SPICEアニメ・ゲーム班オススメ!今
だからこそ観たい!家で楽しめるアニ
メ三選 Vol.6

テレワーク、イベントの延期や中止、自粛が続くこの時期だからこそお家で楽しめるエンタメを!SPICEアニメ・ゲームジャンルの編集・ライター陣による新旧いり混ぜたおすすめ作品をお届けします!

Vol.6選者:東 響希
SPICEを始め、ゲームメディアなどで声優アーティストや、アニメ、ゲーム関連のライブ、イベント等の取材を中心に活動。その他、書籍制作やリライト等も細々とこなす。ゲーム、アニメ、漫画、映画と多方面に目を向けるあまり、時間も足らずコストもかかるため、日銭を稼いで趣味にいそしむ毎日。
オススメ作品(1)
サムライチャンプルー』
(dアニメストア、AmazonPrime video、U-NEXT、Hulu、バンダイチャンネル )
#1 疾風怒濤(サムライチャンプルー公式チャンネル)
2004年に放映されたHIPHOPと時代劇をコンセプトにしたロードムービー。
「向日葵の匂いのする侍」を探して様々なバイトをこなしながら放浪していた天涯孤独の少女・フウ。バイト先の茶屋で起こった刃傷沙汰に巻き込まれたところ、琉球出身の無頼剣士・ムゲンと凄腕の剣客・ジンと出会うところから物語が始まる。
3人による珍道中はコメディあり、バイオレンスあり、そして野球ありとバラエティに富んだストーリーとなっている。また、明るく天真爛漫だが悲しい過去を背負うフウ、天涯孤独に生きてきた直情型で好戦的なムゲン、冷静沈着で理性的な流浪の剣士・ジンの3人のバランスが絶妙。テンポの良いストーリーと、スピーディーなアクションでグイグイ引き込まれる。作中でも「バイト」という言葉出てきたり、ジンがかけている現代風のメガネや、サングラスをしているキャラクターも登場するなど、全体的には時代劇の世界観を保っているが、「細かい時代考証なんて野暮」とばかりにカジュアルな設定も盛り込まれている。
もう一つの要素は、やはり作品を彩る音楽。監督を務める渡辺信一郎氏は、本作の前にジャズとSFをテーマにした『カウボーイビバップ』を手掛け、作曲家の菅野よう子氏による音楽がファンを魅了。本作では様々なヒップホップアーティストと音楽制作を行い、カジュアルでリズミカルな作品の雰囲気をより盛り上げ、時代劇アニメと見事な融合を果たしている。
オススメ作品(2)
『無限の住人-IMMORTAL-』
(AmazonPrime video )
アニメ「無限の住人-IMMORTAL-」PV第1弾
Amazonプライム・ビデオにて独占配信されていた沙村広明氏による原作「無限の住人」のアニメ化作品。2008年に一度、テレビアニメ化されたが、本作はキャストも一新して2019年に配信限定アニメとしてスタートしたものとなる。
恐るべき凄腕の剣客集団「逸刀流」に両親を殺された娘・浅野凛が仇討のために、不老不死の肉体を持つ隻眼の剣客・万次に用心棒を依頼。一方、万次は過去に犯した「100人斬り」の贖罪として1000人の悪党を切るという目的のために「逸刀流」に挑む復讐劇だ。
原作の雰囲気を踏襲したハードな内容は、数々の出会いや戦いの中で成長していく凛の精神的な強さや万次の心境の変化を見せつつ、様々な勢力による介入、内部抗争、裏切りや寝返りといった複雑に絡み合った群像劇が魅力。登場するキャラクターはそれぞれ個性的で、殺伐とした世界観だが、時折見せるコミカルなシーンも物語を引き立てる。配信限定という強みを生かした年齢制限ありのゴア表現も取り入れて、まさに血沸き肉躍るアクションシーンも見所。
また、本作は今期から地上波での放送を開始。さらに同じく沙村広明氏が原作のアニメ『波よ聞いてくれ』がスタートしている。こちらはSPICEアニメ・ゲームジャンル編集長の加東岳史氏が紹介しているので参考にしていただきたい。
原作は8年前に完結しているが、物語の続編で不老不死である万次が幕末まで生き残り活躍する「無限の住人~幕末ノ章~」が昨年よりスタートした。個人的にはこちらの単行本化も待ち遠しい。
オススメ作品(3)
『さらい屋五葉』
(dアニメストア、U-NEXT、バンダイチャンネル )
ローマのレストランが舞台の群像劇「リストランテ・パラディーゾ」や、架空の国、ドーワー王国の政争を描くサスペンス「ACCA13区監察課」など幅広いジャンル、世界観を手掛けるオノナツメ氏原作の2010年に放映された作品。
剣の腕は確かだが極度のあがり症で、衆目の前では剣も抜けない程身がすくんでしまう藩士・秋津政之助は藩主に暇を出され浪人となった。自身を鍛えなおすため、江戸に出て用心棒の職につくもことごとくクビになる。偶然出会った謎の男・弥一に用心棒を依頼されたが、実は弥一はかどわかし(誘拐)を行って金銭を得る裏稼業集団「五葉」のリーダーだった。
他の2作がアクションよりだとすると、こちらは物語重視の作品で現実離れした設定やキャラクターがいない時代劇らしい時代劇。全体的にゆったりとしたテンポで進む物語は、オノナツメ氏が描くポップな絵柄がアニメにも踏襲され、ノスタルジックな雰囲気が流れる作品だ。回を追うごとに明かされていく「五葉」のメンバーの過去や、弥一の持つ秘密、誘拐稼業の動機など、ストーリー展開にも引き込まれる。
基本的に真面目で正しくありたいと思いながらも、優柔不断さと生活費のためにズルズルと誘拐を手伝わされてしまう政之助。それは悪事を働きながらも、絶妙な距離感で温かく接してくれる「五葉」との関係性が、孤独な政之助の拠り所となっているからだ。一方で、興味本位で引き込んだ弥一も、周りには決して見せなかった本心や薄れてしまっていた人間味を政之助の存在によって取り戻していく。2人のブロマンス的な友情も見所だろう。

今回は時代劇というテーマと共に、アウトローなキャラクターたちが活躍する点も共通している。実写の時代劇でも「必殺」シリーズをはじめとして、アウトローたちが活躍するものはキャラクター、ストーリーも型破りで個性的な魅力が詰まっている。今回は直近の作品と、古めの作品(2004年が古いと言う実感は全然ないが…)から2作を取り上げた。時代劇アニメは他にも史実からファンタジー、日本以外を舞台にした作品など多数あるので、この機会にぜひチェックしていただきたい。
文:東 響希

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