【加藤和樹 インタビュー】
歌詞はファンへの強いメッセージ
曲によって主人公が違うんだから、
声が変わるのは当たり前
楽しみにしていますね。さて、今作ではナノウさんから楽曲提供を受けた「Tell Me Why」もすごく新鮮でした。
この曲を最初に聴いた時、すぐに“歌いたい!”と思ったんです。疾走感があってカッコ良くて、そこに描かれている物語がとても魅力的だったんですよ。先ほどから言っているような前に進むパワーも感じたので、全力で歌わさせていただきました。
基本的に加藤さんもかなりポジティブですよね。
ポジティブになりました。以前は本当にネガティブで、自分に自信が持てなくて、何をやってもダメじゃないかと思っていましたし、もっと歌がうまくなりたいと思っていたんです。でも、発信する立場になるからにはネガティブなワードは言わないようにしようと決めたんです。それが20代後半の頃かな? そうすると、自然とポジティブになれたんです。
素敵な変化でしたね。
はい。それに、自分がそう言えるまでにはどうしても努力が必要なんですよ。実力の裏にはどうしたって努力が必要ですからね。その努力を続けていると、自分が手を抜いていると“これは楽をしているな”って分かるようになるんです。そうなるまで時間がかかりましたが、日頃の意識を変えてからは毎日が楽しくなりました。
そして、「君ニ唄エバ」ですが、まったく雰囲気の異なるミディアムチューンですね。
この曲を書いてくれたきなみうみさんは20代前半の方で、すごく若いアーティストさんなんですよ。だからか音作りがとても斬新なんですけど、とにかく難しくて。しかも、世界観が甘酸っぱいんです。35歳にして、こんな青春の歌を歌うのは面白かったですね。
加藤さんの深い歌声が入ると、歌詞だけを見た時とはまた違う印象を受けました。
楽曲によって主人公が違うから声も違って当たり前だと思っていて。もちろん、歌い方が一貫しているのはすごいと思いますが、役者も声優もやっているからこそ、いろんな表現がしたいと思ったんです。実は、曲によって声帯のポジションも変わるんですよ。うまい人って話す時に声帯に負担のかからない話し方をするんです。
声帯ひとつとってもテクニックがあるんですね。
昔はこれが分からなくて。ミュージカルの期間中にレコーディングをしたら、どうしてもミュージカルのような歌い方になってしまうという大変な時期もありました。もちろん、今は切り替えができるようになったので安心してください(笑)。
ラストに浜田省吾さんの「片想い」のカバーが入っているのもびっくりしました!
あはは。以前カバーライヴをした時に歌わせてもらったこともあり、入れさせてもらいました。この曲はすごく哀愁が漂っていて、深くて、でもシンプルにストレートな想いを歌っているんですね。まさに僕が思い描く理想の曲でもあるんです。それを改めてカバーすることで、その年代の人には懐かしく、若い人には僕の声を通して曲の魅力が伝わったらいいなと思っています。
なるほど。では、今だからこそ思う、加藤さんからファンのみなさんにメッセージをお願いします!
僕はライヴでいつも“一緒に歌ってください!”って言うんです。なので、このアルバムも、この期間にたくさん口ずさみながら聴いてもらいたいですね。そして、会える時になったら、ぜひみなさんで大合唱しましょう!
取材:吉田可奈
「Tell Me Why」MV(Short Ver.)
関連ニュース