BLUE ENCOUNT、映画「青くて痛くて脆い」への主題歌に込めた青春の儚さと バンドの歌詞作りを語る

BLUE ENCOUNT、映画「青くて痛くて脆い」への主題歌に込めた青春の儚さと バンドの歌詞作りを語る

BLUE ENCOUNT、映画「青くて痛くて脆
い」への主題歌に込めた青春の儚さと
バンドの歌詞作りを語る

田邊っぽい歌詞になってきたな
──BLUE ENCOUNTさんはUtaTen初登場なので、パーソナルな部分からお聞きしたいのですが、歌詞を綴られるときは手書きですか?それともパソコンやスマホで打ち込みでしょうか?

田邊駿一:僕はパソコンで打ち込みですね。学生の事から元々は手書きでやっていたんですけど、ある日僕らのHOMEといっても過言ではないライブハウスの店長さんから、「お前はどういう風に歌詞を書いてんの?」って言われまして、「僕は手書きで書いています」って答えたんです。そしたら「馬鹿野郎!パソコンで書け!パソコンで書くと、すぐに消したり書いたりすることができるし、俯瞰で歌詞カードになった気持ちを考えて、冷静で歌詞を見れるからそれでやってみなさい」というアドバイスを頂いたんですよね。それがきっかけで、歌詞はパソコンで書くようになりました。

──イマドキですね!
田邊駿一:イマドキですか!?(笑)今の人ってどっちなんだろう?
高村佳秀:人によるかもしれないですよ(笑)
田邊駿一:人によるか!僕はもちろん、パソコンの方が早く書けますね!

──その歌詞を作る作業は、メロディーが完成された後に行われていますか?それとも詞を先に綴られてからメロディーを乗せていますか?
田邊駿一:僕はどっちもですね。基本的なメロディーは作るんですけど、それに合わせて話を書くというよりかは、そのメロディーがありつつ歌詞を書いていき、最終的には、その歌詞にメロディーを変えて合わせていく作業をしています。仮歌ではこうだったけど、本番の歌録りのときには全然違うっていうことは結構ありますね。

──田邊さんの歌詞が出来上がったら、メンバーの皆さんにお見せしてプレゼンなどはされているのでしょうか。
田邊駿一:プレゼンか~!昔はしていたよね!
高村佳秀:僕らとスタッフさん全員のLINEグループに歌詞を送ってくれるんですけど、そこで何か思う人がいたら、それに対して返信するという感じですね。
田邊駿一:そうそう!結局、みんなも歌が入らないとわからないっていうのもあるので、最終的に歌が入ったものを聴いて、「ああ、今回良いね!」って感じになったりするので。だからここどうかなって思うところがあったときは、本番の歌録りが終わったあとに話になって、録り直すとかもあるよね。

──メンバーの皆さんからみて、田邊さんの歌詞はどういう印象がありますか?
田邊駿一:(笑)恥ずかしいですね~!!
江口雄也:昔、歌詞を書くのが苦手っていうのを自分自身(田邊)言っていて。その時の歌詞は田邊自身のことが書けていないなとは思っていました。まるで誰かのような人真似になっているのを最初の方は感じていて、自分を表現するのが苦手な部分があるっていう印象がありました。だけど、どんどん書いていくにつれて、ちゃんと自分を出せるようになってきたなっていうのは、ここ最近特に感じていて。田邊っぽい歌詞になってきたなっていうのは、よく思いますし、表現とかも田邊っぽいな~とか。どの表現が田邊っぽいとかは、具体的に言えないんですけど、全体を見て「田邊だな!」って感じますし、良くなってきていると思います。

──では、高村さんお願いします。
高村佳秀:えぐっちゃん(江口雄也)と同意見なんですけど、僕は田邊が書いてくれる歌詞って、昔は歌詞書きたくない節があったけど、無理して歌詞を書いていると感じるところがありました。
田邊駿一:そうね~。
高村佳秀:今は、書きたいことを書いている感じがする。歌詞っていうよりも「田邊がどんなストーリーを描いたんだろう?」とか、まるで小説を読むような感じで、第三者目線でわくわくした気持ちで読んでいますね。田邊が良く使っているのが、「本気」と書いて「マジ」と読むとか、ああいう当て字が田邊多い気がしますね!そういうのも含めて楽しんでいます。

──辻村さんはいかがでしょうか?

