コラム【音は鼓膜を震わせ、音楽は心
を震わせる】#7 大江千里「POWER」に
パワーをもらったあの頃

エンターテイナーを夢見るしがない50代のマンモス☆南が、レコード、カセットテープ、CD、MD、ネット配信と、音楽メディアは時代と共に変われど、歌が人の心を動かすことに変わりはない、という想いについて語ります。

大江千里「POWER」にパワーをもらった
あの頃

「争いがたえないのは ぼくだけが求めすぎてたから」

今やジャズピアニストとして活動している大江千里の「POWER」の一節。
失礼な言い方ながら、彼の代表曲と言えるほど売れた作品ではないが、多くの彼の曲の中では好きな部類に入る。

ちょうど私が大学に入学した年にリリースされた曲で、それまで共に過ごしてきた中学・高校の友達とも物理的な距離ができて、初めて彼女もできた頃だっただろうか。

今にして思えば、ろくに勉強もしなくて、何となく過ごしていた高校時代、本気で自分の将来を考えていたのか定かでなかった浪人時代、決してそうではなかったのに、何かを成し遂げたかのように浮かれた大学初期、その流れの中で、生活拠点も人間関係も自我も変貌したのかもしれない。

それまで好きで聴いていた曲は、メロディが好きかどうかの方が重要で、歌詞について深く考えることはあまりなかった気がする。それと、自分の生活や考え方と、歌詞を照らし合わせることもなかった。

もう30年以上も前のことなので、その頃にどんなことに悩み、葛藤したかは、明確に思い出せないが、身近な人との関係性(好きだ、嫌いだ、も含めて)や、人生、将来について考えることに費やす時間が増えたのだろう。それ故に、この大江千里のメッセージ性の強い歌詞に、インパクトを与えられたのだと思う。

自らの人生に欲が出るからこそ、他人に対しても求めることが増えるに違いない。受け身で何かをして欲しいわけでなくても、世の中が綺麗なパワーバランスで進んでいくことが、未来をスムーズに描ける可能性が高まる。

今だにそんな風に感じることがないわけではない。しかし・・・

「争いがたえないのは 誰もかれもが求めすぎてるから」

と、皆がそれぞれの理想を求めるあまりに生じる争いはなくならない。

それでも、争いを恐れて、自分の夢を追求するパワーを捨ててはいけない。
マンモス☆南
プロデューサー/フォトグラフィック・オーガナイザー
1967年9月12日 神奈川県出身
広告代理店、映画制作・宣伝などの業務を経験した後、イベント企画・運営会社「合同会社グラスタ」を設立。女性アイドルの撮影会やネット番組、フットサルチームのプロデュースなどを行う傍ら、カメラマンとして写真集やブロマイドの撮影にも取り組む。

好きなミュージシャンは、小田和正Mr.Children、大瀧詠一、杉真理織田哲郎など。
【グラ☆スタ!今月の推しメン】
丸岡千紗(まるおかちさ)
1995年3月19日生。栃木県出身。血液型AB型。
大学と並行して声優養成所に通った後、舞台やPV、広告などに出演。地元の栃木を愛し、とちぎ未来大使になるのが夢です。ニコニコ生放送「グラ☆スタ!バンバン」にレギュラー出演しています。

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