アルスマグナ インタビュー 新体制
となりパワーアップして走り出した彼
らが語る、DVDシングル「My Little
HERO」に込めた決意

2020年3月に小日向タケル、東郷スバル、津田ダイチ、津田リク、弓削ミコト、宇迦野リンネの6人が加入し、新体制“11人と1匹”となった2.5次元コスプレダンスユニット・アルスマグナ。本記事では、神生アキラ、榊原タツキ、小日向タケル、津田ダイチ、宇迦野リンネに登場してもらい、新体制となった彼らに新メンバーに対する印象や変化したところ、そして8月12日にリリースされるDVDシングル「My Little HERO」について話を訊いた。
──私立九瓏ノ主学園のダンス部員として約1年間、共に活動してきた6人のメンバーが3月に加入して、いっそう賑やかに、華やかになったアルスマグナ。今回は新メンバーの中から小日向タケル(以下、タケル)さん、津田ダイチ(以下、ダイチ)さん、宇迦野リンネ(以下、リンネ)さんの3人に来ていただきましたが、神生アキラ(以下、アキラ)さん、榊原タツキ(以下、タツキ)さん的な目線でそれぞれの素敵ポイントを教えてください。
タケル&ダイチ&リンネ:お願いします!
アキラ:じゃあ、まずタケルから。そもそもは僕が彼に声をかけてダンス部に入ってもらったんですけど、どんなことも最初に「いいっすよ!」「やります!」って大きな声で言ってくれるのがタケルなんですよ。
タツキ:うん、そうだね。
──躊躇せずに。
アキラ:そう、躊躇しないから事故も多いんですけど(笑)。去年の夏、6人がまだダンス部員だったころに開催したイベントで、タケルが「三線ができます!」って言うから、「三線が入っている僕のソロ曲「しまおもふ」を歌うときに弾いてよ」って誘ったら、本番でいきなり音を外しましたからね!
タケル:いやぁ……めっちゃ練習したんですけどね(苦笑)。
タツキ:いくら練習していても緊張するのはしょうがないよね。
アキラ:いやいや、「不安なら時間が許す限りリハーサルしていいよ」って言ったのに、「いや、もう大丈夫です!」って自信満々で言ってた気がする。
タツキ:そこはあれでしょ、時間を取らせるわけにはいかない!っていう配慮でしょ?
タケル:そ、そうそう!
アキラ:かといって、楽屋の隅で練習するとかでもなかったし……。ま、久々に「しまおもふ」を大爆笑しながら歌えたから、よかったといえばよかったんだけど(笑)。
タツキ:貴重な「しまおもふ」になったからね(笑)。
アキラ:でもね、そうやって率先してなんにでも挑む姿勢は素敵だし、誰からも愛されるキャラクターですよ、タケルは。
タツキ:苦手なことにもちゃんと取り組むから、教え甲斐もありますし。これまでのアルスマグナにはない全力さ、新しい風が吹いています。
タケル:やった、ありがとうございます!
神生アキラ
アキラ:ダイチは、津田リクと双子でお兄ちゃんなんですけど……チャラく見えて、どこかムリしているんですよ。
タツキ:わかる。ムリして頑張っているところ、あるんじゃないかな。
ダイチ:こらこら、なにを言い出しますか!(笑)
アキラ:ダイチはなんでもできちゃう天才肌なので、それを隠すためにチャラく見せているというか。タケルと同じく、率先して切り込んでいってくれるけど、“置きに行く”ことも多いんですよ。
タツキ:ちょっと遠慮が見えたり、無難なところでとどめておくことは多いね、確かに。
ダイチ:えっと……これ、僕の素敵ポイントを語ってくれるところですよね!?
