首振りDolls

首振りDolls

首振りDolls、
新アートワークで
今までとは違う一面を提示

アートワークと音楽性の関係って、
すごく大事

――となると、衣装として着物を着始めたのは何がきっかけだったの?
ナオ:そう言われるとなんでやったんやろ?(笑) 当時、衣装についてジョイフルでめちゃくちゃ話し合ったことあったやん! あんときからかな?
ショーン:あははは。九州で話し合うとしたらジョイフルだよね!
ジョニー:東京の人ってジョイフル分かるのかな?(笑) 九州では有名なファミレスなんだけど(笑)。
ナオ:当時ジョイフルの喫煙席の一番隅っこの席で衣装会議したのめちゃくちゃ覚えとる〜。
ジョニー:マンガ倉庫(古着屋)に衣装探しに行ったね。東京にもマンガ倉庫みたいなとこあるの?
ショーン:ありますよ! みんなで一緒に衣装選びに行きたいですね!
ジョニー:行こう! 今回の衣装もツアー先の大阪でみんなで古着屋に探しに行ったりしたけど、あれ結構楽しかったしね。
ショーン:楽しかった!
ナオ:やろうやろう! でも、何きっかけだったんかなぁ? 着物着だしたの。なんでやっけ? ジョイフルで話し合ったとき、ジョニー、たしかニューヨーク・ドールズの写真持って来てたよね?
ジョニー:持ってったね〜。あんなバンドになりたかったから。
ナオ:たぶんニューヨーク・ドールズだったと思うんだけど、メンバーが着物を羽織ってる写真があって。あ〜、外国のロックンローラーが着物着るとカッコイイなぁ〜。って思いながら見とったときに、あ! 柴山さん! って、そこが繋がって。そこからかなぁ? そっから着物着ちゃおうかなぁ〜って。違ったっけ?
ジョニー:どやろ? 最初にナオちゃんが着物着たのって、首振りDollsのワンマンのときよね。
ナオ:あ〜〜〜! そうだ! 思い出した! そうや! 
ジョニー:小倉WOWや!
ナオ:そうそうそう! 小倉WOWのワンマンのとき、いろいろと演出を考えてて、そこで着物着ちゃおう! って話になったんや! 昔、「菊の変」っていう演目があって、私がドラムから離れて曲中に菊を食べる演出があったんですよ! そのときに着物を着たくて。
ジョニー:あ〜。思い出した(笑)。ワンマンだからなんかしようって、開場してから1時間くらい映像流したり、壁に銀紙貼り付けたり、ナオちゃんが着物着たり、ナオちゃんが着替えてるときずっとインストやったりしたんだよね(笑)。めちゃめちゃ間延びして、ライヴハウスの社長に叱られたもんなぁ〜(笑)。
ナオ:そうそうそう(笑)。ただ、出てきた俺が着物になってました〜! っていうだけの為に費やした時間っていう(笑)。
ジョニー:引っ張りに引っ張って、それだけ!? みたいな(笑)。爆発するくらいのデカイ特効が無いと元取れない感じだったよね、あの待ち時間は(笑)。お客さんももちろん、待ってる俺たちもめちゃくちゃ長い時間だったからね(笑)。
ショーン:たしかに(笑)。待たされる側はめちゃくちゃ長く感じただろうね。
ナオ:たしかに(笑)。当時試行錯誤しながらいろいろやったのよ! 最初の着物は、ライヴの中で衣装替えしてみんなを驚かせよう!っていう演出だったの(笑)。
ジョニー:だだ滑りしたけどね(笑)。
ナオ:そうね〜(笑)。
ショーン:くふっ(笑)。銀紙はなんで貼ったの?
ナオ:反射して照明が綺麗に見えるかな? と思って貼ったの。
ジョニー:全然綺麗にならなかったけどね(笑)。

