永田崇人と阿久津仁愛がまさにふたご
のようなビジュアルに「7歳差のふた
ごです(笑)」 音楽劇『プラネタリ
ウムのふたご』

永田崇人と阿久津仁愛がW主演を務める音楽劇『プラネタリウムのふたご』が、2020年6、7月に愛知、東京、大阪にて上演される。本作はいしいしんじの同名小説(講談社文庫)を原作に、ウォーリー木下が脚本・演出を手がける音楽劇。永田と阿久津は、星の見えない村のプラネタリウムで拾われたふたご、テンペルとタットルを演じる。二人は“星の語り部”に育てられ、一人は手品師に、一人は星の語り部となり……。
本作のビジュアル撮影をしていた某日、二人に話を聴いてきた。
インタビュールームに現れた永田と阿久津は、シルバーのウィッグにほんの少し色味が異なる衣裳を着て登場。その姿は本物のふたごかと思うくらい!
「よろしくお願いいたします。阿久津仁愛です!」と永田がわざと名乗り、笑いを誘うところからインタビューが始まった。
(左から)阿久津仁愛、永田崇人
ーー本当にそっくりですね! インタビュールームに入ってきたとき、どちらがどちらか分からなかったですよ。
永田:阿久津です!
阿久津:永田です!
永田:さっき相談していて、今日は入れ替わり作戦で取材を受けようかなって(笑)。
ーー(笑)。早速ですが、本作に出演が決まったときの気持ちから聴かせてください。
永田:僕、仁愛からでいいですか(笑)。本当に嬉しかったです。まだその時は原作をよく知らなかったんですが、いしいしんじさんの本だと聞いて! 数年前に、つながる音楽劇『麦ふみクーツェ〜everything is symphony!!〜』を観に行ったんですが、その感動が自分の中にずっと残っていて。本当に好きな世界観だったんです。また演出がウォーリーさんで。これまでもたくさん舞台でご一緒させていただきましたし、作詞の森雪之丞さんは、ミュージカル『リューン〜風の魔法と滅びの剣〜』以来ですし。(突然、阿久津を見て)ねっ!!
永田崇人
阿久津:ふぁいっ!(油断して変な声が出る)……永田崇人です(笑)。僕はミュージカル『テニスの王子様』(以下、テニミュ)が自分にとって初舞台でしたが、卒業後こうしてまた音楽劇であるこの舞台に出演出来ることが嬉しかったです。でも崇人くんとふたご役というのが驚きでした。というのも昔、初めて崇人くんと出会った時に「似てるね!?」って話をしていたんです。
永田:そうそう。顔も似ているし、もしかして兄弟なんじゃないかって話をしていました。
阿久津:だから崇人くんとふたごの役が出来ることがまた嬉しいんです。
永田:ええ子やわあ。僕と仁愛は7歳違いなので、その時は「兄弟役が出来そう?」って話をしていたんですが、まさかのふたご役とはね(笑)。
ーー改めて本作の台本を読んでみての感想を教えてください。
永田:ウォーリーさんの世界観は、色で例えるならパステルみたい。絵の具を水に垂らした時にフワッと広がるあの色が何個もある感じです。そんな美しくてかわいい世界観。そういう世界がお好きなんじゃないかなって思います。そこに僕が抱く世界観と凄く近しいものを感じるんです。メッセージ性が強くて「騙されることは決して悪いことじゃなく、それが幸せなこともあるんだよ」というメッセージがずっとあって、そこに様々な物語が絡みあっていく……。僕らの仕事もそういう性質があると思うし、舞台が好きな人もある意味、騙されに劇場に来ている気がするんです。存分に騙されに来て欲しいです。
阿久津:この作品は表現や例え方が凄いな、独特だなって思います。あと僕は栃木県出身なんですが、田舎では夜空を何度も見上げていたので、この作品で星座についていろいろ知識を得られました。
阿久津仁愛
永田:原作を読んでいると、「あれ、今の台詞はテンペル? タットル?」ってなることが多いんです。でもこれってわざとそう書いているんじゃないかなとも思うんです。そういう面白さもあって……。言葉遊びやふたご遊びの場面もあるので、そういうことを形にしていくのが楽しみです。あと、兄貴が手品を魅せる場面で久々に泣きました。最近出たほかの作品でも「ああ、泣きそう」ってことはあったんですが、涙がこぼれたのは初めてでした。
ーー二人が演じるテンペルとタットルはどんなキャラクターですか? ご自身と似ている所はありますか?
永田:テンペルは童心に溢れている人物じゃないかな。大人になっても子どもの心を忘れない人だと思う。あとすごく優しい人。柔らかさを持っている人かな。
阿久津:テンペルと比べるならタットルは大人しいイメージがあるんですが、心の中では同じことを思っているんじゃないかな。でも、心の内に想いを秘めているので素直に他人を愛することが出来る人物じゃないかなって思います。自分自身とは違うキャラクターですね。
永田:僕は仁愛がタットル役をやるって知った上で読んでいるから、もうタットル=仁愛という感じ。合っていると思うよ。
阿久津:本当? 僕、自分のことも理解できていないので(笑)。僕は4人きょうだいなんですが、男子は僕だけという環境で育ったんです。崇人くんが演じるテンペルはきっと魅力的なんだろうって思います。
永田:でも原作にあるような“男ふたごの力強さ”はあまり感じなかったね。どちらかというと中性的な感じに思えたな。かわいらしい感じ。

