遥海

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【遥海 インタビュー】
私の歌唱を通して
“言葉”の意味を伝えたい

信念のこもった力強さと心の機微をとらえたセンシブルさを兼ね備え、歌に秘めた真意や想いを豊かな表現で伝える歌唱力が高い評価を得てきたシンガーの遥海。そんな彼女から1stシングル「Pride」が届いた。日本語/英語歌詞を交えた4曲を収録した本作は、彼女の未来につながる大切な一枚となった。

私の2019年を振り返った時、
“やさしくなかった1年”だった

現在はCOVID-19の感染予防もあり外出自粛の日々ですが、ご自宅ではどのような毎日を過ごされてますか?

こんな時だからこそ普段できなかったことを試したり楽しんだりしています。今はまさに家事が私にとってのそれですね。おかげさまでむちゃくちゃ上達しました(笑)。

主にはどのような家事を?

料理ですね。父がすごくうまいんです。そんな父から学んで料理を始めて。それもあって、きちんと朝ごはんも自分で作って食べるようになりました。今まで朝ごはんを食べない時が多くて。あと、早寝早起きにもなりました。昨夜も7時~8時には寝て、今朝は4時には起きましたから(笑)。

まずは、遥海さんのシンガー的な面からおうかがいします。遥海さんの歌声は“歌を聴かせる”タイプよりも、むしろ歌の意味を伝えたり届けたりといった面に重きを置いたタイプとお見受けしました。

その“伝えたり届けたり”はとても大事にしています。私の場合、日本語がそこまで上手ではないことは自覚しているので(父は日本人、母はフィリピン人のハーフ。現在23歳で13歳より日本に移住)、伝え方にせよ、ニュアンスにせよ、英語と日本語の言葉の重みなども踏まえて歌っています。まさに伝え方の重要性は、日本に移ってきて言葉が分からない中で生活を送ってきた私が、今まで身をもって体験してきたことからも基づいていて。ちゃんと言葉の意味を理解していないと伝わらないという気持ちを持って歌っています。

なるほど。それゆえに各曲に込めた想いや気持ちが聴いている側にしっかりと伝わってくるわけですね。

そこに込めたり乗せたりした想いを伝える意識で歌っています。“自分はこの歌詞をこうとらえたから、このように伝えよう”や、“ここの部分にはこれぐらい気持ちの重さが託されているから、こう歌おう”などを気にしながら。もちろん音楽は雰囲気も大事ですが、私の中では“歌を伝える”といった意味で“言葉”がもっとも重要で。どんな方が聴いても歌ったまんまの言葉が、その意味とともに伝わる歌唱を心がけています。

どの曲も非常に伝わってきますし、歌だけで世界や場面が広がっていきます。曲に込めた想いを自分なりに消化し、把握した上で歌っているんだろうなって。

日本人だけではなくて、海外の人にも歌だけで内容や込めた想いが伝わればいいなと思って歌っています。特に今回の「Pride」はアニメ『波よ聞いてくれ』のエンディング曲なので、海外の方々にも届くかもしれないし。

その伝え方にしても、パワフルで生命力あふれる面からセンシティブでデリケートな部分まで、幅広いニュアンスを伝え分けている感があります。そんな中、今回のシングル「Pride」は英語詞/日本語詞の計4曲を収録し、楽曲のタイプはさまざまながら一枚を通して共通したものを感じました。

そこが今作のポイントのひとつでもあります。今回のデビューシングルをリリースするにあたり、改めてのスタートであることも踏まえ、どの曲をどんなテーマでもって選ぼうかととても考えました。そんな中、私の2019年を振り返った時、“やさしくなかった一年”だったことを思い出して…。そこで見つけたものを軸にしたシングルにしようと思い立ったんです。

その“やさしくなかった”というのは?

自分の可能性を疑ってしまい、自分の実力に自信が持てなくなってしまったり、自分の歌唱が信じられなくなってしまったんです。どこか“自分の歌ってすごくブレてる”と思いながら活動していた一年でもあって。

それはとても意外です。そんなこと微塵も感じられませんでした。

他人から自分がどう見られたり映っているのかが、すごく気になっていた時期だったんです。なので、自分の姿や自身のアイデンティティーを見失ってしまっていて。“私、本当にこのままで進んで行っていいのかな?”とか、“本当に自分の伝えたかったことってこうだったっけ?”とか、常に自問自答していました。そんな中、ふと“日本語ができなかった頃の私にとっての日本語の音楽って、もっと自分の味方だったり、逃げ場だったよね”と思い当たったんです。

それを今じゃすっかり忘れて歌ってるなと?

ですね。いろいろなコンテストやテレビに出てちやほやされ出したりして、なんか違った方向で歌うことの楽しさを見い出していたんです。で、歌うこと自体が好きだった、あの頃の純粋さやピュアさを失っていたことに改めて気づかされて。そんな弱い自分でも受け入れるしかないなと。

それは?

その自分が弱いことを受け入れることこそ、逆に強さなんだろうと。歌としても、人としても。自分の気持ちに嘘をつかずに正直になり、それをそのまま歌として出せばいいんだって。そこからですね、自分が表さなくちゃいけないのは喜怒哀楽なんだと自覚するようになったのは。

確かに遥海さんの歌声は喜怒哀楽の感情が豊かですよね。

それに気づいてからは逆に歌が自分そのものに変わっていきました。そんな時にいただいた楽曲が、この「Pride」だったんです。デモを初めて聴いた時は、“自分が本当に伝えたいことが何なのか?”という答えと出会えた気がしました。この曲で歌われていることを通して、抱いていた疑問が全てクリアーになったんです。

その“答えと出会えた”の部分をもう少し詳しく。

歌のうまさとかの実力もですが、自分の場合はみんなと寄り添い、喜怒哀楽を伝えるべきだなって。それをこの「Pride」で想い起させてもらったんです。そこからですね、逆に“自分はこんなもんじゃないよな!”と思い始めたのは。で、この曲をメインにメジャーデビューとアニメのタイアップが決まった時、「Pride」の他に私のデビューシングルとして相応しい曲を喜怒哀楽を基準にして選び出しました。
遥海
シングル「Pride」【初回生産限定盤】(CD+DVD)
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OKMusic編集部

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