――いろいろと試行錯誤してきたんだね。
ナオ:そうね〜、歴史だね(笑)。当時、本当にいろんなことしてきたなぁ。よくライヴハウスの人たちが許してくれたなぁって思うこととかも、全部やらせてもらってたから。その試みの一つの中に着物があったって感じだった。そのライヴは着付けに時間がかかったから賛否あったんだけど、着物でドラム叩きながら歌ってるっていうのが話題にもなって、ロックと着物の融合ってカッコイイのかもなって思うようになって、そこから着物を衣装とし始めたって感じ。

――ショーンは、着物を衣装とする前の首振りDollsにも魅力を感じていたし、着物を衣装としてからの首振りDollsにも魅力を感じていた訳だもんね。アートワークと音楽性の関係というものをどう考えている?
ショーン:自分は、アートワークと音楽性の関係って、すごく大事だと思うんです。見たままとか、当たり前とかが勿論正解だと思います。だけど裏切られたときのそこの違和感にも化学反応が起きる気もするんです。だから、ロックをやりながら着物を衣装とする前の首振りDollsもすごく好きでしたね。ナオくんが着物を着始めた頃も、昔のバンドでよく対バンしてたし。音楽性が大きく変化したのかっていったらそうでもなかったし。だから、ナオくんが着物を着ている首振りDollsもすごく好きなんです。やっぱり着物の衣装で魅せるのは、ナオくんの作った曲が一番ハマると思うんですけど、自分の作る曲を着物を衣装とする首振りDollsがやっても、その違和感がカッコイイと思うというか。そここそも首振りDollsの個性なのかなって思うんです。
ナオ:うんうん。そうだね。やっぱりどうしても何事においても“見た目”って重要で、だいたいの人は最初見た目で判断するでしょ。それって当たり前のことだと思うんですよ。

――とっかかりの判断材料としては、そこしかない訳だからね。
ナオ:そうそう。きっと、知ってくれたら、こんなにも奥が広かったんだ! って思ってくれると思うけど、間口が狭いと、奥まで知ってもらえる前に入って来てもらえないと思うから、ちょっと広げてみてもいいのかなっていうのも、正直なところかな。怖がらないで、入ってみて! 案外ポップなの! みたいな(笑)。「リトルサマーオレンジミルク」もすっごいポップだからね!

――今回、衣装もアートワークも「リトルサマーオレンジミルク」のグラムロック感に合わせた世界観だからね。
ナオ:そう。ゴリゴリにそっちで攻めてみました!
ジョニー:いつの時代のバンド??? っていうくらい振り切ってる(笑)。
ショーン: 今回、自分の衣装だけグラムロックというよりパンクなんですけどね(笑)。
ジョニー:時代的に同じだから大丈夫! イギリスかニューヨークかの違いというか。それに、3人揃ったらすごくしっくりきたし、このごちゃごちゃ感も首振りDollsの個性なのかなって思ったし。
ナオ:セックス・ピストルズとかニューヨーク・ドールズの仕掛け人だったマルコム・マクラーレンへのオマージュ的な感じかな。
ジョニー:マルコムがニューヨーク・ドールズを見て、セックス・ピストルズにさせたから、ニューヨーク・ドールズは自発的にあのファッションセンスを持ってたってことなんだよ。だから、ニューヨーク・ドールズはすごいんだと思う!
ナオ:そうなの? おいおい、すごいな、ニューヨーク・ドールズ!

――ニューヨーク・ドールズも、バンドとしての集合体で見ると、あの毒々しさがたまらなくカッコイイんだけど、単体のファッションセンスとして見てみると、かなり奇抜というか、なかなか普段あの格好で歩いてないよね、的な感じだもんね(笑)。
ジョニー:そう(笑)。ただの変態というか(笑)、派手な人だもんね(笑)。今回の俺たちもそう(笑)。でも、ニューヨーク・ドールズは、あれを最初にやったセンスはすごいと思う!

