【スターダスト☆レビュー
インタビュー】
器からはみ出していく楽曲群に
ときめく新AL『年中模索』
配信って使い方を間違えると
諸刃の剣なんです
そして、最新情報によると、お客さんを入れたライブをいよいよ再開しますね。
とりえあずはガイドラインに従って、お客さん半分で座席を空けながら、8月30日に日比谷の野音でやります。『こんなご時世、バラードでござーる』というタイトルなんですけど(笑)、座って聴いていただこうとバラード中心のライヴです。色々やるつもりですが、やっぱり楽しい雰囲気を伝えたかったので、あえてこんなタイトルをつけてみました。来られない方もいらっしゃると思うので、配信もやります。とにかくお客さんに生演奏を楽しんでほしいし、僕らも拍手がほしいんです(笑)。
ガイドラインがありますからね。客席で一緒に歌うとかは、たぶんできない。
飛沫が飛んだりしますからね。でもライヴはお客さんと作るものなので、その場で色々配慮しながら僕らも楽しみます。久しぶりの東京、しかも客席半分ということで、配信で観てくださる方も多いと思うんだけど、配信って諸刃の剣なんですね。パソコンとかスマホで気軽に観られるのはいいけど、やっぱり生の本質が伝わらない気がするんです。それに配信ってね、思った以上に儲かるんですよ(笑)。ソールドアウトもないし。加えて必要以上に儲かるということは、絶対にアーティストを堕落させるんです。僕は音楽はいつも需要に応じた適正価格がいいと思ってます。僕らのコンサートも、過不足ない程度に“次のためにやるための資金”だと思ってます。売れる時に売り切っちゃう考え方もあるけど、次につなげるためのものを考えていかないと、自分たちで自分たちの首を絞めることになるから。
40年間、いつもライブバンドであることに誇りを持ってきた、要さんらしい意見だと思います。
今のスタレビの存在は、僕にとって理想に近いかたちです。スタッフとのつながり、お客さんとのつながり、本当にありがたい状況です。よく40年で得られたものは何ですか?って聞かれるけど、僕は“今のお客さんとスタッフに出会えたこと”って答えます。まだまだやりたいことはある。もっとたくさんの人に聴いてほしい。それはもちろんあるけど、まず僕らにとって大事なのは、今聴いてくれている人たちだし、その人たちがいるから外に打って出られるわけで。初めから外を目指して、やみくもに何かを作る必要はないんだと思えるようになりました。今、明らかに20年前よりも僕自身がスタレビを楽しめてるし、そう思えることがありがたいなと思ってますね。
取材:宮本英夫
アーティスト
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