スターダスト☆レビュー 根本 要(Vo&Gu)

スターダスト☆レビュー 根本 要(Vo&Gu)

スターダスト☆レビュー
根本 要(Vo&Gu)
- Key Person 第7回 -

バンドに対する責任が
また違うところで生まれた

40年以上音楽をやっていて、今思うとキツかった出来事はありますか?

強いて言えばメンバーチェンジだね。僕がなんでバンドをやっているかと言うと、ひとりではできないことをやろうとしているからで、それは1年目よりは5年目のほうが成長していくんだよね。経験値によってバンドの音も熟成するはずなんだ。だから、デビューした時から“メンバーチェンジをする時は解散をする時だ”ってずっと言ってたんだよ。94年いっぱいで初代キーボードの三谷泰弘が辞めるって話になった時、僕は“これはもう解散だな”って思ってた。というか、事務所からも切られると思ったんだ。誰もが知ってる、金になるようなバンドでもないし(笑)。ところが、スタッフから“スタレビは続けるべきだ”って言われて、メンバーと話し合って続けることを決めたのね。あの時が一番しんどい時かもしれない。デビュー前は僕が自分で曲を作って歌って、リーダーってこともあってほぼ自分で何でもやってきた。でも、デビュー前にキーボードが脱退することになって、三谷くんが入ってくれて…彼の才能は素晴らしかったよ。キーボードだけじゃなくて、コーラスアレンジだったり、僕の知らない音楽もたくさん教えてくれたしね。80年代後半からちょうどコンピューターや打ち込みを使った音楽が主流になり、そんな中で彼の音が大活躍してくれたんだ。その流れの中でたくさんのCMソングをやらせてもらったり、ちょっとおしゃれなシティポップの枠に入れるような曲も作れた。僕もそんなサウンドが大好きだったから何の抵抗もなく受け入れられたけど、僕には作れないと思っていたサウンドだったからね。そんな彼が辞めて、バンドも解散しないなら、僕が再度引っ張るしかないと思ったんだ。やりたい音楽は山のようにあったし、バンドに対する責任がまた違うところで生まれた感じだね。それを95年からやり始めて、何となく今も続いてるというところです(笑)。

では、根本さんの音楽人生の中でのキーパーソンはどなたですか?

エリック・クラプトンだね。音楽という人生を彼が教えてくれた気がします。彼はいつもブルースを語ってくれたのね。子供の頃、僕は彼らの作るイギリスのブルースしか知らなかったけど、彼はずっとアメリカの黒人たちのブルースを語っていて、そこから僕も興味を持ち始めたんだ。彼らは60年代半ばにロンドンにブルースブームを巻き起こし、本国アメリカのブルースマンたち、B.B.キングやハウリン・ウルフやチャック・ベリーをロンドンに招き、紹介したりしてるんですよ。クラプトンはいつも自身のルーツを語った上で自分の音楽を作り続けてて、そういう“人生の音楽”は彼から学びました。人生の中にある音楽の大切さや、人種や国を超えること、自由であることを教えてくれたのは彼です。自分の名前を隠すためにイギリスからアメリカに渡ってDerek and the Dominosを作り、女性関係やドラックでむちゃくちゃになったり、お子さんや仲間を亡くされたりもしたけど、どんなどん底でもクラプトンには助けてくれる人がいて、彼はその恩を忘れないんですよ。だから、たくさんの人に語られてるし、そのためのライヴをやり続けているんです。いわゆるエイド的なライヴには必ず参加してるしね。しかも、今もバリバリ現役のブルースマン。…50年代とか60年代には確かに黒人のブルースがあったけど、90年代、00年代のブルースを作ったのはエリック・クラプトンですよ。それくらい僕にとっては今も追いかけ続けている存在です。彼の生き様こそがブルースであり、僕の好きな音楽だと思ってます。

音楽だけでなく、その歩みに心を打たれたんですね。

ちょっと話がずれるけど、僕の大好きなギタリストの内田勘太郎さんは、たまに行方不明になるんだよ。“何で旅に出ちゃうの?”って訊いたらね、“時たまな、ブルースがよう分からんようになんねん”って。それはすごいことだなって。職業とかじゃないんだよ。ブルースという生き方なんだよね。僕自身はそこまで行けないって分かってるからさ、そんな話を聞くと自分の器の小ささを感じてしまう。でも、そんな人が僕の周りにはいっぱいいるだけでもすごく嬉しいんだよね。

取材:千々和香苗

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OKMusic編集部

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