Calmera・辻本美博主催で開催される
地元密着型フェス『CoFuFun FES. 20
20』の裏側に密着「胸にグッとくる音
楽ライブを天理で」

4月25日(土)、26日(日)、奈良・天理駅前広場 CoFuFunにて、開催予定だった野外音楽フェス『CoFuFun FES. 2020』が新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から中止となった。『CoFuFun FES.』公式サイトに記載されている主催の辻本美博のコメントにもあるように、このイベントは「全員が心からハッピーな気持ちでイベントをやり遂げる」ことをまず念頭に置いたイベントだ。お客さんはもちろん、スタッフ含め全ての人が楽しむことで天理の街を盛り上げるパワーになる。そこに関わる全員が信じて開催まで向かっていた。今の情勢を鑑みてやむをず中止になってしまったが、辻本が「必ず何らかの形で『CoFuFun FES.』の火は絶やさないようにします」とコメントをしているように、これで完全に終わったわけではないはず。今後『CoFuFun FES.』が何か新しい発信をしてくれることを願い、今回、SPICEが2月に取材を行っていた関係者打ち合わせの模様を、記事として公開することに決めた。この記事を通して『CoFuFun FES.』チームが次に行うイベントへの期待に繋がればいいと心から願う。

なお、開催予定だった日程で、出演予定アーティストを集め、辻本美博のインスタグラムアカウントで配信イベントを開催することが急遽決定している。
『CoFuFun FES. 2020 on Instagram』
■配信日 2020年4月25(土)、26日(日)
■配信時間 12:00-14:00(予定)
2020年4月25日(土)、26日(日)の2日間、奈良・天理駅前広場 CoFuFun(コフフン)にて開催予定だった野外音楽フェス『CoFuFun FES. 2020』が新型コロナウイルスの影響によって中止になってしまったことを受け、公演を楽しみにしていたファンの方々のために、開催予定だった日程で『CoFuFun FES. 2020 on Instagram』と題して、主催の奈良県天理市PR大使・辻本美博のアカウントからインスタライブにて生配信を実施いたします。当初、出演予定だったバンド・出演者からそれぞれ代表者が各10分ほど出演いたします。
4月25日(土)、26日(日)、奈良・天理駅前広場 CoFuFunにて、野外音楽フェス『CoFuFun FES. 2020』が開催される。本イベントの主催となるのはエンタメジャズバンドCalmeraでアルトサックスとクラリネットを担当し、天理市のPR大使も務める辻本美博。「天理の街でいつか音楽祭をやって欲しい」という市長の呼びかけもあり実現した、まさに辻本氏と市が一丸となって開催される地元密着フェスだ。
昨年、初開催となった『CoFuFun FES. 2019』は前売りチケットが即ソールドアウト。クラウドファンディングで、環境を整えるための有志を募ったところ、目標の130%超えを記録。市の内外からも大きな支持を集め、天理市初の音楽イベントを大成功に収めた。
天理駅前広場 CoFuFun
2回目の開催となる今回は、出演者も増え2DAYS開催となり、ますます音楽フェスとしての盛り上がりを見せる。駅前で行われるフェスというのはあまりなく、通常の音楽フェスよりも近隣への配慮など考えなければならない点が多いはず。今回、天理駅前広場で行われるこのフェスがどのように作られ、どの様に天理の街がこのフェスと関わっているのか取材すべく、会場付近で打ち合わせを行なう辻本氏の一日に密着した。