辻村勇太:僕が最近思うのが、言葉のチョイスとメロディーがちゃんとリンクするようになっているなと。例えば、一番聴かせたいところに抜けやすい言葉をもってきていたりとか。他のアーティストさんとかで、いい曲だけど言葉が刺さりにくくて、歌詞を見たらこういう風に言っているんだとかあるんですけど、田邊の場合はそれがちゃんとリンクしているというか。
強いときに強い言葉を言ったりしているけど、Aメロではさりげなく、優しい言葉を投げかけていたりもするし。普通に言葉としても成立するような、言霊として乗っかってくるような感じがしますね。それに、田邊が自分でそれをわかってきているんだと思うんですよ。テーマ性があったらそこに言葉のチョイスがあって、そこから選ぶことができるから、今余裕があって楽しくなってきているんだろうなとは個人的に思っています。

──メンバーの皆さんの想いを伺って、田邊さんどう思いましたか?
田邊駿一:いや~、恥ずかしいですね(笑)でもそう思って頂けていたなら嬉しいです。僕、昔歌詞を書くのが苦手だったんですよ。それこそインディーズ時代の『HALO』を出す1,2年前とかに「週に1個必ず歌詞を書いてこい!」って言われまして、歌詞を深夜スタジオの練習に入ったときに、みんなに送るんですよ。それをみんなで見て、歌詞に対して、あーだこーだ言うっていうとてつもなく不毛な会話をやっていました(笑)テンションが下がったまま、朝5時までリハやるとかもあったね。
HALO 歌詞 「BLUE ENCOUNT」
https://utaten.com/lyric/yd15031204
辻村勇太:あれはドロドロだったね~。でも今思うと、そこに自分らのバンドの志向性がなかったから、みんな何を聴いても「?」になるわって思ったという感じでした。でもあれは良い遠回りだったね。
田邊駿一:そうだね。歌詞を書くトラウマもあったけど…(笑)
全員:(笑)
田邊駿一:このバンドを聴いてもらえるファンが増えた理由っていうのが、僕が書きたいことを書けるというよりかは、書きたいことをちゃんと見つけたいと思える人になったからなのかなってすごく思います。書きたいことがあるから原動力になるし、今のところはすごく良いインスピレーションと出会えているのはありがたいですね。
「怒」というワードを絶やさぬようにアンテナを張っています
──難しい質問をさせて頂きますが喜怒哀楽という感情の中で、歌詞に反映しやすい気持ちをどれになりますか?
田邊駿一:ええこと聞いていただいた!僕は基本的にもう、「怒」ですね。大体腹が立つことがあって、それに対して歌詞を書いていて。だからこそこうしなきゃいけないんだっていう次への原動力を書いていることが多いです。人間だから腹立つことっていっぱいあるじゃないですか?そこから逃げるのではなく、自分なりに向き合ってそれを書きたいので。僕の中では「怒」というワードを絶やさぬようにアンテナを張っていますね。
辻村勇太:俺もそれはわかるな~。

──江口さんが首をかしげていらっしゃいますが…(笑)江口さんからみていかがですか?

