L→R Gom(Composer)、ヤマコ(Illustrator)、shito(Composer)

L→R Gom(Composer)、ヤマコ(Illustrator)、shito(Composer)

【HoneyWorks インタビュー】
一曲を通して一冊の少女マンガを
読んだような感覚を
味わってもらいたい

歳上が相手のほうが
同級生よりも届かない感じがある

また、「1%の恋人 feat. 南(CV:豊永利行)」も『好きすぎてやばい』に収録の「映えラヴ」の後日談とのことで。「映えラヴ」の時の女の子にフラれちゃったんですね。

Gom
そうなんです(笑)。南くんの楽曲は他の子とは少し違っていて。南くんは芸能活動をやってて、前回は「映えラヴ」という曲のMVに出ている設定だったんです。そこで共演した女の子のことを本当に好きになってしまって…というのが、今回の「1%の恋人」です。だから、南くん自身のキャラクターソングは今回が初めてになります。

なるほど。それにしても、男性が聴いて“分かる分かる”ってなる感じの曲ですね。

Gom
そうですね。男って勘違いしがちじゃないですか。特に若い時って“もしかして自分のことを好きなのかな?”とか、いろいろ考える時期なので。そのへんで、共感してもらえたら嬉しいです。

Gomさんも若い時はそういう経験が?

Gom
そうですね。“いけるんじゃないかな?”と勘違いして玉砕したことが多々ありました(笑)。
shito
あったんだ(笑)。僕は慎重派なので1パーセントの可能性じゃとてもじゃないけど踏み出せない。小心者なんです。
ヤマコ
…(笑)。

楽曲はシンプルなバラードなのですが、HoneyWorksでバラードは珍しいですね。

Gom
そうですね。その点では新鮮に感じてもらえるんじゃないでしょうか。最近、音数の少ない曲を作ってみたいという欲求があって、シンプルにフレーズを聴かせる曲にしたいと思って作りました。

CVの豊永さんの歌はシンプルなバラードサウンドの中、すごくエモーショナルですね。

Gom
豊永さんのレコーディングも特別で、めちゃくちゃ楽曲を自身の中に入れてきてくれるんです。自分が想定していた以上にニュアンスを込めて歌ってくれて、水瀬さんと同じように、こちらから何かディレクションするようなことはほとんどなかったです。

ラスサビ前の女の子側の言葉で《「ごめんね」》というところの歌い方にすごく感情がこもっていて。

Gom
通しで歌った2テイク目で、すでにあのニュアンスを出してくれていました。通しでここまで歌える方はなかなかいないので、恐ろしいほどの歌唱力だと思います。その分、緊張感もあって。歌っている本人だけでなく、スタジオ全体にすごくいい緊張感が張り詰めていました。

南くんのキャラクターは最初はどんなイメージで?

ヤマコ
サポートメンバーのモゲラッタがメインで作ったキャラクターなんです。私が描くとどうしても引き出しが足りなくなってしまうんですけど、モゲラッタが描いたことでビジュアル的にも今までになかったものになりました。

南くんって名字でも下の名前でもなく、ただ“南くん”なんですね。

ヤマコ
そうですね(笑)。LIP×LIPの「ロメオ」(2017年12月発表のシングル「ノンファンタジー/必要不可欠」収録曲)という曲の登場人物が“東の国の王子”と“西の国の王子”だったので、そんなLIP×LIPに関わるキャラクターということで“今度は南だな”っていう感じで決まりました。

未だに謎多き南くんですけど、今回の曲で年上が好きなことが分かりました。

Gom
そうですね(笑)。「映えラヴ」の時はそこまで決まっていなかったんですけど、今回の「1%の恋人」を作る上で決まった設定です。年上が相手のほうが同級生よりも届かない感じがあるし、切なさも増すと思って。きっと聴いてくれる男の子も年上に憧れることがあると思うし。

《「君のニオイが好き」》とか結構生々しい部分もありますね。

shito
一曲を通して一冊の少女マンガを読んだような感覚を味わってもらいたいというのがHoneyWorksとしてあるので、この曲でもそれを意識しました。なので、冒頭はインパクト重視でいこうとということで、《「ごめん友達のままでいたい」》で始まるんです。

いきなりフラれる言葉で始まる曲はなかなかないですよ。

shito
すごくインパクトが出せたと思います。「ヒロインたるもの!」とは真逆のテイストなので、聴く人もテンションが上ったり下がったり、忙しいかもしれませんね(笑)。

コロナでライヴが中止になったりしましたけど、HoneyWorksさんはもともとネット中心の活動ですから、制作環境的な変化はあまりない感じですか?

Gom
もともと大人数で集まる制作スタイルではないですからね。むしろ以前よりも精力的に制作を続けている感じです。
ヤマコ
次の作品を作り続けていて、未発表の作品がどんどん溜まっているので、それをいつどういうタイミングで発表していくのかを楽しみにしていてほしいです。
shito
今のご時世、みなさんも家にこもってる時間が長いと思うので、より家で楽しんでもらえるエンタメを提供していきたいと思ってます。

「ヒロインたるもの!」は聴くと無条件で笑顔になれるし、「1%の恋人」は曲に没頭できる。余計なことを考えずに楽しめるので、こういう伏線と世界観がしっかりある楽曲はいいですね。

shito
ありがとうございます。これから毎月、年内いっぱいリリースを続けますので楽しみにしていてください!

取材;:榑林史章

シングル「ヒロインたるもの! feat. 涼海ひより(CV:水瀬いのり) / 1%の恋人 feat. 南(CV:豊永利行)」2020年8月26日発売 MusicRay’n
HoneyWorks プロフィール

ハニーワークス:通称“ハニワ”。ニコニコ動画、YouTubeなど動画投稿サイトで活動する関連動画総再生回数10億回を超えるクリエイターユニット。音楽性は“キュンキュン系”“青春系”と呼ばれるポジティブ系ロックが主体。2014年1月にメジャーデビュー・ボーカロイドベストアルバム『ずっと前から好きでした。』をリリース。同年5月には『ウタカツ!オーディション』でグランプリに輝いたCHiCOとのユニット、CHiCO with HoneyWorksの始動を発表。その後、『アオハライド』『まじっく快斗』『銀魂』『恋は雨上がりのように』『ハイキュー!!』など大人気テレビアニメのテーマソングを担当。
また、「告白実行委員会」シリーズから「LIP×LIP(勇次郎・愛蔵/CV:内山昂輝・島﨑信長)」、「mona(CV:夏川椎菜)」、「Full Throttle4(YUI・RIO・MEGU・DAI/CV:斉藤壮馬・内田雄馬・柿原徹也・増田俊樹)」などのアイドルキャラクターも登場し、ますます活動の幅を広げている。HoneyWorks オフィシャルHP

「ヒロインたるもの!
feat. 涼海ひより(CV:水瀬いのり)」
MV

OKMusic編集部

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