秋山黄色は音楽に選ばれた異端児。時
代に必要とされし音楽家

秋山黄色、24歳。今年メジャーデビュー
を手にしたネクストブレイクアーティス

2020年1月クールに放送されたドラマ【10の秘密】の主題歌「モノローグ」が話題となっている秋山黄色をご存知でしょうか?
今やネット発のアーティストは物珍しく無いですが、24歳という若き年齢から溢れ出る独自のエッセンスが散りばめられた音楽性は、初期の米津玄師を彷彿とさせる異端な存在感を放っています。同曲を一発撮りかつ弾き語りで披露するYouTubeチャンネルでの企画では、原曲のイメージを覆すアレンジを披露し、動画を目にしたファンの間では驚きの声が飛び交いました。

世の中への鬱憤やリアルな心情を描く“秋山黄色”という新たなジャンルが生まれた背景にあるものとは一体なんだったのでしょうか?

秋山黄色とは?

秋山黄色アー写
栃木県宇都宮市出身の秋山黄色が音楽漬けになるきっかけを与えたのは中学生の頃にハマっていた軽音楽部に所属する女子高生の青春を描いたアニメ【けいおん!】。社会現象を巻き起こした同アニメを観たことによってベースに興味を持ち、自ら弾き始めたそうです。
高校生では軽音学部に入るもののバンドは組まず、趣味としてベースを続ける傍らでギターにも挑戦。祖母が拾ってきたガットギターを手に、スピッツの「チェリー」をカバーしたことが曲作りへと繋がり、秋山黄色の才能が開花します。カノン進行が軸となっている同曲に即興でメロディをつけて歌うというお遊び感覚からパソコンを駆使した楽曲制作(DTM)をスタートさせ、ニコニコ動画をはじめとするインターネットツールに投稿するようになったのです。
この音楽体験から、作詞作曲、編曲、イラストやグラフィックスをも手掛け、セルフプロデュースとしての活動が確立されていきました。
DTMと生楽器を融合した楽曲を武器に活動の幅は拡がりを見せ、2017年頃からライブ活動を本格化。
数多くのフェスへの出演を通して、耳の肥えた音楽ファンや音楽業界からも注目される存在へとなります。

代表曲「やさぐれカイドー」「猿上がり
シティーポップ」を収録したミニアルバ
ム『Hello my shoes』を機に秋山黄色の
知名度が急上昇

「やさぐれカイドー」MV
2018年6月に配信リリースされた「やさぐれカイドー」は、音楽ストリーミングサービス・Spotify内のユーザー間での口コミによって再生回数を獲得した配信曲を集めた“バイラルチャート”にて2位を獲得!この功績から2019年大いにブレイクが期待される10組として、King Gnuと共に秋山黄色が選出されました。
彼の代表曲となった「やさぐれカイドー」を収録した1st mini Album『Hello my shoes』は、来たるメジャーデビューへの序章と言っても過言ではない程ハイクオリティで個性豊かな楽曲が揃う作品です。収録曲の中でも「猿上がりシティーポップ」は、「やさぐれカイドー」を上回る再生回数を誇っています。
「猿上がりシティーポップ」MV
専門学校を中退し、アルバイトの傍ら宅録に勤しむ生活の中で生まれた感情や、次々と就職していく地元の同級生と自分との間に感じる挫折感をリアルに描く歌詞の数々に、同じような境遇の中にいる若者の心を掴んでいるのです。
秋山黄色自身が楽曲の歌詞について記したセルフライナーノーツにはこのようなことが書かれています。
これを読むと、秋山黄色の人間性を垣間見ることができるので、より楽曲を味わうことが出来るかと思います。
<やさぐれカイドー>

もともと友達とバンドで遊ぶために作った曲で、今回レコーディングしたバージョンはいろいろやってるんですけど、YouTubeにもあげている宅録デモ版ではドラムが1個のビートと1個のフィルしか使っていないんです。友達が叩けるビートがそれだけだったので。ベースラインもそういう感じの発想。僕だけギターでちょっと難しいことをするっていう。当時現状できるマックスがこの曲でした。 歌詞はけっこう後付けで、タイトルは当時やってたバイトの帰り道に俺がやさぐれていたことからですね 〜公式HPより一部抜粋〜

<Drown in Twinkle>

なかなか言えないこととか、言いづらいこととかでも言葉にしています。ある意味普段隠してることがリミッターが外れたことでさらけ出している状態。 最初から最後まで地元のリハーサルスタジオで即興で作りました。きっかけはJC120っていうスタジオならどこにでもあるアンプのコーラスを初めて鳴らしたときに感動して。これもコード4つしか出てこない曲なんです。 〜公式HPより一部抜粋〜

<猿上がりシティーポップ>

“猿上がり”ってのは、“族あがり”みたいな意味で。自分たちは猿とそこまで変わらないよねっていう意味合いと、科学的な根拠はないけど人類は猿からってことで。 地元が嫌いだって曲なんです。音楽やってると地元を大切にする節があるじゃないですか? でも、就職してなかったのでバカにされてきたんですよ。変な同調圧力もあって。“シティーポップ”には、自分の好きな街を探しに行こうって意味を込めています 〜公式HPより一部抜粋〜

<ドロシー>

“ドロシー”っていうのは、時間軸を行ったり来たりするような魔女の名前で。歌詞は、人間の命って永遠じゃないことから、たとえば一緒にいたい人がいたとしても最終的にはどちらかが先にいなくなってしまうっていうことを書いていて。でも、相手のことを思っていない状況があったとして、そんな時に感じる孤独感って果たして伝えるべきなのかなとか。それって、二人とも暗くなっちゃうんで“気づかないでくれよ”っていうフレーズを入れてみたりね 〜公式HPより一部抜粋〜

<とうこうのはて>

The ClashとかRamonesとか、3コードのパンクを聴いていた頃に作りました。僕なりにけっこうキャッチーに書いたつもり。中高生にコピーしてほしいくらい簡単にカバーできる、学生生活の果てを歌った曲で。10代において序盤の絶望って登校が嫌になることだと思っていて。 今はフリーターで借金まみれで(苦笑)。だけど自殺とかするぐらいなら、最初から出来損ないでもいいよって。登校の段階で鬱になることなんてないよってメッセージですね 〜公式HPより一部抜粋〜

秋山黄色は音楽に選ばれた異端児。時代に必要とされし音楽家はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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