天理駅

まず天理駅に降りて驚いたのは、CoFuFunはまさに「駅前広場」であるということ。改札を出て目の前にあり、奥にあるひときわ目につく「ステージコフン」が本フェスの会場だ。付近には遊具やカフェ、コミュニティゾーンなど市民の憩いの場となる施設が充実しており、いかにこの場所が市民に寄り添って作られたかよく分かる。
天理駅前広場 CoFuFun(ステージコフン)
しかしこの駅前広場で大規模な音楽フェスを行うことは簡単ではないはず。自身が主催するフェスを開催する際に、なぜこのCoFuFunという場所を会場に決めたのか、その理由を辻本氏は次のように語った。
辻本美博(Calmera)
「この場所は天理市の入り口ですし、街の雰囲気を感じ取ってもらえます。そして街全体にも言えることなのですが、ゴミが全く落ちてないんですよ。積極的に街をきれいにしようという意識が高いんです。そんな街のPR大使として天理市長からも、街の皆さんからも、天理の街を元気にするということを任せて頂いていて、僕に何ができるかと考えたときに音楽だなと。僕たちがライブをすることで、他府県から天理市に足を運んでもらうキッカケになり、そのまま街を見てもらって、いい街だなと思って帰ってもらいたいです。これまでも、天理に来ていただいた方の話を聞くと、「また来たい」とか、紹介したお店の人と仲良くなって、正直そこまでアクセスがいい場所ではないのにわざわざ飲みに来てくださったりしていると言うのも聞いていて。一回来たら気に入ってもらえる街だというのは自信があるので、そういった方を一人でも増やせたら良いですね」
天理駅前広場 CoFuFun
確かに取材班が、天理の駅に降り立って見て感じたのは清潔感。駅前広場は隅々まで整備されており、ゴミ箱が頻繁にあるわけではないのに、ゴミは落ちていなかった。インタビューを行ったコミュニティスペースも、老若男女の利用者がいるにも関わらず清潔に保たれていた。天理教が普及している土地柄もあるのだろうが、その意識が利用者に広まっているのだろなと感じた。
天理本通り商店街
また、見所のひとつとして『CoFuFun FES.』はフードも充実している。昨年は15件以上もの出店があり、今年はさらに協力店が増える予定とのこと。また会場内だけではなく、CoFuFun広場を少し行った先には、天理市本通り商店街があり、地元に根付いたお店が立ち並ぶ。まさに地元感を肌で感じることができる古き良き商店街だ。
天理スタミナラーメン 本通り店
牛又の天理コロッケ
商店街を行った先には天理市の名物、天理スタミナラーメンや、昨年に引き続き、今年もフェスに出店される牛又の天理コロッケなど、ここでしか味わえない食べ物も多く、何気ない店にも特有の雰囲気がありゆっくりとした時間が過ごせそうだ。辻本氏に天理市の見どころを訪ねた際にも、飲食店を上げるほどだ。
辻本美博(Calmera)
「観光で調べると、日本最古の神社である石上神宮や、黒塚古墳などがあったりするのですが、僕としては、天理の食べ物に触れてみて欲しいですね(笑)。天理には、例えば「福岡の明太子」とか「香川のうどん」といった名物があるわけではないのですが、ないがゆえに、奈良で採れた地野菜を使っているお店だったり、天理の地酒だったり、その他各ジャンルで有名店にも負けないクオリティのお店がたくさんあるんです。フェスを楽しんだあとに、お店で美味しい物を食べて、楽しかったし美味しかったなと思って帰って欲しい。おススメのお店は僕のSNSやブログを見て頂ければ(笑)」
辻本氏はCalmeraや自身のリーダーバンドPOLYPLUSで精力的にバンド活動を行いながら、天理市のPR大使も兼任し、さらに今回のフェスの主催を務める辻本氏。一度に3つの仕事を兼任することは、簡単ではないはず。ましてや今回は2DAYS開催。前回はチケットが即完売する程の勢いのあるフェスを2日間行うというのは、我々には想像ができない程の苦労があるのではないか。そのことを尋ねると、意外な回答が返って来た。
辻本美博(Calmera)
「苦労……実はあまり無いんですよね(笑)。先頭に立ってイベントを立ち上げるのが僕のまず出来ること。それ以外は、餅は餅屋の精神で、各分野の素晴らしいプロフェッショナルな方々に信頼してお任せしているので​、正直そんなに大変なことはないんです。でもこれは絶対に一人じゃできないということを改めて実感するというか、周りの方々には感謝しかないです。強いていうなら……金銭面ですかね(笑)。実は天理市から予算は一切もらっていなくて、本当に街の方に協力してもらって成立しているフェスなんです。あ、あと当日に関しては、体力面ですね。当日は演者と主催者を両立しないといけないので(笑)。チケットに関しても前回の即完売は嬉しい誤算で。前回、来たかったのに来れなかった方もいるかもしれないと言うことで、今回は細かく先行発売を行って、来ていただける人数をその都度把握しています。大きな会場でやるということも考えたのですが、この会場で、ちゃんと地に足をつけて皆さんにイベントを楽しんでもらおうと思いました」
辻本美博(Calmera)
次に取材班はイベントの打ち合わせを行う現場の潜入取材を行った。打ち合わせに参加したのはステージの施工スタッフや音響スタッフ、ライブスタッフ、天理市役所の職員、天理市の飲食ブースを取り仕切る代表といった方々が集まり、当日の舞台設営、リハーサル、フードエリアの規模など、イベントをいかに円滑に進めるかという事前打ち合わせから、前回を踏まえての改善点、2DAYS行うことで出てくる新たな問題点などを話し合った。
『CoFuFun FES. 2020』打ち合わせ風景
ステージ面での疑問点は施工業者の方、ライブ進行に関してはライブハウスのスタッフ、付近の設備や防犯面などは市の職員の方、飲食やその他天理の街のことに関しては、飲食の代表の方といった形で、それぞれ明確に問題点を洗い出したり、代替案を出す様子はまさに各分野のエキスパートがそろっているからこその内容だった。
