仲村 瞳の「スターの証明」第10回:
石川さゆり
イシカワサユリ:1月30日生まれ、熊本県熊本市出身。演歌歌手。女優。1973年、「かくれんぼ」で歌手デビュー。1977年、「津軽海峡・冬景色」が大ヒット。同年、第19回『日本レコード大賞』歌唱賞受賞。2018年、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2019年、紫綬褒章受章。
ソウルシンガー。聴く人の細胞まで躍らせる声。ボーカリストは数多くいても、心震わせる真のシンガーは少ない。そしてさゆりさんは紛れもなく選ばれし者。この度御一緒させていただいて、ギタリスト魂に火がつきました。躍動的なソーラン節を共に歌い奏で、スタジオ内は真夏のカーニバルのように熱く燃えました。共演させて頂けたのはギタリスト冥利につきます。この伝統的且つ新しい日本の歌がたくさんの心に届きますように。いつまでもその歌声で我々に勇気を与えてください。ずっとずっと応援しています ギタリスト・布袋寅泰 『音楽ナタリー』 (石川さゆり歌う「ソーラン節」に布袋寅泰参加「ギタリスト冥利につきます」/2019.3.15)より
私たち二人が“似ている”というのは、斎藤ネコ(※編曲)さんもおっしゃっていましたね。光栄の極みです。さゆりさんは、歌はもとより、破格の高性能アンテナの持ち主。しかもこれ程のキャリアなのに、会えば会うほど好きになってしまうお茶目さ、愛らしさまでお持ちでいらして。気付けば仕事を忘れ、純粋にその鮮やかさを楽しんでいる私がいました シンガーソングライター・椎名林檎 『BARKS』(石川さゆりと椎名林檎は、似ている/2014.2.28)より
ご本人は、なんでもやりたい方なんですよ。多くの技術を磨いてきたけど、『音楽はいろんな人の力を借りなくちゃいけない』という考えを、ちゃんと持ち合わせている人です。奥田民生の曲も歌ってる。きものを着て歌いあげる以外の石川さゆりを自分でちゃんと作ってきた人です。私といっしょにコンサートをやったときも、私としかできないことをやってくれます。でも、ステージで最後に『飢餓海峡』を石川さんが歌ったときに‥‥。(中略)それ(映画『飢餓海峡』)だって、2時間なんぼあるんです。その世界を、石川さんは1曲を歌うことによって見せる。その力量たるや、すごいんですよ。伴奏者としては、タイムキープとかやんなきやいけない仕事がいろいろあるのですが、石川さんのスイッチが入る場所からは、『えーい、やはり行かねば!』というモードになります。そうすると、石川さんのほうも『来たわね!』と応えてくる。最後の『飢餓‥‥海峡~』のところで、私の目に涙がガガガーッとこみあげてきます。すごい力ですよ。歌の力です。吉岡治さんと弦哲也さんが書いた歌だけど、どう増幅させるかは、歌う人によります ミュージシャン・矢野顕子 『ほぼ日刊イトイ新聞』(矢野顕子は糸井重里の言葉をどうやって歌にするのか 祝!! 矢野顕子40周年記念/2016.5.17)より
レコーディングの合間に、おっしゃっていた言葉が印象的だったんです。『やりたいことが年々、増えていく』って 作詞家・阿木耀子 『サンデー毎日』 (阿木耀子の艶もたけなわ/2019年4月14日号)より
石川さゆりはいま現存の歌手の中でもめずらしいくらいヒット曲に恵まれた歌手です。でも、いい曲というのは実は歌い手に負うところが大きいんです。ヒット曲ほどそうです。この人の芝居のうまさは偶然じゃない。言葉に即して作られる歌の心情や風景を石川さゆりがこれまで正確な描写で表現し歌ってきたことに裏づけされた芝居のうまさなんです 作詞家・なかにし礼 『石川さゆり オフィシャルウェブサイト』(「女優、石川さゆり」の魅力。ふたつの証言。/2018.1.15)より
このアナログ盤を聴いてみて驚くことは、さゆりさんの声質が現在と変わらないことです。当時は恐らく30代半ばと思うのですが、CDでは味わえないアナログ盤独特の瑞々しい声質が魅力です。現在も変わらない声質と、ますます円熟味が増した歌唱は聴く人を虜にしているのではないでしょうか。さゆりさんはミュージシャンとの和を大事にする方で、録音の時、必ずオケの皆さんと一緒に歌うのですが、それが最終的に良いテイクになることが多いんです エンジニア・内沼映二 『内沼映二が語るレコーディング・エンジニア史 スタジオと録音技術の進化50年史』(DU BOOKS/著:内沼映二/2019年9月13日発行)より
