琴音

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【琴音 インタビュー】
自分自身の軸を
しっかり持っていないといけない

堅い軸同士がぶつかり合うことが
大事なんだと強く感じている

そこから「いざ、さぁ」が流れてきた時のメリハリも聴いていて楽しかったです。リズミカルだし、歌っていて楽しかったんじゃないですか?

そうですね。今までラップ調の曲はやったことがなかったので、言葉にアクセントを付けるコツを掴むまでが難しかったです。でも、ラップっぽい曲はずっと歌ってみたくて。

「真価論」は周りからの視線と自分らしさを守りたい気持ちが戦っている曲で、自問自答している様子が琴音さんと重なりました。

提供曲ですが自分っぽいなと思いました。日々葛藤することも多いし、話し合いをする時にひとりで立ち向かっていかないといけないこともありますし、何かを決断しないといけない時に支えになるような、自分を奮い立たせる曲だと思いました。この曲は音を割っている部分があったり、最後にフェイクが入っているところがあるんですけど、最初は全部英語の曲だったので、日本語の歌詞をどう当てはめていくか悩みました。結果的に程良いフェイクになって良かったです。

ご自身で作詞作曲された「The moon is beautiful」は全編英詞ですが、今まで書いたことはありましたか?

前から全編英詞の曲を作ってみたいとは思っていたんですけど、今回が初めてでした。ちょうど書いてみようと思った時に私の友達同士が恋人になって、そのカップルのことを見て“いい感じやね、青春だね”って思っていたんです(笑)。それと、幼い時に夏目漱石が“I love you.”を“月がきれいですね”と訳した逸話を知って感動したことを思い出したので、いい感じの友達もいるし、そのふたつを題材にして書いてみました。“月がきれいですね”と訳すのは日本人独特の価値観だと思うけど、歌詞は英語で曲を作ってみたくて、最初は歌詞を日本語で書いて、その友達のカップルを少し背伸びさせたようなイメージで作っていきました。でも、いざ歌ってみたら今まで私が勉強してきた英語の発音は日本人の発音だったんだと分かって、発音は頑張りましたね。曲のアレンジはジャジーな感じでお願いして、外国のバーで女性の人が歌っているイメージで、楽器のソロはサックス奏者の方に参加していただきました。エコーも他の曲に比べて強く効いているのでライヴ感もあり、いい感じの雰囲気が寄り添ってくれたと思います。

すごくロマンチックで、もともとラブソングを書けないと思っていた人が作ったとは思えなかったです。「昨日より」も作詞作曲を手がけていますが、曲に出てくる《君》の輪郭が見えてくるといいますか、ロマンチックな感じとはまた違う可愛いらしい様子が素敵でした。

そうですね。この曲はよりパーソナルというか。「The moon is beautiful」はロマンチックにしたかったんですけど、「昨日より」は素朴というか、落ち着いていて穏やかだけどいい感じのムードのあるラブソングにしました。アルバムでも最後に収録されている曲なので、イメージとしては私がこの歌を部屋の隅っこでひとりモソモソと弾いているような感じで歌いたくて。誰にも聴かれずにひとりで楽しく歌っている感じを出すために、間奏で一回演奏を止めてみるのも面白くていいかなと思ってやってみました。

肩の力を抜いて歌っている感じが良かったです。アルバムの最後で琴音さんとリスナーの距離感が縮まるというか、こっそり聴かせてもらっている感覚でした。

ありがとうございます。自分で言うとナルシストっぽくなっちゃうけど、最後は素朴な感じで終わるのって粋だなと思いました。

そして、今作には手嶌葵さんの「明日への手紙」のカバーが入っているのも外せないポイントですね。

オーディション番組で歌っていた時から2年くらい経ったんですけど。番組がきっかけでライヴに来てくれるようになったお客さんもいるので、喜んでもらえたら嬉しいですね。2年前は毎日カラオケに行って「明日への手紙」を練習していたので、レコーディングしている時にこの2年間しまい込んでいたその時の感覚がブワ〜ッと出てきました。“あぁ、こうやって歌ってたよな”って思い出して、懐かしさに泣きそうになったりもして。「明日への手紙」は温かい曲ですが、包み込むような神々しさもある曲だと思っているので、私が今までCDをリリースしてきた中で“いいな”と思ったことも盛り込みたくて、ウーハーをいっぱい入れて清涼感というか、神々しい雰囲気を出してみたり、後半のコーラスを厚くして、息の分量も増やしてみました。

後半にかけて、これから自分の道を進んでいくという強さを感じました。あと、以前より歌声がすごく軽やかになった印象もありましたよ。

マイクに乗せた時に表現したい声を自分で調整できるようになってきたのかもしれません。あと、私は今まであまり発言をしてこなかったので、どういうふうに歌いたいかを人に言ったことがなかったし、実力もなかったんです。でも、今回の制作では自分のイメージをたくさん話しましたし、活動していく中で歌い方のニュアンスの変化を付けやすくなったので、それで軽やかさも出てきたのかなと思います。実際にレコーディング中に“良くなったね!”と言ってもらえることもあって、自分では自覚がなかったんですけど、知らぬ間に変化があったんだなと思いました。

今回お話を聞いていて思ったんですけど、以前デビューEP『明日へ』でインタビューさせていただいた時よりもすごく胸を張っていて、琴音さんの印象が変わりました。今回のレコーディング含め、自信や成長につながる出来事がたくさんあったのかなと。

今回はスタッフさんと話すことが多く、制作面でも自分自身の軸をしっかり持っていないといけないということを実感しました。自分の意思を曲げちゃいけないんだなと。関わってくださる方も軸がしっかりしている方ばかりなので、自分もしっかりしたいし、堅い軸同士がぶつかり合うことが大事なんだと強く感じています。私はもともと我が強い人間なので(笑)、このアルバムを通して自分にとってすごくありがたい答えを導き出すことができました。これも成長だと思いますし、それを活かして今後もより良いものを作っていきたいです。まずは今できることをやりつつ、お正月に“多彩”という目標を掲げたので、歌はもちろんそうですし、歌につながる日常も含めて彩りが増すような活動ができればと思います。

取材:千々和香苗

アルバム『キョウソウカ』2020年6月24日発売 Colourful Records/ビクターエンタテインメント
    • 【初回限定盤】(CD+DVD)
    • VIZL-1770
    • ¥4,000(税抜)
    • 【通常盤】(CD)
    • VICL-65380
    • ¥3,000(税抜)
琴音 プロフィール

新潟県長岡市出身、2002年生まれのシンガーソングライター。18年にオーディション『Eggs presents ワン!チャン!! 』でグランプリ、テレビ朝日『今夜、誕生!音楽チャンプ』ではグランドチャンプを獲得。同年7月に初の全国流通ミニアルバム『願い』を発売し、19年3月にはEP『明日へ』でメジャーデビューを果たした。何度も感情を見つめ直し、あたたかい言葉で綴ったリリックをその圧倒的な歌唱力で届けていく。琴音 オフィシャルHP

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OKMusic編集部

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