『CoFuFun FES. 2020』打ち合わせ風景
何より、辻本氏をはじめとした『CoFuFun FES.』を作るスタッフの方々を見て感じたのはチームワークの良さ。印象的だったのはポスターの完成品が全体の場では初お披露目だったようで、印刷されたポスターを机に出すと「お〜すごい!」といった歓声などが聞こえたり、「これを街中に貼り出すのが楽しみやね」と嬉々とした表情で話していた。古くからの知り合いの様な空気感でイベントを作り上げている様子を見ていると、このチームで2回目を開催する意義を感じた。
辻本美博(Calmera)
「実は昨年の1回で終わってもよかったんです。昨年で「音楽祭を天理の街で実施する」という天理市長との約束は果たしたので(笑)。でも僕自身が自信を持って、皆さんにオススメしたい演者さんに集まってもらえて、お客さんも、すごく楽しんでくださっている感じがひしひしと伝わったんです。打ち上げの時にも「来年はどうする?」と次回の開催がある前提でスタッフさんに話しかけられて(笑)。そのタイミングからもう次に向けて後押ししてくださっていたのを感じたので、またこのチームでやりたいなと思いました」
『CoFuFun FES. 2020』
1時間30分以上にも及ぶ打ち合わせの大きなテーマは、「いかにお客様に楽しんでもらえるか」という部分。前回はクラウドファンディングに協力していただいた方に、特製で木札を作り、会場に設置、記念品としてお渡しといった、物としても心にも残る施策を行った『CoFuFun FES. 』。今年もここでは明かせないが、イベントを通じて何やら天理の街を賑やかにする演出を考えている様子だった。ぜひ形になる時を楽しみにしていて欲しい。
花屋「コフレドゥブーケ」
続いて打ち合わせの後、すぐに辻本氏は、時間が許す限り今回協力していただいた方へのご挨拶周りをするとのことで、SPICE取材班もそこに帯同した。一件目は天理市でお花教室も行っている花屋「コフレドゥブーケ」。お店の方も辻本氏の顔をみるやいなや歓迎ムードに。
花屋「コフレドゥブーケ」
撮影をすることを伝えると、「それならせっかくですし、華やかなとこ行きましょか」と、面会室を抜け、花が並ぶ店頭に快く案内してくれた。「もちろん今年も協力させていただきます」と言葉を交わす様子を見るだけでもいかに『CoFuFun FES. 』という名前が街に浸透しているのかがわかる。
「菓子工房 マリアージュ」
続いてお邪魔したのは天理駅近くにあるケーキ屋さん「菓子工房 マリアージュ」。先ほどと同じ様にポスターをお渡しし、撮影を行っていると、お店の方からサプライズケーキが。「辻本さん、この間誕生日やったでしょ? 遅くなりましたけどケーキ用意しました!」(取材の約1週間前が辻本氏の誕生日)と用意されたケーキは、食べられるインクで写真がプリントされたもので、これには辻本氏も満面の笑みだった。他にも辻本氏がプリントされたクッキーなどもあり、サプライズ的なおもてなしに溢れた挨拶回りとなった。今年も「菓子工房 マリアージュ」はフェスに洋菓子を出店されるそうなので、ぜひ味わっていただきたい。
「菓子工房 マリアージュ」
時間の都合でこの2店のみのご挨拶回りとなったが、街の方との触れ合いを直接見て、このフェスは本当に多くの方の協力の元に、文字通り街全体で盛り上げているイベントなのだと、改めて感じた。当日はさらに街が一丸となって、『CoFuFun FES. 』を盛り上げ、活気づく天理市を見ることができるだろう。最後に、このフェスへかける想いを辻本氏に尋ねた。
辻本美博(Calmera)
「それは、ここに書いてあるんです。「(木の看板を取り出し)「胸に グッとくる音楽ライブを天理で」を合言葉に熱い気持ちを持って、人との繋がりを大事に、FESを行ってる 一人じゃできないこともみんなでなら実現していける、叶えていける、今の頑張り、輝きは次世代への希望となる。奈良は天理、おもてなしの心、CoFuFun FES.は最高のFES。」という想いが全てですね」
『CoFuFun FES. 2020』
「僕は音楽の仕事をやらせてもらっていて、その全国各地で演奏している中で、人の心にグッとくる音楽を鳴らすアーティストと出会ってきたのでそんな方々を皆さんに紹介できる。でも僕一人じゃ届けることはなかなか難しい。それを天理の街の皆さんとスタッフチームの協力があるからこそ実現できる。あと、僕が音楽を始めたのが天理の中学校からなんです。吹奏楽部で、クラリネットを吹き始めたのですが、やればやるほどこの道でやっていきたいという想いが強くなったんです。僕が今こうして音楽を届けることができるのはその時の経験があるからで、このフェスを観てもらうことで「自分も何か大きなことがやりたい」という気持ちになって、天理の街からもっと次の世代の子たちが出てくるキッカケになれればいいなと思います」
『CoFuFun FES. 2020』
奈良県天理市で行われる『CoFuFun FES.』。会場も決して野外音楽フェス向きとはいえない駅前広場。だからこそ様々な人が協力しあって作り上げる素晴らしいフェスだと感じた。それはフェスに関わるスタッフだけでなく、天理のお店や近隣施設といった市全体の協力、ひいては参加するお客さんによって成立する、まさに地元密着型のフェス。様々な音楽イベントが行われる今の時代、人の温もりすら感じることができるフェスがここにある。『CoFuFun FES. 2020』、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。
取材・文=城本悠太 撮影=福家信哉

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