タツキ:大丈夫、これからこれから(笑)。
アキラ:ダイチはライブでも、まずは“ポンポーーーン!”って煽ってくれるんですけど、そのあとアキラがしゃべるんだろうなって察して、誰もなにも言っていないのに一歩下がるクセがあったり。
タツキ:切り込むのも早いけど、引くのも早い(笑)。でも、どんなにワチャワチャしていても自分の立ち位置はちゃんと把握しているし、頭の回転が誰よりも速いと思う。
ダイチ:ホメられたらホメられたで恥ずかしい(笑)。
タツキ:リンネくんは……九瓏ケント先生が連れてきた子で、先生にしかなついていないところがあるから、まだ謎は多いんですよ。
アキラ:ダンス部に入る子って、お客さんの前でキャーキャー言われたい性格なんだろうなって思っていたから、人見知りで引きこもりタイプのリンネは初めてのタイプ。でも、彼はサックスが吹けたりするんですよ。
タツキ:そう、すごい武器を持っているんです。でも、なかなか自分から発信したり、主張したりすることはなくて。
リンネ:やれと言われればなんでもやろうと思っているんですけど……。
アキラ:実際、こういうインタビューにはちゃんと来るしね(笑)。
リンネ:それはちゃんと来ます。ただ、僕のほかに10人もいるから、僕がやらなくても……というか、僕がやるよりみなさんがやったほうがいいんじゃないかな、っていう気持ちはどうしてもあるんです。
アキラ:うん、控え目(笑)。たとえば最近だったら、コロナによる自粛期間だとか制限がある生活の中で苦しんでいる人も多いわけで、そうした孤独感や閉塞感を抱く人にリンネは自然と寄り添える人間なんですよ。
タツキ:リンネだからこそ届けられる言葉もあるんだろうなって思うしね。期待値は高いです。
榊原タツキ
──スバルさん、リクさん、ミコトさんも含め、新メンバーの加入はグループにいい変化をもたらしてもいるのではないでしょうか。
アキラ:6人が入ってくれたおかげで、できないことができるようになりましたから。小さいことですけど、5人だったときは、ステージ上で真ん中にいる自分は水を飲みに行くタイミングがわからなかったんですよね。でも、11人になったら、自分が一瞬うしろに下がって水を飲んでも大丈夫だろうって思えたりとか(笑)。
タツキ:わかる(笑)。新しいメンバーが入ったことで、部活で練習するときも、こうして取材を受けるときも、みんながより考えて行動したり、発言したりするようになったかなとも思います。
アキラ:ひとりひとりが成長できたっていう大きな変化はあったよね。それに、11人になったことで表現方法が増えたんですよ。たとえば、これまではずっと朴がお笑い担当だったけど、そこに津田兄弟も加わってよりテンションが高くなったし(笑)。5人の中で浮きがちだった泉奏は、スバルが入ったことでラクになった部分もあるだろうし。
タツキ:11人になったことで、ちっちゃい楽しみが増えたしね。もともと散らかっていたグループだけど……
アキラ:その散らかりが、いい意味でより増したね。新しい6人は出来上がっているグループに入ってきたわけで、それぞれに苦しみもあるとは思うんですけど、できないことがあるんだったら先にいた僕らも含めみんなで最初からやろうよって思ったりもしています。
タケル:新メンバーとしては、そう言ってくれるメンバーや、これまでアルスマグナのことを応援してくださっているアルスメイト(アルスマグナのファンの呼称)さんたちの期待に応えたいな、と思っているんですけど……いろいろ空振ることもあって(苦笑)。
アキラ:全公演配信のみになった3月開催の舞台『クロノステージ Vol.4 絆ストーリー ~Link to smile~』でも、ライブコーナーでタケルが「「絆ストーリー」を歌いたいんだ、聴いてくれよ!」と言うとき、ちょっとテンパった感じになっちゃったしね。でも、それはしょうがないんですよ。もともとのメンバーとしてはそんなことを思っていなくても、新メンバーとしては“許してもらえるか”っていう緊張感あったと思うし。
タケル:実際、軽くないなと思うんですよ。アルスマグナがこれまでやってきた曲たち、メイトの方たちと深めてき絆はすごく大切なものだし。それがわかった上で言葉にしようと思ったらもう……頭爆発しちゃいました(苦笑)。
小日向タケル
──最終公演のラストに新加入の挨拶をする場面でも、緊張がひしひしと伝わってきました。
タツキ:ホントですよね。誰がふざけるかなって思っていたらみんな真面目か!って(笑)。
──それだけ6人も、アルスマグナに対して真剣に向き合っていくという覚悟があったからなのでしょうけど。
アキラ:そうそう、それはすごく嬉しいことですよ。
──タケルさん、ダイチさん、リンネさんは、加入当初プレッシャーもあったと思いますが、約4か月経って、楽しみを見つけていたりもするのでしょうか。
タケル:アルスマグナの一員として見てもらえるように、まだまだメイトのみなさんに伝えていかないといけないなという気持ちは持ち続けているんですけど、個人的にはアキラにがつんとムチャブリしたり、反抗したりできるようになってきたというか。これまではアキラのボス感が……。
アキラ:ボス感!?