――ジョニーはアートワークと音楽性の関係というものをどう考えている?
ジョニー:すごく重要なところだとは思うけどね。曲に関してはそれぞれの個性が違うから、好きなことやったらいいと思うし、なんか不思議と、衣装の話と繋がるとこなのかもしれないけど、首振りDollsも、3人が作る曲はそれぞれ全く違うけど、3人で演ったら首振りDollsになる感じなんだよね。ニューヨーク・ドールズの衣装も同じで、単体だとただただ派手なだけだけど、バンドとしての集合体になったら、それがすごくカッコ良く見えるし、それこそがニューヨーク・ドールズになるのがすごいと思うからね。そうなれたらいいなと思う。

――そうだね。対バンの在り方もそうあるべきなのかなとも思うというか。対バンする相手を選ばない首振りDollsならではの、対バンだからの魅せ方を追求していってもいいんじゃないかなと。
ナオ:セットリストは対バン相手によって意識的に変えていたりはするけど、もっと極端に演る曲も偏らせて、もっと派手に見た目からも変えていくってことね。そこまで振り切れるバンドでもあると思うからやってみるのもありかも。ライヴごとに“その日しか見れない首振りDollsを魅せていく”ってことでしょ?

――そうそう。
ナオ:そうしたら“対バンでの首振りDolls”も見たくなるもんね。
ジョニー:それ面白そうだね。
ショーン:首振りDollsは、3人が曲作るから、振り幅的には不可能じゃないですよね。4月17日PLASTICZOOMSとの対バン(下北沢SHELTER:OPEN 19:00 / START 19:30)はどんな首振りDollsで挑みます? PLASTICZOOMS、クールでシュッとしててスタイリッシュでカッコイイから、そこと闘うとしたら、、、俺たち裸で闘うしかないですかね(笑)。
ジョニー:裸体!? 
ナオ:裸体!?
ジョニー:レッチリみたいにムキムキやったらイイけど、残念ながらねぇ…………(笑)。
ナオ:あははは。じゃあ、ちょっとPLASTICZOOMSに寄せてみました! っていうので、裸にめちゃくちゃお洒落な帽子かぶってみる?
ジョニー:裸にネクタイとサスペンダーとか!
ナオ:ブリーフにサスペンダーいいかも!
ショーン:あ〜。ある意味カッコイイかも。
ナオ:ブリペンダー!
ショーン:ブリペンダー!(笑)
ジョニー:あははは。まぁ、ある意味アンガス・ヤング的な!
ナオ:ある意味ね(笑)。でも、こうして改めて首振りDollsというバンドを振り返ってみると、本当に振り幅広いなって思う。初期に中心としてやっていたのは、アングラ真っ盛りな私の曲だったけど、その頃から、今もライヴでは定番曲となってる、ジョニーが作ってきたかなりポップなロックンロールナンバーの「タイムマシーン」はやってたからね。
ジョニー:やってたね。ていうか、「リトルサマーベリーオレンジミルク」も当時からあったからね。

――え!? そうなの?
ジョニー:そうそう。原曲はその頃からあって。でも、当時、途中からのいい展開がどうしても思い付かなくて、結局完成させずにそのまま置き去りになってて。一回やろうとしたんだけど、そのときも結局そのままになっちゃって。首振りDollsの最初のアルバム『首振人形症候群』を、去年『首振人形症候群-REVISITED-』(2019.12.16発売)として、現メンバーで書き下ろした新曲を入れて再発することになったときに、入れてみようと思って完成させたって感じ。

――やはり元々ジョニーの中にあるルーツなんだね。
ジョニー:そうだね。それに、“リトルサマーベリーオレンジミルク”っていう単語は本当に、もっと昔から頭の中にあったからね。結果、今、こういう形で出せるのは、本当に時期的にもベストだったのかなって思う。

――そうだね。シングルカットっていうのも、最近はあまりないけど、この曲を映像で見て、聴いて、興味を持ってくれて、聴きたいと思って『首振人形症候群-REVISITED-』を手に取ってくれたら、一気に首振りDollsの全てを網羅してもらえる状態にあるのも素敵かなと。
ナオ:そうね。『首振人形症候群-REVISITED-』には、初期曲から現在の首振りDollsの全部が詰め込まれているからね。これ聴いてくれて、『真夜中の徘徊者〜ミッドナイトランブラー〜』と『アリス』にも興味持ってもらえたら嬉しいな。

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OKMusic編集部

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