声は確かに前を見つめ、しっかりとその身一つで立っていた。この日のゲスト、ファン含め、様々な人たちとの関わりが、相乗効果を生み、GUMIは成長していく。これから先も変わらずに。YMによるベース音が刻み込まれた「十面相」は、GUMIの歌声を怪しげに彩った。
164
YM
『SPACE DIVE!! 2020』のテーマソングとして164が書き下ろした「GALAXY(Under my identity)」から始まるアンコール。壮大で宇宙が似合う楽曲だ。今は目に見えなくても、努力はいつか実を結ぶ、そんな思いを込めたGUMIの歌声と再度ステージに立った164によるギターサウンドが、次代の橋へと虹をかけていく。「誰かの心臓になれたなら」を届けると「アンコールありがとう!今日はこうしてみんなを傍に感じて世界で一番最高の時間になりました!これから先の10年もどうぞよろしくお願いします!」と、傍に居て欲しいといわんばかりの愛を画面の向こう側に飛ばした。
GUMI
高速BPMにロックテイストの「拝啓ドッペルゲンガー」をラストに、コンピレーションアルバム『SPACE DIVE!! feat. GUMI』のDISC1の楽曲を中心とした25曲を詰め込んだセットリストを完成させたGUMI。「またみんなに会えることを楽しみにしてるよ!今日は本当にありがとう!またね~!」そう言うと、しばらく画面の奥に向かって大きく手を振った後、ポッと姿を消した。

文=小町碧音

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