昔の横浜を旅している気分になれる!
 レトロモダンな味わいと郷愁に満ち
た『横浜市電保存館 公式チャンネル
』【ネット DE アート 第11館】

新型コロナの影響で多くの施設が休館になっていた際に、多くの美術館や博物館などが自宅で楽しめるオンラインコンテンツを制作・公開してきました。そうしたコンテンツは創意工夫がこらされており、また各施設の特色を知ることができます。

今回の【ネット DE アート】は、横浜にある横浜市電保存館に注目します。本館は、明治37年から昭和47年までの約70年ものあいだ「ちんちん電車」として広く親しまれた横浜市電を保存・展示している施設。約3ヶ月の臨時休館のあいだに、YouTubeにて『横浜市電保存館 公式チャンネル』を開設し、館内で流れている映像や写真などを公開してきました。映像を楽しんだ上で来館すれば、展示への理解が深まり、市電をより身近に感じることができるでしょう。
横浜市電保存館 公式ホームページより
「横浜市電保存館映像シアター」で知る市電の開通から廃止まで
レトロモダンな横浜の街並みをたっぷり堪能
横浜市電保存館の館内映像を上映するコンテンツ「横浜市電保存館映像シアター」は、横浜市電の開通から最盛期、そして廃止や余生までを手広く収録。市電と、市電が走る街並みの変化を捉え、横浜の歴史を知らしめる映像はレトロモダンな雰囲気で、驚きと発見に満ちています。映像には、市電が最盛期を経て廃止になり、車体の部品などが売られる様子も含まれ、即売の場に朝早くからたくさんのマニアたちが詰めかけている様子を見ることができます。
【横浜市電保存館映像シアターNo.01】 横浜市電の歩み ~横浜港開港から昭和30年まで~
横浜の街は、交通量が増加するとともに徐々に路面電車を廃止し、バスや地下鉄に切り替えてきました。本映像は市電から地下鉄へ変化していく様子や、地下鉄の着工や工事の様子などを捉えています。当時の地下鉄の姿や路線図を捉えた映像は貴重で、動画への熱いコメントから多くのファンを喜ばせていることがうかがえます。

【横浜市電保存館映像シアターNo.09】開通する地下鉄〜着工から工事の様子〜

憧れの運転手の気分を味わえる「横浜市電保存館 市電シミュレーター」
子供だけではなく大人も存分に楽しめるコンテンツ
『横浜市電保存館 公式チャンネル』には、館内の市電のシミュレーターを追体験できる「横浜市電保存館 市電シミュレーター」の動画が投稿されています。
昭和40年代の日本大通県庁前から桜木町駅までの横浜の街並みをCGで再現したこのコンテンツは、コントローラーで市電を走らせて停留所の白線まで止めるゲームの画像で、電車の走るガタンゴトンという規則的な音と電車のチンチンという音が非常にリアル。画面下部のブレーキやスピードメーター、残り時間の表示や駅を告げるナレーションも運転手気分を盛り上げます。
映像のカラーテレビや質屋など、今は見ることがないであろう看板はレトロなフォントで、街中の建物も近代的ながらどこか懐かしい雰囲気をたたえ、向かいからくる別の市電や走りゆく車の動きも本物そっくりです。お子さんはこのシミュレーターに夢中になるこでしょうし、大人でも映像の景観を楽しみながら運転している感覚を味わえます。ラストには「ぴったりに止めるのは、意外とむずかしいです……」というコメントも入り、思わずにやりとさせられます。
【横浜市電保存館 市電シミュレーター】
「市電今昔写真」で懐かしの市電を堪能
今と昔を比較して街のうつりゆきを知る
公式チャンネルの最新コンテンツは、横浜の路面電車廃止の第一号となった生麦線や、42年もの間走り続けた杉田線、市電の活躍していた昭和40年代の桜木町など、街の昔と今を比較した写真のスライドショーを展開する「市電今昔写真」です。情緒あふれるBGMと共に流れるモノクロの映像はとてもフォトジェニックで、一枚でそのまま絵になるような魅力があり、今の街並みを知らなくても昔懐かしい景色として堪能できますし、映像中の風景を知っている場合は、現在の姿との相違と共通点を比較しながら楽しむことができるでしょう。
このコーナーは『Vol.01「さようなら生麦線」』『Vol.02「さようなら杉田線」』『Vol.03「桜木町の今昔」』といった哀切漂うタイトルになっており、映像もタイトルにふさわしく郷愁を感じさせる内容になっています。

市電今昔写真 Vol.01「さようなら生麦線」
横浜市電保存館は、市電の車両や停留所標識・敷石などを、走行していた当時の状態で保存し、現役で活躍していた時の状況を体感できるように再現しています。横浜開港や関東大震災、都市計画などをわかりやすく解説し、都市のアーカイブとしての重要な役割を果たしつつ、見ているだけで市電への情熱が伝わってくるコンテンツを配信し、学ぶ喜びと知る楽しみを満たしてくれる施設です。
横浜市電保存館 公式ホームページより
「市電は街の風景のひとつです」といったキャッチーな言葉で市電愛を示す本館の公式ホームページには、ふんだんに写真や資料が掲載されており、随時更新されているTwitterやFacebookも施設訪問への期待を盛り上げます。『横浜市電保存館 公式チャンネル』を閲覧し、気持ちを高めた上で再開した横浜市電保存館へ行けば、映像の中の市電に出会えた喜びと、市電が多くの人の記憶の中で今も息づいていることを強く実感できるでしょう。

文=中野昭子 画像=公式ホームページ引用

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