江口雄也:その「怒」のテーマもありますけど、そうじゃないのもあるなと思います!ただ「怒」ときの方がより、田邊っぽいっていうのはありますね。
辻村勇太:良い意味で言葉汚くてもそれで伝わるもんね。うるさい気持ちを哀しいというテーマでやってしまうと、色々言わなきゃいけないけど、「怒」というテーマのときは、「うるせー」の一言で片付くんです。しかもその時の曲って、激しい曲調が多いから歌詞とリンクする。
田邊駿一:ブルエンは英詞もやれるから、英語で言いたいことをもっと言うこともできるしね。
辻村勇太:実はすげー汚いことも言っていたりするしね(笑)
江口雄也:「怒」テーマのときは、割と似たようなことを言っていることが多くて、本当に思っているんだな~っていうのはありますね。
辻村勇太:このまま何回も言っていると、こいつテロリストになるんじゃないの?って思うよ(笑)
田邊駿一:一個思っていることを、いろんな味付けやいろんな視点を変えて書くのが好きなんですよ。だからこれからも怒っていきたい(笑)
映画の主題歌はブルエンにやってほしい
▲BLUE ENCOUNT 『ユメミグサ』Music Video(Movie Ver.)【映画『青くて痛くて脆い』主題歌】
──新曲の『ユメミグサ』は、住野よるさんが原作を書かれている小説「青くて痛くて脆い」の映画化の主題歌ですね。おめでとうございます!率直に映画主題歌に決まったときのお気持ちと、映画にどんな印象があったかお一人ずつお聞かせいただけますか?
江口雄也:僕が一番初めに住野先生とSNS上で繋がって、そこからDMでやりとりが始まったんです。そのときに僕が「住野先生の小説を読んでいます」と伝えたところ、住野先生から「(ブルエンの)ライブ来ています!」と連絡を頂きまして、それから親交があります。そして、先生は僕たちの楽曲の『もっと光を』を、「青くて痛くて脆い」のテーマ曲として物語を書いてくれたそうでして、そのタイミングで対談とかもやらせていただきました。「青くて痛くて脆い」の映画化が決まったときに、「映画の主題歌はブルエンにやってほしい」って言って頂いたみたいで、実際に主題歌に決まりました。

──住野先生からのアプロ―チだったんですね。
江口雄也:そうなんです。僕は先に小説を見させて頂いてから映画を見ました。こういう原作のものが映画になったりするときって、映画の尺に合わせなければいけないので、原作に書いていることが映画に入っていない部分もあるんです。なので、好きだったシーンが書かれていなかったなーとかもあるんですけど、ラストの描写とかは実写だからこそできる緊迫感とか、人間の肉薄した部分が見れてそこが良かったです。実写を見て物足りなかった人が、小説を見てやっと完結するバランスがとれている気がします。2つで1つの作品になっていると思います。

──高村さんはいかがでしょうか?

高村佳秀:僕は映画の主題歌が決まってから、原作を読みました。この『ユメミグサ』で行くっていうのは決まっていたんで、自分の中でこの楽曲が自然と流れるかな?って期待しながら読んだんですけど、2回ぐらい流れてきて。読んでいる世界観とこの曲のメロディー感や歌詞がとてもリンクしやすくて。えぐっちゃんも言っていた通り、イメージと曲が違うと人によっては拒否反応とかもあるので、それも怖いんですけど…。僕の中ではそれがスムーズに繋がってくれました。作り手として嬉しいのと安心がありました。

──辻村さんはいかがですか?
辻村勇太:僕はあえて小説を読まない状態で何も情報を入れないまま、試写会に行きました。ストーリーを知らないで無の状態で見たらどう思うんだろう?というのをやってみたくて。サスペンスや人間の黒い部分や若いからこその純情もあって、引き込まれましたね。そして最後に自分たちの曲がかかるのが、他人事ですけど「良い曲~!!」ってなりました(笑)でもその感情が一番良かったです。

──そうだったんですね。
辻村勇太:単純に僕らの曲だってわかったら入り込めないと思うんですけど、1つの作品として完成できたことや、それに携わらせていただいた住野先生にありがたいなって感じました。

──では、田邊さんいかがですか?

田邊駿一:実は住野先生はブルエンのファンクラブに入ってくださっているんですね。それでいつもチケットを取ってライブを見に来てくださってくれる熱いファンの方なんです。ブルエンのライブまで知ってくれているのが嬉しくて…。ブルエンのライブって僕は包み隠さずに言わせてもらえる場所なんですけど、自分たちの肉薄している気持ちに住野先生もありがたい話で、共感を覚えてくださっておりまして。僕たちの『もっと光を』を「青くて痛くて脆い」の小説のテーマ曲に選んでいただいた事もありました。
もっと光を 歌詞 「BLUE ENCOUNT」
https://utaten.com/lyric/xm15012920
──大ファンでいらっしゃったんですね。
田邊駿一:はい。あと僕、めちゃくちゃ映画が大好きで、よく映画を見るんですけど、映画ファンとしてエンドロールも立派な映画の一部だと思っていて。そこでどんな音楽が流れるんだろう?というのはよく考えました。この物語が終わって、それぞれの結末を迎えた中で、例えば数年後にこの主人公の2人がどういう気持ちでいるのかな?とかを考えて書いていきました。
青春真っ只中のときって、とてつもなく痛くもなるし、「負けねーぞ」って気持ちでいくから傷つくこともあるし。その時は気づけないことも、大人になって思い返すと、「なんであんな事言ったんだろう?なんであんな行動をとってしまったんだろう?」って思うことは僕もあったので。冷静になったときに、あの頃はやばかったけど、良い思い出だなって未来の二人が想起できるようなそういう楽曲を作ろうと思いました。

