ローズマリー役の笹本玲奈

ローズマリー役の笹本玲奈

【インタビュー】ミュージカル「ハウ
・トゥー・サクシード」笹本玲奈「増
田貴久さんはフィンチそのもの」

 NEWSの増田貴久主演のミュージカル「ハウ・トゥー・サクシード」が9月4日に開幕する。本作は、1961年にブロードウェーで初演され、以降1417回のロングランヒットという記録を打ち立てた作品。ビルの窓ふき清掃員フィンチ(増田)が、ある日「努力しないで出世する方法」という本を読んで感化されたことから始まるサクセスストーリーを描く。そんなフィンチを一目で気に入り、何かと世話を焼くようになるのが、大企業の秘書として働くローズマリー。今回は、ローズマリー役に挑む笹本玲奈に公演への思いを聞いた。
-出演が決まったときの気持ちを聞かせてください。
 私にとってミュージカルといえば、1960年代や70年代のブロードウェーミュージカルでした。「ハウ・トゥー・サクシード」や「ガイズ&ドールズ」「ME And MY GIRL」はまさにそんな作品で、ダンスも多く、こういう作品をいつかやりたいと思っていた憧れの作品でした。「ガイズ&ドールズ」と」「ME And MY GIRL」には、すでに出演しましたが、今回、残りの一つである「ハウ・トゥー・サクシード」に出演が決まり、すごくうれしかったです。
-ローズマリーはひたすらフィンチを応援する女性です。ご自身との共通点はありますか。
 ローズマリーは、最初から最後まで物語のフィンチの中に“重要な人物”として置かれている役柄です。彼女がソロで「私がいい奥さんになって彼を支えるわ」と歌う場面もありますが、私自身は、あまりそういうタイプではなくて(笑)。どちらかというと、この先も働き続けたい女性なので、その点に関しては少し違います。でも、彼女がもともと持っている母性的な部分であったり、支えてあげたいと思う気持ちは、女性なら、誰しもが持っているものだと思うので、そこには共感しました。
-フィンチを助けるために奮闘する姿が印象的ですね。
 きっと彼女は、仕事ができる女性だと思うんです。何不自由なく大企業に勤めて生活してきた女性なのですが、恋に落ちてしまうと周りが見えなくなったり、空気が読めずに暴走してしまうところがある。でも、そういうところもすごくかわいらしいと感じます。
-フィンチ役の増田貴久さんの印象はいかがですか。
 フィンチそのものだと感じました。フィンチってすごく難しい役だと思うんです。計算高い人物に作り上げてしまうと、ただ単に、嫌な男性に映ってしまう。でも増田さんのフィンチは全く嫌味を感じさせない。ポイントをちゃんと捉えていらっしゃって、計算しているところと、計算していないところのバランスが絶妙なんです。恐らく、増田さんのもともと持っている人柄の良さがフィンチにも反映されているのだと思います。フィンチが出世すればするほど、こちらも「よくやった!」と応援したくなるんです。
-増田さんを座長とした稽古場の雰囲気はどうですか。
 増田さんは、普段から共演者にもいろいろ話し掛けてくださり、ムードメーカーのような存在なので、現場の雰囲気もすごくいいです。お芝居の話ももちろんしますが、家電に詳しくて、豆知識が豊富なんです(笑)。みんなで「へーっ!」と盛り上がることもあります。
-笹本さんは、秘書仲間と歌って踊る明るいポップなナンバーが多いですが、歌ってみていかがですか。
 思わず鼻歌で歌いたくなるぐらい、曲が全部キャッチーなので、歌っていて気持ちがいいです。特にパーティーに出掛けるためにドレスを新調するシーンは、ローズマリーにとって一番のビッグナンバー、見せどころです。歌いながら着替える、やりがいのあるシーンです。
-では、作品にちなんで、もし「努力せずに出世する方法」という本が本当に存在したら、笹本さんは手に取って活用してみたいと思いますか。
 うーん、私は活用したくないですね(笑)。フィンチも努力していないように見えて、実際は結構努力していると思うんです。本当に努力しないで出世しようとしているのはバドで、彼は社長のおいでコネ入社した男性です。でも、彼のような人は、仮に出世できても、それまでにやるべきことをしてこなかったので、結局は自分が困ることになると思うんです。先に何か成功してしまっても、後からツケが回ってくるのであれば、私は最初から努力しておきたいと思うタイプです(笑)。
-新型コロナウイルスの影響で、公演予定の作品が中止になって、笹本さんも悔しい思いをしたと思います。改めて、この舞台に臨む現在の心境を教えてください。
 多分、コロナが世の中から消えるのには、まだ何年もかかると思います。なので、演劇界の在り方も今後、変わっていくのではないでしょうか。実際に、今も、稽古場ではいろいろな対策をしています。“憎きコロナ”と一緒に生活していくことを踏まえて、やっていくしかない。もちろん、お客さまで席がいっぱいになる日が早くくればいいなと強く思いますし、それを願っています。そのためにも、今は安全第一で、できるだけの対策をしながら演劇をお届けしていきたいと思います。
-外出自粛中はどのように過ごされていましたか。
 子どもと過ごすことが多かったです。一緒に多くの時間を過ごし、毎日子どもの成長を見ることができたのはすごく幸せな時間でした。それから、いろんな話を主人や私の母親としたり、それこそ今自分が抱えている悩みなどを打ち明けてみたり…。そういう身近にいる人たちとの絆が深まった時間でもありました。
-改めて、舞台を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。
 底抜けに明るいコメディーなので、とにかく見に来てくれた方は、すごく元気になって帰れると思います。悲しい気持ちとか、ちょっと憂鬱(ゆううつ)な気持ちを、劇場に置いて帰っていただけるような作品です。ぜひ、お楽しみください。
(取材・文/山中京子)
 ミュージカル「ハウ・トゥー・サクシード」は9月4日~20日、都内・東急シアターオーブ、10月3日~9日、大阪・オリックス劇場で上演予定。

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