松尾太陽

松尾太陽

【松尾太陽 インタビュー】
“今”だからこその本名で挑む
ソロデビュー

自分がもっと成長するために
“超特急”の看板に甘えたくなかった

そんなVaundyさん提供いただいたリード曲「Sorrow」を聴いた時はどう感じました?

タイトルを見た時は、正直しっとり系の曲かなと想像したんですよ。でも、実際に聴いてみたら、とてもさわやかで清涼感があって、朝起きた時に聴いたらめちゃめちゃいいだろうなっていう感覚になったんです。歌詞も20代とかの僕ら世代にすごく刺さりそうな感じで…なんなんですかね? ちょっとユラユラしている心情をサビで描いていたりして、今の世代に伝わりやすいと思いました。僕は純粋にラヴソングと解釈して歌いましたけど、主人公は気持ちがすごく強い人なんだろうなっていう印象はありましたね。

Vaundyさんご自身は“忘れられない悲しみを受け入れて、前に進むために作った僕なりの応援歌”とコメントされていましたが、諦めずに手を差し伸べようとする主人公のメンタルの強さは太陽さん自身とも通じるものがあって。もしかしたら太陽さんをイメージして書かれたものなのかなとも思ったり。

どうなんでしょうね? もしかしたら、あるかもしれませんね(笑)。

ただ、さわやかな曲調や主人公の芯の強さの割に、憂いを感じさせるヴォーカルは予想外だったんですよ。

どの楽曲にも言えることなんですけど、“この曲調なら普通はこうだろう”とイメージされるものとは違う歌い方でやってるところはあるかもしれないです。今回はいろんな方が楽曲提供してくださっているので、その方の意志や特徴と自分の要素が50パーセントずつのハイブリッドでいきたかったんですよ。特に「Sorrow」はそうですね。その50パーセントずつを具現化したかたちです。

完全に“さわやか”に振り切らないところは、曲世界が持つ“ゆらぎ”にマッチしてますよね。海辺を舞台にしたMVもモノクロとカラーを行き来したり、アンニュイなのか明るいのかはっきりしないところが、またお洒落だなと。

そう、お洒落なんですよね。この曲、僕の中ではいい意味で感情がグチャッとなりそうな曲な気がするんで、映像表現もそれで正解なんだろうと思います。モノクロからカラーに切り替わっていったりするのも、“この楽曲とどう交わっていくのかな?”って楽しみだったんですけど、予想以上の仕上がりになって嬉しかったですね。MV撮影なのに“こんなに笑ってなくて大丈夫なん?”って、ちょっと心配になった部分もあったくらい(笑)。

超特急のMVはほとんどの作品にコミカルな様子がありますからね。となるとレコーディングもこれまでとはかなり違ったのでは?

そうですね。超特急のレコーディングではメンバーのみんなの声があとから入ることを想定して歌うので、まずそれがない。今まではAメロ、Bメロ、サビってブロックごとに順番に録っていたのが、「Sorrow」みたいに頭から最後まで、感覚を忘れないうちに流れでツルッと歌ってる曲もあります。あとは、何より…“超特急のタカシ”でやるのと“松尾太陽”でやるのとでは、名義の違いだけとはいえ、僕の気持ち的にはかなり違うんですよ。今回のソロだって、“超特急タカシ”として始めることもできたんでしょうけど、個人的には超特急は5人いて超特急だし、メインダンサーがいてのバックヴォーカルだという気持ちが強いんです。もちろんバラエティーとかドラマとか、全員で出るのが難しいものに超特急名義でそれぞれ出るのは全然問題ないんですが、僕の場合は“超特急タカシ”でソロ活動するのは、なんだか保険をかけているような感覚になってしまうなと。

分かります。超特急の看板に甘えているというか、最初から下駄をはかせてもらってる気分になるというか。

そうなんですよ! 自分が成長するため、ヴォーカリストとしてもっと上を目指していくためには、本名の“松尾太陽”で活動したほうが誠意が伝わると思ったんです。なので、レコーディングでも超特急の作品ではなく、自分ひとりの作品というところでプレッシャーをかけてくれるような緊張感があって。自分の中でOKを出せない限りは終わらなかったし…もう、本当に時間の許す限り向き合いました。例えば、大塚 愛さんが提供してくださった1曲目の「mellow.P」は録り終わったものに違和感を感じて、再度録り直してみたりとか。

違和感とは?

ポップで可愛い曲なんで、最初はわりと明るめに歌ったんですよ。でも、録ったものを聴いてみたら、“あれ? なんかちょっと変な感じがする”って。“合うはずだったんだけどな…”って、僕の中でまさかの見当違いみたいな感じになってしまったんです。後日、大塚さんから“タイトルの通りメロウな感覚で、もう少し浮遊感が欲しいかもしれないです”という言葉をいただいたのをもとに、もう一回レコーディングしてみて、こういうかたちになりました。

“メロウなパーティー”という意味のタイトルですが、確かにパーティーよりもメロウに寄った歌い方ですよね。

曲調と歌い方にギャップがあるという意味では、「Sorrow」と似たものがありますよね。曲がポップだからキュートにいくのかなと思ったら、そうでもなく。歌詞もよくよく見てみると、今の状況や現代に対して言ってるようなところがあるんですよ。主人公にちょっと浮世離れした感もあるんで、こっちのパターンで良かったと思います。

なるほど。“世界は暗闇にいる”とか、確かにリンクしますね。逆に2曲目の「The Brand New Way」は、まさしくシティポップの王道で、個人的にも好きな曲じゃありません?

めっちゃ好きです! 「Sorrow」や「mellow.P」は歌い方に関して、デモを聴いた段階では軽いプランしかなかったけど、この曲はイントロや歌い出しを聴いた瞬間に、自分の想像通りの歌い方でイケるなと。聴き終えた頃には、もう完全にプランが出来上がってましたね。

夏にぴったりの疾走感あるナンバーで、完全に車で走ってる景色しか浮かびませんでしたよ。

そう! 僕もそのイメージです。何より曲を堂島孝平さん、歌詞を浅田信一さんっていう、このおふた方が作ってくださるのが素敵! すごく好き!

ご自身が生まれる前から数多の名曲を生み出しているおふたりのことを、そう言える太陽さんが素敵ですよ。

あははは! いや、この曲があるからこそ、“City Pops”というアルバムテーマの輝きが、さらに増しますよね。僕の両親もやっぱり世代的には刺さるみたいで、特に好きだって言ってました(笑)。

OKMusic編集部

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