タツキ:反抗できない感じはあったよね(笑)。
タケル:うん(笑)。でも、少しずつ切り込んでいって、アキラは気づいていないかもしれないけど、ちょっと噛みついたぜって自分的には思える瞬間が楽しかったりはします。
アキラ:俺的には痛くもかゆくもないけどね!(笑) ダイチはどう?
津田ダイチ
ダイチ:コロナの影響で、インターネットサイン会とか、ライブの配信をさせていただいていて、そういう中でメイトのみなさんのアルスマグナ愛に触れるたび、すごく嬉しいな、ありがたいな、という気持ちでいっぱいになって。コロナ禍の今は直接会えないもどかしさもあるんですけど、いつかライブやイベントで直接メイトのみなさんとお会いできたときに、どれだけ俺とLINEを交換してくれるか、めちゃくちゃ楽しみだったりします。
アキラ:さすがナンパ男!(笑)
タツキ:そうだ、6人はお客さんの前に立ってライブをしたりトークをしたりしていないんだもんね。
ダイチ:それだけに、ワクワクは増すばかりです。
タツキ:リンネはどう?
リンネ:僕にとっての楽しみは、11人で踊れることです。アルスマグナは僕にとって憧れの存在で、ケント先生に誘われて私立九瓏ノ主学園に転校して、ダンス部に入って。今までこれといった楽しみがなく生きてきた僕は、みんなと踊れている、それだけで本当に楽しいんです。これまで体験したことがないこともたくさんで、キツいこともいっぱいありますが……。
宇迦野リンネ
──そういえば、8月12日リリースのDVDシングル「My Little HERO」の初回限定盤BのDVDに収録されている『【実録】半熟スタッフが2020年のアルスマグナを追ってみた』では、とんでもない罰ゲームを課されたりとか(笑)。
リンネ:あれはものすごい体験でしたけど、そういうことも含めて今が楽しいし、メンバーと一緒に活動することで成長しているな、と感じるところもあって。アルスマグナに入ったことで人生が大きく変わったし、考え方も変わりました。
タケル:確かに、最近のリンネは逃げ出さないよね。最初のころは……。
ダイチ:ライブでいなくなっちゃったりしたもんね。
リンネ:その節はごめんなさい。でも、ちょっとずつ先生以外のみなさんにも慣れてきて。アキラ先輩とか、結構ヒドいことも言うんですけど……。
アキラ:え、リンネになんかヒドいこと言ってる!?
リンネ:はい、たまに。でも、そこに愛を感じるんです。
アキラ:よかった、愛がちゃんと伝わってた。
神生アキラ、榊原タツキ
──新体制となったアルスマグナ、すっかりいい関係が築けているのですね。さて、8月12日には2年ぶりとなるシングル「My Little HERO」がリリースされますが、夏にぴったりなアッパーチューンでもあり、歌詞を読めばファンに向けてのメッセージソングともとれる表題曲。それぞれの解釈、好きなところは?
タケル:音楽を聴くとき、画面にCDジャケットが出てくるじゃないですか。そのジャケットの中に自分がいるっていうのが、まず毎回嬉しくて。「My Little HERO」に関してはコーラスというかガヤを入れているんですけど、自分の声が流れてくるっていう感動もあります。
アキラ:俺も「ミロク乃ハナ」でその感動を味わったから、わかるよ。
タケル:本当に、特別な体験をさせてもらっているなって思います。
リンネ:「My Little HERO」の<意味なんてない そうだろ 生きてくことは>っていう、明るい曲とは思えない歌い出しはじめ、2番のAメロの<上手くいかないのは当たり前>だとかもそうだし、僕は歌詞の言葉たちにすごく共感できるんですよ。
──<傷あってこその君>というフレーズにしても、とても優しくて。
リンネ:聴いているだけで元気が出るし、支えにもなる言葉ですよね。<君ができないこと 僕がするから>というサビの最後のフレーズは、これまで先生やメンバーにたくさん助けてもらってきた自分が重なるし、これからは僕がメイトのみなさんのためになにかをしたい、そんな決意もみなさんに届いたらいいなと思っています。
ダイチ:うんうん。僕も、自分に言い聞かせるような曲だなって感じていて。歌っているのはアキラさんなんですけど、そこには11人全員の想いがしっかり込められてもいるんですよ。<君はとなりの My Little HERO>という歌詞がありますけど、メンバーひとりひとりのHEROになりたいって11人それぞれが思っていれば素敵だし……。
──そんなアルスマグナはアルスメイトのHEROであり。
ダイチ:そうなれたら最高!っていうことです。いやぁ、「My Little HERO」の特に後半は、踊っていても涙腺がゆるくなっちゃいます。
タツキ:わかるよ。自分たちへの応援ソングでもあり、メイトさんに向けての応援ソングでもあり、サビはこれからのアルスマグナの決意を込めたものでもあって。ライブで絶対にメイトさんたちと盛り上がれる曲だし、すごくいい景色が見られるだろうなっていう想像もできちゃいます。
アキラ:ライブでやったら絶対タオルを回したくなるとか、さっきダイチが言ったみたいに涙腺がゆるんじゃうとか、リンネが言ったみたいに元気になれるとか、いろんな感情が生まれて、いろんな聴き方ができるのが「My Little HERO」。すごくいいことを言っているのに途中でふざけたり、どんなときでも笑っていたいアルスマグナらしい曲がまた新たに生まれたなと思います。
宇迦野リンネ、小日向タケル、津田ダイチ
──同感です。また、今作はDVDシングルということで、「My Little HERO」のMVも収録されているわけですが、青春ムービーのような感動もあって。
アキラ:リンネ主役でね。
タツキ:どうだった?
