Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
コロナ禍の中、
イベント開催に向けた主催者の想い

カッコ悪いところだけは
見せたくないんです、ロックなんで

千々和
ライヴハウスがいろんな工夫をして、5人でもお客さんを入れて切磋琢磨しているのは、最初の頃に比べたらニュースでも放送されてませんからね。流れたとしても殺風景なところで店長が話しているのしか観たことがなくて。それだとすでにライヴハウスの楽しさを知っている人しか行きたいという気持ちにならないので、この印象はこの先の音楽シーンにおいても結構大きいと思っています。
石田
あと、ライヴのDVDを観ればライヴに行きたい気持ちになるけど、正直言ってガイドラインを守ってライヴやっているニュースの映像では“行きたい!”とはならないよね。
青木
僕は東京初期衝動というバンドも担当していて、バンドとしては今度、抗体検査もやります。メンバーが看護師だったりするのでできるんですけど。おそらく彼女たちは、バンドマンとして現状一番過激なバンドのイメージになってるはずなんですよ。ライヴをやっていい立場という言い方にしたほうがいいんですが、東京初期衝動なら突破口になるような使命感があると個人的には思っていて。ギリギリまでライヴをやってたのは彼女たちだと思うんですよね。現場で受付やお客さんの検温なんかも僕が全部やって、前説もしたりとギリギリのところでツアーをやってたんです。でも、最終的に志村けんさんが亡くなったことで、これ以上やったらヤバいことになると思ったからツアーを延期したんですけど、7月末と8月の残りのツアーを全部やろうとしています。最終的には絶対全部のライヴをやるつもりなので、ステージを区切るビニールを買ったりしたんですよ。怖いですけど、お客さんには“個々に距離を取ってください!”と言いながらやるしかない。ライヴハウスのいいところでもありますが、来ないと分らない体験をしばらくはやるしかないかなと思います。コロナ対策として出来ることは全部やりながら開催してみないと分からないですし。どうなるのか楽しみではあるんですけどね…。
千々和
音楽業界の中で結構みなさんが意見交換をされていて、誰かがやるということで周りも動くと思うんですよね。だから、そうした方が前向きになるし、そういう行動をとっていかないといけないんだなと思いました。
青木
でもね、これは難しいですよ。本当は知名度のある人にやってほしかったんですけど、その人たちは今のところみんな配信で切り抜けているので。それと我々のライヴハウスシーンはまったく別格だし…お金に換算すると生きるか死ぬかになっている。それはバンドマンだけでなく、ライヴに関わるクルー全員ですよね。一部、クラウドファンディングなどでスタッフへの支援活動を始めてますけど。アーティストに関わるライヴ周りのクルーたちは本当に収入がないので、ライヴしかやってこなかった子たちの敗因でもありますが…売るものがないというのは今後の問題ですね。僕個人としてもこれはしばらく仕事にならないと思っていますよ。
千々和
青木さんも森澤さんもクラウドファンディングをやっていますが、最初のうちは抵抗があったりしましたか?
森澤
抵抗はありました。やるかやらないかというのはギリギリまで悩んだんですけど、何かやらなきゃなと。実は下北のライヴハウスで何度か集まって話をしていたんです。いつからライヴを始めるとか、バンドのキャンセル料とか、下北全体でクラウドファンディングをやるという話もあったんですけど、なかなかまとまらなくて。下北沢のライヴハウスというよりは『下北沢にて』としてやらせてもらえないかという相談をして始まったのがきっかけですね。
青木
僕個人としてはもともとクラウドファンディングがあまり好きじゃなくて、抵抗しかなかったんですよね。最近までずっと思ってたんですけど、クラウドファンディングを実際にやってるCAMPFIREの人の気持ちを聞いてみると“それは素晴らしいな”と思うところがいっぱいあったんです。なので、どうして始めたかと言うと、ひとつは経営者として会社のことを考えて。会社が今年で20周年だったからいろんな仕掛けを考えていたので、本来は今頃ものすごく忙しかったはずなんですよ。過去で一番ライヴがあったりしたんですけど、結局全部なくなってしまったので、それをどうするかということも始める理由でしたね。あとは、立ち位置としてイベンターやスタッフが一番辛い…表には見えにくいクルーが一番大変だということをアピールしたい気持ちがあったんです。かと言って、それを表に出すのも微妙で。苦肉の策が20周年イベントをやる予定があったから、森澤さんと一緒で一応イベントを前にしてちょっと訴える感じにしたんですよ。でも、これは個人的には失敗だと思ってるんですけど。だって、本来はカッコ悪いことじゃないですか? 結局は“お金をください”ということだから。実は今も悩んでるんですよ。特に悩んでいるのは、いろんなアーティストからコメントをもらってページに入れなきゃいけないんですけど、やっぱり“これってどうなんだ?”ってなるんですよ。真剣に有名なアーティストに“助けてください!”とお願いしてコメントをもらうのか、そうじゃなくて“20周年おめでとう!”ということで激励をしてもらいつつ面白おかしく応援してもらうのかという。僕はアーティストに負担させるのも違うと思ってたので…難しいですよね、クラウドファンディングって。
森澤
難しいところですね。心がキツいっすよね! 本当に!
青木:何をするにしてもカッコ悪いところだけは見せたくないんですね、ロックなんで。そこはね、スタッフでも無駄なこだわりがあるんです。

OKMusic編集部

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