Editor's Talk Session

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【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
ライヴハウス支援に立ち上がった
Dとlynch.に訊く

“ピンチはチャンス!”が
“ピンチはクエスチョン?”に

烏丸
ネットインフラの進化は“CDを売ってライヴをする”というミュージシャン活動の定形を壊しましたよね。さらに、ライヴもこれからはサブスクになるかもしれない。covid-19はそんな時代の変革を加速させたけど、もともと将来を見据え変化しながら活動していたDやlynch. にとっては、壊滅的なダメージを受けるものではないことが分かった気がします。もちろん未曾有の事態ではあるし、試練ではありますけど、足元をすくわれるものではないですね。
ASAGI
ありがとうございます。確かに時代の変化ということでは、急激に加速してますよね。それに対応していくというか、適応するために変わり続けていかないといけないというのは日々思っていることなので…でも、これまでのピンチの感覚って主に自分たちに降りかかってくるものだから、それは“ピンチはチャンス!”というスタンスで進んできたんですけど、この新型コロナウイルスに関してはみんながピンチじゃないですか。だから、チャンスというふうには全然考えれなくて、僕の中では今、“ピンチはクエスチョン?”なんですよ。“大ピンチだ。さぁ、どうする?”という。これに対していかにベストアンサーを出していくかというのを日々考えてますね。例えば、時代的にCDが売れなくなったのって、バンドとしてはピンチじゃないですか。そのアンサーとして、ダウンロードやサブスクをもっと前向きにとらえていかないといけない…と思ってるんですよ。だから、今回のプロジェクトを通してダウンロードやサブスクがアーティストの収益になることを少しでも広めていければいいなとも思ってるんです。サブスクがアーティストの収益になると意識して聴いている人ってまだ意外と少ないと思うんですよ。Dの企画の場合は今自社の権利で配信しているので、一回の再生に対して1円前後の収益があるんですね。それを今回に当てはめて考えてみると、例えば、そのライヴハウスに該当する楽曲を、世界中のDのファンを含め、Dをまだ知らなくても、そのライヴハウスを愛し、応援したいと思う人達2,000人が毎日Dの該当曲を5回聴いてくれると一日約1万円の収益になるので、その10パーセントが分配されるから、一日に約1,000円、一カ月で約3万円、一年で約36万円、これが3年続けば約100万円になる。それをライヴハウス約50カ所で計算すれば、この企画の3年間の総額は約5000万円。これにダウンロード収益は別。Dが活動している間、企画はずっとやり続けるので、これはすごく持久力としてとらえたプロジェクトなんです。金額はあくまで仮ですが、可能性は0ではありません。今すぐにどうにかしたくても、今どうにかできる力は僕にはない。それにウィルスは今回だけとは限らない。であれば、自分が死ぬまで続く応援のかたちをするべきだと思って決めました。で、まさに今ってアーティストを支えたいと思っているリスナーはたくさんいらっしゃると思うんですね。サブスクを聴くこと自体がアーティストを支えること、Dが立ち上げた複数の企画においてはライヴハウスを支えること(#LiveHouseNeverDie)、自然と動物たちを守ること(#あなたの1再生が自然と命を救う)、世界中の子どもたちを守ること(#あなたの1再生が子どもたちを守る)になるっていうのを、もっとSNSを使って提示していきたいとも思ってますね。この記事を読んでいるみなさんも、もし見かけたらぜひ拡散してください。Dのチャリティー企画はもとより、サブスクで聴くこともアーティストの支えになるということを広めたいので。サブスクは無料のものもありますしね。
烏丸
音楽を聴くことが支援につながることを伝えないといけないですね。たくさんのアーティストが#stayhome状況下で動画をアップしていますが、そこにこそ広告を入れてほしいんです。“こんな時に金儲けかよ”と炎上は避けたいし、マネタイズは不謹慎と思っているのかもしれませんが、多くの音楽ファンが広告を観れば少しでも経済は回っていくわけですし、そこでマネタイズすることに抵抗があるのであれば、収益は寄付に回せばいい。
ASAGI
おっしゃる通りです!
烏丸
“広告を観ることだって、サポートの一助になり、経済に貢献しうる”ことを伝えてくれれば、僕らオーディエンスは喜んで広告を再生しますよ。
ASAGI
確かに。それか、そういうことに詳しい方が主導でYouTubeで複数のアーティストが出るような音楽番組をやってくれないですかね(笑)。テレビでは音楽番組がどんどんなくなっていっているじゃないですか。でも、昔の音楽番組も視聴者参加型のものもあって…それこそリクエストの葉書を送ったりしてたけど、そういうことってすごく大事だと思うんですよ。それが今の時代になって、デジタルに進化したかたちも提示できるわけだし。YouTubeってYouTuberにしても個による発信も多いけど、個ではないロックバンドでそれはなかなか難しいから、何組かが集まって番組をやると面白いんじゃないかな? もちろんコロナ禍が終わってからのお話ですけど。
岩田
それは観てみたいですね。やっぱりファンはバンドが活動している姿を観るのが一番安心するし。
ASAGI
そうですよね。オンラインってどうしてもライヴの生の良さには敵わないじゃないですか。ライヴの代わりを担うものはかなり難しいと思うけど、コロナ禍以前のようになるには何年もかかるかもしれないし、第二波、第三波も来るかもしれない。オンラインでやるならオンラインだからこその良さというのを見つけないといけないですよね。
岩田
コラボ動画もそうですよね。“えっ! この人と一緒にやるの!?”っていうワクワクもあるし。
ASAGI
確かに! 葉月くん、一緒にやろうよ!(笑)
葉月
何、やります?(笑)
ASAGI
何やろっか? ツインヴォーカルとか?(笑)でも、ほんとに一緒にやりたいよね。コロナが終息した暁には、同じ志を持ったバンド同士でチャリティーライヴをやるとかさ。それ、やれたらいいな〜。

OKMusic編集部

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