リンネ:プレッシャーがめちゃめちゃありました。
タツキ:そりゃそうか(笑)。でも、背負うものは背負いつつも、すごく楽しそうに撮影してくれていたよね。
アキラ:3年前、「絆ストーリーの」MVで初めて主役を務めたにもかかわらず、いきなり主役面をしていたタツキとは違ってね(笑)。
タツキ:いやいやいや、いきなりの主役で……天狗になっちゃったんだろうね(笑)。そんな僕の初主役のときと違って、今回はすごく空気もよくて。
アキラ:ワイワイ系のMVだったから、すごく賑やかだったもんね。ま、それにしても6人は肝が据わっているなって思った。
タケル:え、めちゃめちゃ緊張していましたよ?
アキラ:俺たちが初めてMV撮ったときは、あの朴ウィトですら絵コンテをちゃんと見て、緊張感が漂っていたけど……新メンバー6人は、だいたい弁当食ってるか、ダイチはポンポーーーン!って感じで(笑)。
タツキ:うん、リラックスしてた。
アキラ:新時代の到来を感じたよね(笑)。
タケル:でも、それは5人がいい空気を作ってくれていたからですよ。
ダイチ:ありがたかったよね。
リンネ:だから、先輩たちと一緒に撮りながら学んでいこう、とも思えて。
アキラ:ただね、別録りしていくときに、ほかのメンバーの撮影シーンをキャッキャしながら観ていたのに、俺のリップシンク撮影のときには誰も観ていないっていう。あれどういうこと!?
タケル:いや、それはその……。
ダイチ:ちょうど飯時だったんですよ! ね?(とリンネに語りかける)
リンネ:そ、そうです。
タツキ:みんなで美味しく楽しくお弁当を食べていたんだよね。
アキラ:いやぁ、あれはびっくりした!(笑)
タツキ:でも、11人の一体感はちゃんと感じてもらえる映像だと思います!
「My Little HERO」MV(Short Ver.)

──11人そろってのダンスシーンは壮観だし、それぞれの個性にも注目して何度でも観たくなるMVです。アルスマグナらしく奔放な弾け方も痛快な「断固反対♡にゃんソング」も含め、これからのアルスマグナがますます楽しみになる作品ができたわけですが、11人と1匹で今後挑戦してみたいことは?
タツキ:この11人になって、グループとしての可能性はまた広がったし……やっぱりまずはライブだよね。
アキラ:うん。エンターテインメント業界はコロナと共存していくのがなかなか難しい現状ですけど、いつか絶対にまたメイトちゃんたちと直接会える形でライブをしたい。それまでは、配信を通して11人のアルスマグナのよさを届けていこうと思います。その間、メイトちゃんたちにはいろんな想像や妄想をふくらませてもらえたらいいかな。
──たとえば、既存メンバーと新メンバーの意外な組み合わせとか。
タツキ:そこは僕らもまさに探っているところで。
タケル:どんどん絡んでいっていいんですかね?
ダイチ:ポンポーーーン!っていう感じで、いっちゃいますよ?(笑)
タツキ:うん、いいと思う(笑)。リンネくんもね。
リンネ:はい、ケント先生だけでなく、みなさんともっと距離を縮められるように頑張ります。
アキラ:11人で新しい面をどんどん見せていくので、ワクワクして待っていてください!

取材・文=杉江優花 撮影=大橋祐希

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