中川晃教(スタイリスト:Kazu(WORLD STYLING)/ヘアメイク:井上 京子)

中川晃教(スタイリスト:Kazu(WORLD STYLING)/ヘアメイク:井上 京子)

【インタビュー】中川晃教コンサート
2020 feat.ミュージカル「チェーザレ
破壊の創造者」中川晃教「時が止ま
っていた劇場が、このコンサートで眠
りから覚める」

 ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」のナンバーと名作ミュージカルの楽曲、中川晃教のオリジナル曲を披露する「中川晃教コンサート2020 feat.ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』」が、7月11日と12日に、都内の明治座で開催される。ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」(以下、「チェーザレ」)は、明治座創業以来、初となるオーケストラピットを稼働させる本格ミュージカルとして注目を集めていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全公演が中止になった。その後、東京都の休業要請解除を受け、明治座が新たにスタートする第1弾として今回の公演が決定した。
 今回のコンサートでは、主演のチェーザレ・ボルジア役で出演予定だった中川が、ハインリッヒ7世役の横山だいすけ、アンジェロ・ダ・カノッサ役の山崎大輝、ドラギニャッツォ役の井澤勇貴と近藤頌利をゲストに迎え、歌やトークを織り交ぜながら、映像による演出で「チェーザレ」の世界観を表現する。中川に公演に向けての思いを聞いた。
-今回のコンサートが決定した経緯を改めて教えてください。
 「チェーザレ」は、明治座が生み出す新たなミュージカルの幕開けとなるはずだったので、キャスト、スタッフ全員が、新しいものを作りたいという思いが強い作品でした。(中止が発表される)ギリギリまで稽古を重ねていて、ほぼ完成していたんです。それだけに、どうにか皆さまに世界観をお伝えすることができないかと、明治座さんも制作サイドも動いてくださり、その中で一番実現可能な形として、中川晃教のコンサートと合体させた、この公演となったのだと思います。
-コンサート形式での公演というのは、中川さんご自身も考えていた形だったのですか。
 実は、僕個人としては、(コンサートは)全く想定していませんでした。きっと制作サイドも、出演できるメンバーを集め、ソーシャルディスタンスを保ちながら、何とか本番ができないだろうかと、ギリギリまで探ってくださっていたと思います。でも、最終的に、それは今じゃないという結論に至った。それで、僕がこれまでにも明治座さんでコンサートを行ってきたこともあり、この形を提案いただいたのだと思います。もちろん、それはとてもありがたいことで、単純にうれしい気持ちですが、同時に公演が中止になり、時が止まっていた劇場が、このコンサートで眠りから覚めることになるので、身が引き締まる思いでもあります。
-コンサートはどのような構成になるのでしょうか。
 「チェーザレ」の楽曲を4曲程度披露する予定です。横山さんが歌ってくださる楽曲もあるので、「チェーザレ」からは全部で5曲ほどお聞かせできると思います。それから、これまでに僕が出演した「SHIROH」「モーツァルト!」「銀河鉄道999 ~GALAXY OPERA~」の楽曲を歌わせていただきます。「チェーザレ」は、明治座さんが日本のミュージカルという新しい形を目指して作ってきた作品なので、オリジナルミュージカルの魅力をお伝えできたらと思っています。(ゲスト出演の)山崎さん、井澤さん、近藤さんは一応トークゲストということになっていますが、ただでは帰さないつもりなので、それも楽しみにしていただければ(笑)。
-オーケストラは入るのですか。
 いえ、今回は、基本はピアノ、ベース、ギター、ドラムの構成で行う予定です。映像での演出も入るので、ここでしか聞けないものになると思います。
-なるほど。横山さんは今回、「チェーザレ」の楽曲を披露されるんですね。
 「皇帝」という曲を歌ってくださいます。この曲は作品のハイライトとなる大ナンバーです。横山さんが演じるハインリッヒ7世はチェーザレに大きな影響を与えた人物です。チェーザレとハインリッヒ7世は生きた時代は違うのですが、チェーザレが時間を超えて対面を果たすシーンが劇中には出てきます。その対面の後、チェーザレは自らの進む道を決める。そういった状況を描いたナンバーになります。壮大な楽曲で、稽古で横山さんの歌を聞いて鳥肌が立つほど素晴らしかったので、今回、この曲を歌ってくださると聞いて、本当にうれしかったです。肩の荷が少し降りた気がしました(笑)。横山さんの歌を聞いたら、(「チェーザレ」は)こういう物語だったのではないかと想像を膨らませてもらえると思うので、ぜひ聞いていただきたいと思います。
-今回は、コンサートの生配信も行う予定ということですが。
 はい、それも新しい挑戦になります。さまざまな変化が起きている時世ですが、その中でも僕たちは今できるベストを探っていかなければなりません。やはり、舞台は生で見るものだと思うので、今できるベストは本当の意味でのベストではないのですが、でも、やってみたらすごくよかったということもあると思います。そういう意味でも、配信は僕たちにとってのチャンスです。生では伝わらない思いが配信では伝わるのではないかという期待もあります。
-改めてコンサートへの思いを聞かせてください。
 公演は決して1人ではできないものです。明治座さんに、新たなスタートを中川晃教のコンサートで始めたいと思っていただき、「チェーザレ」で作り上げた熱をなかったことにしたくないという思いを込めて、託してくださったのだと思います。そういった思いを受け止めて、今、自分が向かっていく先が見え始めました。僕にとってもこのコンサートは、新たな目標、自分を見つけるきっかけにもなるんじゃないかなと思っています。
(取材・文・写真/嶋田真己)
 中川晃教コンサート2020 feat.ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」は7月11日、12日に都内・明治座で上演。
公式サイト https://www.cesare-stage.com

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