東宝新プロジェクト「TOHO MUSICAL
LAB.」製作発表! 生田絵梨花「エン
タメに触れていないと、だんだん心が
痩せていく」と痛感

新型コロナウイルスの影響で興行中止を余儀なくされていた東宝演劇が再び幕を開ける。東宝演劇による新プロジェクト「TOHO MUSICAL LAB.」のお披露目、そして7月19日(土)19時からライブ映像配信される二つの舞台『Happily Ever After』『CALL』の製作発表が東京・日比谷シアタークリエにて行われ、『Happily~』に出演する生田絵梨花、海宝直人と脚本・演出を務める根本宗子、『CALL』に出演する木村達成、田村芽実、妃海風と作詞・脚本・演出を務める三浦直之(ロロ)が出席した。
「TOHO MUSICAL LAB.」は東宝としては初となる無観客のライブ映像配信で、30分の短編芝居を配信上映する。観客に劇場で芝居を観るという楽しさを思い出していただきつつ、また初めて芝居を観る人に興味を持っていただく事を狙っている。
会見では皆がそれぞれコロナ禍で自身が出演する予定だった芝居が公演中止となったことの無念さや悲しみを口にしつつも、今回の公演に出演できる事の嬉しさを笑顔で語っていた。
根本宗子
『Happily~』の根本は「1ヶ月前にこのお話をいただいて、1ヶ月後に上演という今までに体験したことがないスピード感だったので果たして自分に書けるだろうか、でもすぐ書けるようになるにはどうしたら、と考え、かねてよりファンだった生田さんと海宝さんに出演していただきたく、お二人の名前を台本に書いて『この二人で(舞台を)やりたいです』とオファーをしたら願いが叶った」と笑みを浮かべていた。また、本作について「ミュージカルというとキャストがたくさん出ているイメージを私自身も持っていたが、最少人数でやるとどうなるだろう、と考え、男女一人ずつ、そして演奏もピアノだけ、ダンサーが1名だけ、という観た事もないミュージカルを作っているという手応えを感じています。舞台と映像のいいとこどりが出来たら」と期待を込めていた。
生田絵梨花
続いて生田は稽古そして本番も無観客で上演する事について「今、目の前に報道の皆さまがいてカメラを向けている状態を見るだけでも嬉しい」と率直な気持ちを語ってニッコリ。
自粛期間中に気づいた事としては「2ヶ月くらい活動がストップして、エンターテインメントに触れていないと、だんだん心が痩せていく感じがするというか、元気がなくなってしまって。普段人に笑顔になってもらいたいとか、少しでも元気を渡せるようにやっているけど、お客さんやファンの方々からもらうエネルギーがすごいんだな、と感じました」と振り返り、「まだ通常どおりに劇場を再開することは難しいですが、こういうアイディアで芝居を届けられるというのは、新しい入口にもなるのかなって思っています」と意気込みつつ、これまでも芝居を楽しんでくれたファンだけでなく、これを機会に芝居に興味を持つかもしれないファンに向けて熱を込めて語った。
海宝直人
海宝は「久しぶりに演劇の場に戻ってきて皆で一つの作品を作るという喜びを実感しています。皆さんに明日への希望となるような作品を作りたいです」と笑顔を見せる。「自粛期間中は映像や音楽に救われていた。リモートで活動していると皆さん不安や苦しみを共有したいと感じている事も気が付き、この演劇という形でその不安を共有して癒す機会になったらいいな」と想いを述べ、「この30分の中で二人芝居を作る、ものすごい集中力を試されている気がします。貪欲に吸収していきたい」と意気込みを見せていた。
三浦直之
『CALL』の三浦は「観客がいない事を想定しながら台本を書いていると、これまでに劇場に集まった人やこれから劇場に集まる人の事を想像しながら書いた」と語り、「空っぽの劇場で遊びつくす。半分演劇だけど半分映像でもあると思うので、普段客席からは見えない絵も見せられたら。タイトなスケジュールでキャストも頑張っているので僕も頑張らないと」と気合いを静かに語った。
木村達成
木村は「コロナで舞台が中止となったが、僕ら以上に舞台を観ることが出来なかったお客さんが一番悲しいんだろうと思い、そんな想いをこの芝居にぶつけ、成功させたい」と言葉に力を込める。「自粛中にいろいろな作品を映像などで観たが、素敵な作品は観ていて楽しいけれど、僕はやっぱりプレイヤーなんだな、人の演技を観ていると自分もやりたくなるんです。この、人の心を動かす力がエンターテイメントなんだなと感じています」と自粛期間中を振り返っていた。
田村芽実
田村は「予定されていた舞台が中止になって、地元に帰ろうかなと思ったが、劇場の灯を絶やさぬように、演劇の火を絶やさぬように、というこの芝居に賭ける想いをきいて出演を決めました。100%の力を出し切りたい」と力強く宣言。稽古自体もシアタークリエで行われているが、「この劇場だからこそできる演出がたくさん盛り込まれていて『ここが舞台、そこが客席ではなくすべてがセットだと考えて!』と三浦さんに言われて新しい発見に繋がっています」と嬉しそう。
妃海風
妃海は「この作品の稽古では新しい事の連続で、無観客だからこそ、客席もどこまでも使える、そしてソーシャルディスタンスを取るにはこういう演劇の手法が使えるのか、など、毎日驚きの連続です。無観客を逆手にとって新しい演劇の形を作る実験的な作品に参加出来る事が凄く嬉しいです」と目を輝かせる。また、自粛期間中は「おうちでTVを観ていると人の口角の上がり方が気になって。普段人とおしゃべりする時に表情や口角の上がり方、相手の感情からエネルギーをもらっていたんだな、と感じました。人の口角が上がると自分の口角もあがっているんです。これがエンターテイメントの根源なのかなと感じました」と気づきを述べていた。
会見の後、生田と海宝が劇中歌「Around The World」を初披露。生田の愛らしく美しいソプラノの声と、海宝の伸びのあるしなやかな中低音が絡み合い、劇場内が一気に華やぐ。二人が歌い終わると会場から大きな拍手が起こっていた。
最後に登壇者全員での記念撮影では、人と人との間にピニールシートを垂らしたパネルが設置され、皆ちょっと恥ずかしそうな表情でカメラに収まっていた。

本公演は7月11日(土)19時からイープラス「Streaming+」での LIVE 映像配信のみで上演される。視聴券料金、視聴券販売期間などは本記事の文末にてご確認いただきたい。

取材・文・撮影=こむらさき

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