取材に応じた、花澤香菜と前野智昭

取材に応じた、花澤香菜と前野智昭

花澤香菜&前野智昭の名コンビが実感
 「はたらく細胞!!」赤血球と白血球
(好中球)の不思議な関係性

取材に応じた、花澤香菜と前野智昭 人間の体内で働く細胞を擬人化したキャラクターたちが、外部から侵入した細菌と戦ったり、体の異常に対応したりする姿をコミカルに描く「はたらく細胞」。同名の人気漫画を原作に2018年にテレビアニメ化され、来年1月から待望の第2期がスタートする。特別上映版「『はたらく細胞!!』最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!」(9月5日公開)では、第2期の一部エピソードをいち早く劇場で見ることができる。

 赤血球役の花澤香菜、白血球(好中球)役の前野智昭は、血管のなかで毎回偶然出会い、息のあった楽しげなやりとりで物語を引っ張っていく。取材中の発言の端々にキャラクター愛をにじませていた2人に、声優陣の熱演、細胞ならではの不思議な関係性などを聞いた。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)
――最初に役を演じたときのことを聞かせてください。
花澤:私が演じる赤血球は、いろいろなことに巻きこまれやすいドジっ娘ですが、へこたれることなく常に前向きに頑張っています。なので演じるにあたっても、あまりクヨクヨしないというのは、ずっと頭にありました。どんなときも前に進もうという気持ちをもって、あとはもういろいろな細菌やトラブルが襲ってくるので、それにたいして素直にリアクションするだけだと思いながら一生懸命やっていました。
特別上映版のポスター(c)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction前野:役が決まる前のことですが、白血球はこれまで演じたことがないタイプで、男性から見ても格好いいキャラクターだなと思っていたので、ぜひやらせていただきたいという強い思いをもってオーディションに臨みました。そこで赤血球役をうけていた香菜ちゃんと急きょ掛け合いをやることになったんです。そのときに「ああ、赤血球だ」と思いました。
花澤:そうなんです。スタジオに入ったら前野さんがいて、出会ってすぐ掛け合わせることになって。前野さんは私が思い浮かべる白血球のイメージそのままだったので、「赤血球は分からないけれど、白血球は前野さんだな」と思ったのを覚えています。これまで前野さんとは長いレギュラーをやってきていて、「はたらく細胞」でも第2期をご一緒できてうれしかったです。
――第1期では赤血球と白血球(好中球)が偶然出会う場面が多くて、おふたりのやりとりが楽しかったです。
花澤:たしかに毎回偶然会っていますね(笑)。赤血球としては“白血球さんと会えるうれしさ”みたいなものがあって、毎回気持ちがあがってから話が進んでいくので、私自身もテンションをあげていきやすかったです。白血球さんは迷っている赤血球を案内してくれ、その流れで一緒にお茶を飲んだりするほのぼのとしたシーンもあって、白血球さんといると幸せな気持ちになることが多いなと思っていました。
前野:第1期がはじまるときに説明をうけたのですが、赤血球と白血球は男女のキャラクターとして描かれてはいるものの、同じ体のなかでの話なので恋仲になることはありえない関係なんですよね。そうしたところが、いい距離感を保っていられるポイントでもあるのかなと僕はとらえています。どちらかが恋心に近いものを抱いたら、その瞬間から2人の会話の熱量は変わってしまうはずなので、そういうことがないキャラクター同士だからこそ自然な会話が続けられているのかなと。
初登場の乳酸菌たち(c)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction花澤:白血球さんはピンチのときに絶対助けてくれるので、赤血球はいつも頼りにしています。同じ体のなかで働いている同士ですし、ちょっと家族みたいな感じにもなっているのかなと思います。感性的にも2人は近い感じで、血小板ちゃんや、第2期からでてくる乳酸菌たちを一緒に愛でているシチュエーションもあって、他のキャラクターより心の距離は近いようにも感じています。
――赤血球は驚いたり叫んだりすることが多い表情の変化が大きいキャラクターです。毎回収録のカロリーが高いのではないかなと思いました。
花澤:(しみじみと)好きなんですよ、ああいうのが。いろんなものに巻き込まれてキャアーっとなっているのが演じていてすごく楽しくて、その瞬間は夢中になってやっていて、あとから「ああ、なんだかすごく疲れた」となることもあります(笑)。ただ赤血球としては起こったことにたいして素直にビックリしたり叫んだりしているだけなので、あまりわざとらしくならないように、でも見ていてちょっと笑ってしまうような絵にあう感じにしたいなと。お家で練習を本気でやりすぎてしまうとご近所迷惑になってしまうので、リハーサルで反射的にでたものを大事しているところがあります。
――白血球(好中球)には「雑菌」「死ね」など強い言葉のセリフが多くありますが、嫌な感じがまったくありませんでした。
前野:敵の細菌と対峙しているとき、きっと彼のなかでは戦うことのみに集中していると思うので、「死ね」などの攻撃的なセリフはそうした思いと熱量をこめてやらせてもらっています。また、白血球はツッコミにまわるシーンもたまにあって、そういうときはいつも違うテンションでボソっと言うことでギャップがでるのも魅力でした。たまに珍しくギャグを言って周りに気がついてもらえず空回りすることもあって、そんなときは寂しいなと思いながらやっています(笑)。白血球というキャラクターの許す範囲のなかで、なんとか面白くできたらなとは常に考えていて、個々のシーンについては監督や音響監督さんと相談しながらやっています。
 第2期ではメインキャラクターたちの関係性もより深まり、白血球たちの敵となる細菌たちの存在感もさらに増しています。福島(潤)さんは第1期からいろいろな細菌を演じられているのですが、毎回面白いお芝居で番組を盛り上げてくださっています。
花澤:福島さんは、台本にない面白いアドリブを入れられるんです(笑)。
前野:ギリギリのせめぎあいというか、「面白いけど、このシーンで(この芝居は)大丈夫だろうか」というようなやりとりが毎回スタッフさん側とあって、見ていてすごく勉強になりました。
本編前に上映される「血小板 映画館へ行く」(c)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction――特別上映版の注目ポイントを教えてください。
前野:上映版でも、白血球はがん細胞と対峙することになります。第1期で最初は「一般細胞C」役としてキャスティングされていた石田彰さんが実はがん細胞役だったというトリックに僕は衝撃をうけまして、知らないうちに細胞がコピーをミスってがん細胞化するというのは、実に怖いことだなと思いました。そのインパクトがとにかく大きくて、僕自身これをきっかけに自分の体にがん細胞がないか調べにいったぐらいです。今回の特別上映版では、白血球たちがどのようにがん細胞と戦うのか、ぜひ注目してください。
花澤:本編の前に血小板ちゃんたちが活躍するショートアニメがついていますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。血小板ファンは必見だと思います。がん細胞との戦いなど本当に壮大な戦いになっていって最後のほうはお話も少し重たくなっていきますが、見ているだけで癒される乳酸菌など新たなキャラクターをはじめ、おなじみのキャラたちも登場しますので、「はたらく細胞」らしい楽しさは変わりません。安心して見ていただければなと思います。

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