桜が散る様が夢の如く儚い

──歌詞とサウンドは原作を読まれてから作られたということですね。
田邊駿一:そうですね。原作を読みつつ、映画ファンとしての最大限の視点を盛り込みました。ラブストーリーかと思いきや、サスペンスになって「最後どんな曲がくるんだろう?」ってなると思うので、この映画の中身の作り方が本当に良かったですね。吉沢亮さんと杉咲花さんの言い合うシーンとか、僕が今まで見た邦画の中で1位になるぐらいの言葉のバトルで。良い意味でそのバトルは今っぽいなって思いました。今って言葉で戦っている世の中になっているので、そんな世の中にあっているなと。

──ブルエンさんのバンド名のブルーと、映画タイトルにある青が関係性がある感じがして、運命的で良いですね!
田邊駿一:そうですね~これは本当にありがたいです。
江口雄也:先生が狙って作った可能性も無きにしも非ずですし!
田邊駿一:僕らがイエローとかだったらね、黄色いタイトルになっていたかもしれませんしね!
全員:(笑)

──タイトルの『ユメミグサ』は桜の別名称だと思いますが、このタイトルにされた理由はありますか。
田邊駿一:元々これ「桜」っていうタイトルでラブソングだったんですよ。桜の舞い散る朝に別れた2人のカップルの事を書いていたことだったんですけど、映画の主題歌の話になったときにこの曲を全部書き直そうと思って、青春の終わりをテーマに書きました。そうなったときに、「桜」という感じではないというか。
僕がタイトルを調べているときに、「ユメミグサ」に出会ったんですが、「ユメミグサ」は桜の異名なんですよね。それになった理由が、桜が散る様が夢の如く儚いという意味がありつけられたそうでして、いつかこういうのをタイトルにしたいなって思って、このタイトルにしました。

──サウンドを聴いただけでも、春の別れを連想できました。ストリングスが使われていて、そこに楽器隊の皆さんの重なり合う一つ一つの音の魅力が丁寧に表現されていて、サウンド面も強くこだわりを持たれていると思います。手応えや、特にこだわった部分をお聞かせいただけますか?
全員:ありがとうございます!

江口雄也:曲がめちゃくちゃポップな感じなので、その中でどう自分たちらしさを出そうかと考えました。僕だったら自分っぽいギターはどういう風だろう?ってなったんですけど、曲中とかでやりすぎてしまうと、歌を悪い意味で食ってしまうんです。なので、そっちに行かないようにそこらへんのバランスをきちんと考えて、僕的にはスピッツさんを意識しました。
辻村勇太:あ~わかる!
江口雄也:スピッツのテツヤさんのアルペジオ感とJUDY AND MARYのTAKUYAさんの荒っぽいアルペジオを自分の中に落とし込んで、それを自分なりに表現したらどうなるんだろう?っていうのを表現したのがあのアルペジオですね。

──インスピレーションを受けたんですね!ブルエンさんのファン層は若い方が多いイメージがあるので、中には、スピッツさんや、JUDY AND MARYさんを知らない世代の方もいらっしゃると思います。なので、お二方にインスピレーションを受けていたのは驚かれるかもしれませんし、江口さん流の音だと思うのではないでしょうか。
田邊駿一:確かにそうだよね~。
辻村勇太:俺ら世代だもんね!
江口雄也:そうですね。若い子たちが聴いて、そう思ってくれたら嬉しいです。