僕は演歌が大好きで、カラオケでも『津軽海峡冬景色』を歌うんですね。石川さんは実は演歌歌手ではなく、すべての歌を歌うことができる歌手。とても尊敬している 日本画家・千住博 『SWITCH』(SWITCHインタビュー 達人達 石川さゆり✕日本画家 千住博/2014.4.26)より
さゆりさんにわたしの書いた歌を歌っていただけることが、とても嬉しく、何だか不思議な気持ちです。“少女”を歌う時の、普段の艶っぽい大人の女性とは全く違う、本当に少女のような可憐な歌声に驚きました シンガーソングライター・谷山浩子 『TOWER RECORDS ONLIN』(石川さゆりがジョジョ立ち! 新作『X-Cross-』ジャケは荒木飛呂彦描き下ろし/2012年09月12日)より
ステージのソデで石川さんと一緒に待っていたんですが、彼女はベテランだから落ち着いていて、料理のレシピとかガーデニングの話を僕にするんです。僕は、(今から紅白だよ!)とすごく緊張してドキドキしていました ギタリスト・マーティ・フリードマン 『Meet Recruit』(SPECIAL INTERVIEW/【後編】マーティ・フリードマンに聞く – なぜ世界的に有名なギタリストは、一人でJ-POPに乗り込んだのか/2016.9.8)より
あの世界一の海底トンネルが貫通した時、北海道の社会党の国会議員全員が陳情にやってきて、この先も青函連絡船は廃止するなという。せっかく出来たトンネルを走る列車と船とで、限られた客を二つでとりあったら共倒れになるよといったんだが、とにかく惜しいという。それはまあ気持ちもわかるよ、確かに海底トンネルじゃ石川さゆりの ” 津軽海峡冬景色 ” もないからな、といったら、そうだそうだそのとおりだって 作家・石原慎太郎 『時の潮騒:日本と世界をめぐる父と子の14の対話』(PHP研究所/著:石原慎太郎/2001年12月3日発行)より
ニューシングル『しあわせに・なりたい
ね』
TECA-20022 / 1,227円+税
[ 収録楽曲 ]
1. しあわせに・なりたいね
2. さのさ
3. しあわせに・なりたいね(オリジナル・カラオケ)
4. さのさ(オリジナル・カラオケ)
ニューアルバム『粋~Iki~』
TECE-3579 / 3,200円(税込)
[ 収録楽曲 ]
1. オープニング「火事と喧嘩は江戸の華」feat. KREVA, MIYAVI
作詞・作曲 石川さゆり、KREVA、亀田誠治 / 編曲 亀田誠治 / Guitar MIYAVI
2. ストトン節(都々逸入り)
作詞 添田さつき・一部作者不詳 / 作曲 添田さつき / 編曲 亀田誠治
3. さのさ
作詞・作曲 作者不詳 / 編曲 三宅一徳
4. 東雲節
作詞 添田亜蝉坊・横江鉄石 / 作曲 添田亜蝉坊 / 編曲 神津善行・大貫祐一郎
5. まっくろけ節(都々逸
作詞作曲 添田唖蝉坊、後藤紫雲 / 編曲 亀田誠治 / 都々逸作詩 なかにし礼
6. 青柳
作詞・作曲 作者不詳 / 三味線 豊藤美
7. 奴さん
作詞・作曲 作者不詳 / 編曲 三宅一徳
8. 木遣りくずし
作詞・作曲 作者不詳 / 編曲 三宅一徳
9. 猫じゃ猫じゃ
作詞・作曲 作者不詳 / 編曲 坂本昌之 / コーラスアレンジ ベイビー・ブー
10. 都々逸
作詞 柳家三亀松
11. 虫の音
作詞・作曲 作者不詳 / 編曲 服部克久
12. しげく逢ふのは
作詞・作曲 作者不詳 / 編曲 服部克久
13. 梅は咲いたか
作詞・作曲 作者不詳 / 編曲 亀田誠治
14. 深川
作詞・作曲 / 作者不詳 / 編曲 亀田誠治
15. REPRISE「火事と喧嘩は江戸の華」feat. KREVA, MIYAVI
作詞・作曲 石川さゆり、KREVA、亀田誠治 / 編曲 亀田誠治 / Guitar MIYAVI
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