(左から)阿久津仁愛、永田崇人

ーー確かにその姿を見ていると男の子のような女の子のような……今日この姿になってみての感想はいかがですか?
阿久津:僕は髪を染めたこともなく、ウイッグも初めてなんですよ! 今までは常にキャップをかぶっていましたから(笑)。だから鏡を見た時「誰?」ってなりました。と共に意外と長髪も似合うかも……とも(笑)。
ーー共演者も豪華ですよね。顔ぶれを見て思うことはありますか?
永田:春風ひとみさんや大澄賢也さんなど、『リューン』以来、またご一緒出来る方も多くてそれも嬉しかったです。冨森ジャスティンもね。ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』でも一緒だったんですが、彼は役に入ると集中力がハンパないんです。そして田鍋謙一郎さん。昔、仁愛と一緒に一年くらい田鍋さんの演技レッスンを受けていたんです! 田鍋さんは演技の基礎を作ってくださった方。そんな人と一緒に芝居をさせていただけるのが嬉しい……と田鍋さんに伝えたら「緊張する!」って仰ってました(笑)。今回は少し成長した自分をお見せたいです。
阿久津:僕は『テニミュ』以外の現場を知らないので、他の現場では何がどう動いているのか知りたいですね。学べるところは積極的に学びたいです。
永田:仁愛とも本当の意味で付き合うのはこれからですね。昔一緒に演技レッスンを受けていた時は仁愛は学生だったので、終わるとすぐ栃木に帰らないといけなかったんです。
永田崇人
ーーウォーリーさんとはこの作品について何か話をされましたか?
阿久津:僕は今日初めてお会いしました!
永田:ウォーリーさん自身が演出される時、「この人はどんな人なんだろう」を大事にする方だから、今日は仁愛を知るためにいらしたんだと思うよ。
阿久津:そうなんだ、だったらもっと知っていただけるようにいろいろお話ししたかったなあ。
永田:じゃ、今から電話する(笑)?
阿久津:(笑)。
阿久津仁愛
ーーちなみにこの作品では「だまされる才覚がひとにないと、この世はかっさかさの世界になってしまう」というテーマがありますが、いい意味で騙された! というエピソードはありますか?
阿久津:僕は期間限定のタピオカミルクティーを飲むのが好きなんですけど、お店の看板に期間限定の写真がなくなってて、まさかもうないのか!? とお店に入って店員さんに聞いたらまだあります! と笑顔で言われた時はめちゃくちゃ嬉しかったですね。半ば諦めていたのでいい意味で騙されましたね(笑)。
永田:僕はすぐには思いつかないですね。きっといい意味で騙されたのって、自分の中で騙されたって感覚がないから思い出せないんだと思うんです。
阿久津:そうかも!
(左から)阿久津仁愛、永田崇人
取材・文=こむらさき 撮影=池上夢貢

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