──高村さんはいかがですか。

高村佳秀:バラードではあるんですけど、バラードの気持ちで作ってないんですよね。ロックバンドが作るミドルテンポといいますか。映画の主題歌でもありますけど、僕らはロックバンドなので、自分たちの色を出さなきゃいけないと思っていて。バラードバラードしていると、僕らじゃなくてもよかったんじゃないかな?って思うので、そういうのを考えた上で、自分だったらどうするかな?っていうところをよく考えました。
繊細な曲なので、1音1音抜かずに、ライブでやったら感情を剥き出しにして演奏できるそんな気持ちに、なれるように仕上げました。CDの録音としてはドラムの音は抑えてありますけど、叩いている気持ちとしては、青春真っ只中を全速力で走っているような気持ちです。

──辻村さんはどうでしょうか。
辻村勇太:よっちゃん(高村佳秀)が言ったように、基本的には僕もロック風に消化しています。でも、田邊が持つポップ感だったり江口が持つジュディマリ感を総括するのが、ベースの俺の役割だと思うんですね。そして、よっちゃんの大人っぽいドラムを一つにコーティングしてあげるのも俺の役割。そこのバランスをよく考えました。ロックバンドの中でも今作はストリングスなどの上の部分も入っているので、それが絡むようにするのも考えたし。優しい曲だけど、「大人になんてなりたくないよ」という強い言葉もあるので、そういうところは強く弾いたり、盛り上げるようにはしました。

──ブルエンさんがより音にこだわりを持たれているのが、強く感じました。豪快な音だけではなく、繊細な音の魅力を引きだせるのもブルエンさんのサウンドの良さですよね!
全員:ありがとうございます!
辻村勇太:音もそうですし、ビート感やテンション感含めて、考えてやるよりかは1発目でやる方がよかったりしますね。今までの気持ちとかどれだけパックにできるかを考えています。それが結果的に、伝わっているのならありがたいです!
青春時代をもう一回見つめ直させていただいた
──『ユメミグサ』の歌詞に「紡いだ「糸」を「半(2つ)」」にして分け合うことが「絆」なら何を結び合えてたのかな?鈍く痛む時代(とき)は揺れる」という歌詞があると思いますが、ここの比喩的表現がとても素敵だなと思いました。このフレーズはどういったことから思い浮かんだのでしょうか。

田邊駿一:うちの母方の実家が鹿児島にあるんですけど、去年久々に親戚に会いに鹿児島に遊びに行ったんですね。その時に母の弟もいたんですけど、そのおじちゃん(弟)が僕にギターを教えてくれた人でして。おじちゃんと久々にギターのセッションをしたりしたんですけど、その時におじちゃんがこれに似たようなことを話してくれたんです。絆って分け合うことができるからこそ、結び合って絆なんだろうなというような…。
糸を切るということは、相手と縁が切れることではないと!その切れた糸を互いに持って、再会するときに結び合えることが絆だという風に言っていました。それで僕の中で、こういうことが絆なんだなって思って、おじちゃんが言っていたことと自分が感じたことを合わせてあの歌詞になりました。

──最初に歌詞を拝見したときに、このフレーズが目に焼き付きましたので特にポイントとなる部分だと思いました。
田邊駿一:本当にそうですね!その時の思い出を思い出して、これを歌詞にしたいなってずっと思っていたんです。ここのメロディーも、この歌詞が出来てからできたメロディーなんですよ。すごく良い歌詞が書けたと、おじちゃんに感謝しています。
ユメミグサ 歌詞 「BLUE ENCOUNT」
https://utaten.com/lyric/qk20082031
──前半の歌詞では、「大人になんてなれやしないよ 大人になんてなりたくないよ」という主人公の諦めている部分と、まだここにいたいという気持ちが表現されていますが、後半では「これからやっと大人になるよ」という前を向いて生きていく強い意志が感じられます。こういった主人公が成長していく過程も、歌詞で表現したかったことですか。
田邊駿一:そうですね。小説読んでっていうのもありましたし、自分の学生の事も想起して書いたことなんですよね。BLUE ENCOUNTは高校生の頃からあったんですけど、「このバンドで飯を食うんだ!」って僕は周りに言い散らかしていたんです。周りも「何夢なんか見てるんだ」っていう感じだったんです。その中で居場所がなくなって、学校を中退したっていう過去があるんですけど。その時の不遇だったときの自分の気持ちに、寄り添って作った楽曲ではあるので、結構自分の中で盛り上がって書いていました。

