映画「湯を沸かすほどの熱い愛」母親の愛は偉大!家族を1つにする最期の時間

映画「湯を沸かすほどの熱い愛」母親の愛は偉大!家族を1つにする最期の時間

映画「湯を沸かすほどの熱い愛」母親
の愛は偉大!家族を1つにする最期の
時間

これは究極の愛!銭湯を営む家族を映し出すファミリー作品

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2016年公開の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』は、死を目前にした母親と家族の愛の物語です。
監督と脚本を務めるのは、本作が商業デビュー作品となる中野量太。
自主制作映画『チチを撮りに』で国内外の映画賞を沸かせた映画界の新鋭です。
彼が描き出す銭湯を営む日本らしい家族愛のストーリーと演出は、アカデミー優秀監督賞や優秀脚本賞を筆頭に、数多の映画賞を受賞しています。
海外でも高く評価された本作のあらすじや見どころを紹介します。
余命わずかの母親が家族に示すパワフルな愛
宮沢りえ出演!映画『湯を沸かすほどの熱い愛』予告編
幸野家は銭湯「幸の湯」を営む家族。
ところが、1年前に夫が蒸発してから、休業状態に陥っています。
残された妻の双葉は、パートで生計を立てつつ娘を育て、持ち前の明るさで強く毎日を暮らしていました。
ある日彼女は職場で倒れ、医師から末期ガンで余命わずかと宣告されてしまいます。
ショックを受けたものの、死ぬまでに絶対やっておくべきことを3つ掲げ、その通りに行動していきます。
まず1つ目は、家出した夫を連れ戻し、銭湯を再開させること。
探偵を使って見つけた夫と浮気相手との子供も加え、銭湯再開に乗り出します。
次の目標は、気が優しくいじめられっ子の娘を立派に独り立ちさせること。
家族でぶつかり合いつつ、少しずつ絆を強めていく4人でしたが、残された時間はわずかです。
彼女の最後の目標は、娘をある人に会わせること。
すべての目標が達成された時、家族をはじめ彼女と関わってきた人たちは、大きな愛で包み込んでくれた彼女のために愛を尽くして見送ろうと決意します。
タイトルの意味が分かる驚きのラストまで目が離せないファミリー映画です。
日本映画界を代表するキャストが集結!
▲宮沢りえ&杉咲花”親子”、映画監督を暴露話でタジタジに 映画『湯を沸かすほどの熱い愛』完成披露舞台あいさつ
本作は、日本映画界を牽引する演技派俳優陣が、キャストに名を連ねている点が大きな見どころの1つです。
主演の双葉役を演じるのは、映画やドラマ、舞台などで幅広い活躍を続ける女優の宮沢りえ。
変わらぬ美貌と高い演技力で、病気に侵されながらも家族のために奮闘する真っ直ぐな母親を魅力的に演じています。
娘の安澄役を演じるのは、どの出演作でも存在感を放つ若手女優の杉咲花。
いじめにより不登校寸前の女の子という役どころですが、母親とのやりとりで少しずつ成長していく様子を好演しています。
共に生活を始めることになる鮎子役には、注目度が高まっている子役の伊東蒼が抜擢されました。
さらにオダギリジョーや松坂桃李、駿河太郎などの人気俳優たちが物語を支えています。
日本ならではの景色と家族愛を感じるストーリーに感動
本作の舞台となる幸野家が営む銭湯「幸の湯」は、家族を繋げてくれる大事な存在です。
内部のシーンは、東京最古級の木造建築の銭湯として2015年5月まで親しまれた「月の湯」で撮影されました。
建物の立地上、外観や釜場の撮影は難しかったため、足利市の「花の湯」がロケ地として使用されています。
昭和の雰囲気を残す趣きのある銭湯は、日本ならではの原風景という印象を与え、温かみのあるストーリーにぴったりです。
さらに、当初はボロボロの状態だった銭湯が、家族の手で綺麗にされていくところにも注目。
家族が絆を深めていくにつれて銭湯もかつての賑わいを見せ、地域の人たちを優しく迎え入れる様子は感慨深いものがあるでしょう。

そして何よりも、この家族を包み込む主人公の愛の大きさに誰もが感動を覚えるはずです。
余命宣告を受け、体は不調を訴えるものの、自身のことよりも残される家族のことを第一に考えています。
明るく楽しく、時には激しいほど実直な姿に母親の強さが感じられ、悲しみではなくポジティブな気持ちでストーリーを楽しむことができますよ。
しかも、その愛は家族だけに留まらず、行く先々で関わった人を前向きな気持ちにし、前進する力を分け与えていきます。
彼女の人柄の良さと存在の大きさをひしひしと感じさせ、観ている側も自身の命や生き方について考えるきっかけになるでしょう。
また、作中の至るところに張られた伏線は、ラストに向けてきちんと回収されていき、納得できる構成になっています。
とはいえ、結末は多くの人にとって意外で、戸惑ってしまうかもしれません。
しかし、これが幸野家のカタチであり、彼女の想いだったと考えると、本作にふさわしいラストだと言えます。
最後まで、大きな愛で家族に尽くし続けた母親の強さは、一見の価値ありです。
「愛のゆくえ」は残される側の心を支える主題歌
きのこ帝国 - 愛のゆくえ
本作の主題歌は、ロックバンドのきのこ帝国が手がける『愛のゆくえ』です。
中野量太監督の熱烈なオファーにより実現した楽曲で、撮影に入る前に脚本が渡され、ラストのイメージと合わせて何度も話し合いを重ねて作り上げられたそう。
音楽は、リズムを重視した哀愁漂うメロディとギターの歪みが混じり合う、美しいシューゲイザーサウンド。
愛のゆくえ 歌詞 「きのこ帝国」
https://utaten.com/lyric/qc16102812
そして、監督の意向で残される側の目線で描かれた歌詞には、行き場のなくなった愛を抱える切ない心情がつづられています。
しかし、大切な記憶と愛を胸に生きていくことを決意する、希望のある見解へ繋がっていて、本作の登場人物たちの前向きな未来を想像させるでしょう。
ボーカルの佐藤千亜妃のささやくような柔らかな歌声が、深いメッセージを優しく響かせ、心にすっと入ってきます。
映画のストーリーと曲が重なるラストの爽やかな心地を味わってください。
「湯を沸かすほどの熱い愛」は深い家族愛を描く名作映画!
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宮沢りえ主演の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』は、家族愛と死という普遍的なテーマを描く作品です。
死は誰にも抗いようのないものだからこそ、残された時間をどう使うかはその人の本質を物語ります。
本作の主人公は、ひたすら家族のために生きた愛にあふれる人ですが、それゆえに強引になってしまうこともある普通の母親です。
彼女の生き様を見届ける時、いつか迎える命の期限までどのように生きるかを考えさせられるでしょう。
本作を観て、改めて家族への愛を伝えてみませんか。

TEXT MarSali

UtaTen

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