【むぎ(猫)×つじあやの
インタビュー】
涙腺崩壊必至!
最強ハートフルペアによる
珠玉のコラボ曲
いつも大事にしているのは、
“みんなの宝物を歌いたい”ってこと
結果、出来上がった「窓辺の猫 feat.つじあやの」は本当に泣ける曲で! 7月に行なわれたむぎさんの配信ライヴ(『むぎ(猫) Wonder Nyander Tour 2020 完結編~配信!そっちいかずねっこほる~』)の最後にティザー映像がサプライズ披露された時も、“つじさんとの声の親和性はヤバい”というコメントがあったりして、まさにその通りだなと。
むぎ
つじさんとのコラボは初めてなので、やってみるまでお互いの声がどれくらい溶け合うのか、正直言って分からなかったんですよ。だけど、やってみたら、つじさんとむぎの声ってばっちり合うと、むぎも思いました(笑)。だから、コーラスワークも頑張ったので、つじさんとむぎの声の親和性も聴いてほしいところです。
つじ
私は《名前も知らないけれど》の部分のコーラスがすごく好きです。
分かります! つじさんのウクレレとむぎさんの木琴の組み合わせも絶妙で、温かい音色とメロディーに問答無用で涙が出ました。
つじ
ウクレレと木琴って両方とも木の楽器やし、合うんですよね。私も自分の曲をアレンジする時に木琴を使ったりもするんですけど、やっぱり馴染みがいい。
むぎ
そうですよね。ウクレレと木琴、馴染み良かったですよね。
つじ
ね。やさしい音色と、意外にガシガシくるリズムとのコラボレーションみたいなものが楽曲的にすごく良くて。デモの段階でウクレレのパートも仮で入っていたんですけど…
むぎ
むぎは弦楽器演奏できないんで、そこはカイヌシがね(笑)。
つじ
そのカイヌシさんが入れてくれたウクレレがとても良かったんですよ! スピード感があって、バキバキした音っていうか、ザーッ!と流れていくような強いウクレレで。まるでリズム楽器みたいだった。
むぎ
そう! カイヌシね、もともとパーカッションの人なんですよ。
つじ
うん。なんかそんな感じした。そのパーカッション的な雰囲気が曲のアレンジにハマっていたから、“これは普通に弾いたら負けるんちゃうか?”って、歌とは逆に悩んだんですよ。カイヌシさんのウクレレを何回も聴いて練習しましたね。
むぎ
えー! それはちょっと恐れ多いですね、カイヌシも。でも、むぎはレコーディングしたデータをいただいて、つじさんのウクレレとヴォーカルだけを流して聴いた時に、“全然違うな!”って感動しましたよ! 柔らかくて優しくて、とっても気持ちが温かくなりました。
ちなみにイントロでは木琴とウクレレの後ろに、もうひとつ弦楽器が入っていません? 胡弓みたいな不思議な音がしていて。
むぎ
あれはね、エレキギターをボトルネックで弾こうとしたら、ボトルネックが家になかったんで、ドラムのチューニングキーを代わりに使って弾いたんです。ポンポンとリズミカルな音が続くので、ミックスをしている時に、なんだか軽やかすぎるような気がして。何か心の中につなぎ止めておけるボンドみたいな…言葉にするのは難しいですけど、何かねっとりしたものを入れたかったんですよ。その“ねっとり”を表現しているんです。
つじ
ミックスが返ってきた時にそれが入っていたから、“私のウクレレが入ったことで、なんか変化があったんかなぁ?”って思ったんですよ。
むぎ
あっ、思い出した! イントロ自体を変えたんですよ。最初はもっと明るいイントロだったんです。
つじ
そうそう! ずいぶん変わっていて、それは私もびっくりした。
むぎ
つじさんの音を聴いた時に、この曲に関する理解度がグンと深まったというか。もっと懐かしさだとか、哀愁が必要だと感じて、いろんなところを変えなくちゃいけないって思ったんです。“ドラムのバックサウンド、こんなに明るくちゃダメだ!”とか、“イントロはこれじゃダメだ!”とかっていうのが出てきて、だからドラムも録り直したし、イントロのメロディーも変えました。
恐らく、より切なくなりましたよね。何より猫と少女の温かな心の交流の先に、ちゃんと別れが示唆されているところが、もう、泣けて仕方なかったです。
むぎ
むぎが歌を作る時に、いつも大事にしているのが“みんなの宝物を歌いたい”ってことなんです。今回もみんなの中でひとつの宝物になっているであろう思い出を膨らませて歌にしたので、逆に言えばこの曲を聴いて“今、出会っている何気ない人たちも大事なんじゃないか? この気持ちも宝物になるんじゃないか?”って感じてくれたら、それはそれですごく嬉しいです。
つじ
名前は知らないけれど知っている、この道を歩けばいつも出会えるっていう存在って、別れが来た時に挨拶もできないじゃないですか。普通の友達やったら“じゃあ、ご飯でも食べに行こうね”とか別れの言葉も言えるけど、そういうのもなくて。何かあるとパッと会えなくなるのが切ない。この曲の少女だったら、たぶん大学に行くとか、引っ越しとかでしょうね。もう会えない、でも、心の中で思い出して…っていうところが、みんな切なく感じるところなのかなぁって思います。
しかも《思い出が色あせて》というフレーズもあるってことは、その大事な思い出を忘れてしまうことも想定しているじゃないですか。
むぎ
あとで思い出すこともあれば、思い出さないこともあるんだろうなと。だから、思い出せば、その気持ちは宝物なんだけど、その宝物がどっかに消えていってしまうっていう、その切なさも風情だと思いますよ。今回、ベースを弾いてくれているドンちゃんは、たまたまハートブレイクな時期だったらしく、この曲がすっごいどハマりしちゃって! “ちょっとベースを弾いてほしい”って投げたら、その日のうちに“泣きながらベース弾いたよ”って送り返してきたんです。そのベースを聴いたらエモすぎて、むぎもヤバかった(笑)。この曲にまた新しい命が入ったと思うから、通な方にはベースも聴いてほしいですね。