──ご自身と重ね合わせたのですね。
田邊駿一:映画っていうきっかけを与えて頂いたからこそ、青春時代をもう一回見つめ直させていただきました。僕ずっと、青春時代を切り離したい人間だったんです。なので、学生時代の友達とかは、ここ最近やっとつるむようになりました。あの頃も大変だったけど悪くはなかったなって思ったときに、この「大人になんてなれやしないよ」っていうあの頃の気持ちと、それを思い出してやっと大人になれた「これからやっと大人になるよ」っていう対比ができていますね。
ブルエンが選ぶピックアップフレーズ!
──『ユメミグサ』の中で一番お気に入りのフレーズを教えてください!
田邊駿一:僕は、先程お話しいただいた「紡いだ「糸」を「半(2つ)」」にして分け合うことが「絆」なら何を結び合えてたのかな?鈍く痛む時代(とき)は揺れる」が一番好きですね。
江口雄也:僕も同じです!
高村佳秀:僕も!!

──田邊さん、江口さん、高村さんの3名はそちらのフレーズですね!では、辻村さんいかがでしょうか?

辻村勇太:僕は、「五線譜や言葉じゃ決して伝えられぬほどの想いを歌わせて」が好きですね。ここは音楽上での歌詞というか、楽譜じゃないんだよ!っていう感じが出ていいですね。そしてよく五線譜っていうのを引っ張り出してきたなって、すごいなと思います!

──コロナウイルスの影響で当たり前に音楽が奏でられる状況下ではないですが、最後にブルエンさんが今ファンの方に伝えたい想いを、お一人ずついただけますか?
田邊駿一:もうね、今はみんなが同じ気持ちだと思うんですよ。ライブ行きたいけどいけないし、ライブというエンタメが悪者にされてしまっています。帰る場所がないということを、今アーティストたちも悶々としております。刺激がないって日々がすごい増えてしまっているし。最初はすごく悲観をしてしまうんですけど、悲観しすぎると自分の価値まで下げちゃいそうで怖いんですよね。
だからこそ、みんなが他人に優しくなってほしい。辛い時こそ人に優しくしたら、いつかそれが返ってくるから。期待だけは膨らませつつ、コロナウイルスをぶっ倒さないといけないので。今だからこそぐっと占めて、手洗いうがいをしてほしいです。次来る春に期待をして、もう少し我慢をして頑張ってほしいなと思います!
辻村勇太:今の時期、みんなイライラしたりとか、視野が狭くなりがちになっていると思います。誰かに助けてほしいのはわかるんですけど、それを自分らで解決しなきゃいけない方法も探さなきゃいけないと思っています。寄り添う歌詞とか楽しい歌詞、悲しい歌詞とかいっぱいあるわけだから、そういう時こそ、その歌詞の力を借りて、各々の正解を見つけてほしいです。
高村佳秀:今、生のライブがなかなかできない状況が続いています。これまではそれが当たり前にできていたので、生き甲斐だったり、一番の楽しみにしていた人もいると思います。ライブができなくて落ち込む気持ちもあるとは思うんですけど、すごいワクワクが未来に残されている、その日を楽しみにしたいというか。
遠足が待ち遠しいじゃないですけど、そういう気持ちが出来たらすごいポジティブになれると思うんですよね。ネガティブじゃなくて、ポジティブな気持ちを自分なりにどんどん変えていって、生のライブで会ったときにそれを爆発させてほしいなと思います。
江口雄也:高村が言ったことに近いんですけど、今ってできないものはできない、でもそれは自分だけではなく、みんなできないじゃないですか?そのできないことに、あーだこーだ言っても仕方ないので、今は考え方次第と思っていて。これまで楽しんでいた幸せや楽しみを貯金する期間と捉えています。
この問題が解決したときに、楽しみが引き出せるように貯金すれば、ちょっと我慢できる期間ができると思う。自分にとって楽な考えをして、この時期を乗り越えてくれたら良いかなって思っています。
TEXT みなちょ
PHOTO 片山拓
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