Brian the Sun・森良太『orbit』を通
して見る音楽の有りかたーー「売れた
いというより、聴いてほしいという気
持ちの方が大きいんです」

あなたにとって「最高の音楽」とはどんな音楽だろう? 洋楽? 邦楽? ロックにポップス、ヒップホップやレゲエにメタルにグランジ、細分化された多種多様なジャンルの音楽が鳴り響くなか、メロディや詞、MVの世界観など人によって「最高」だと感じるものは違う。手にする音楽もレコードやCD、ネット配信やサブスクと形が変わる昨今。いまこの瞬間に「最高」だと思っても、月日が変わればその“最高”は変わっているかもしれない。でも、ミュージシャンたちは誰かの「最高」になるべく、音楽を生み出している。Brian the Sunもそのアーティストのひとつ。ただ、2月26日にリリースしたミニアルバム『orbit』はボーカル、ギターの森良太曰く、まだその域には達していないという。しかし、収録されている5曲の作品たちはどれも個性に満ち溢れ、森が描く独特の詞世界も興味深いものばかりだ。さらにその作品では聴く側の何かも試されているらしい。Brian the Sunが描く音楽が目指す場所、生み出す景色とは? 森に深く話を聞いた。
森良太(Brian the Sun)
――すでに雑誌やラジオなどで新作『orbit』についての取材を受けているかと思いますが、改めて今回はどんな作品になったと思いますか?
今回の作品は聴いてもらう人によって「こういう作品だと思う」とか、それぞれの感じ方が全く違っていて。ミニアルバム5曲、個性的でパンチのある曲だよねという人もいれば、今回はポップスっぽいとか、ロックなアルバムだねという人もいるくらい、真逆な意見が多くて。聴くポイントによると思うけど、色んな印象を持たれる作品ができたなと思います。
――確かに、今回の作品は収録されている5つの楽曲、どこに軸を置いて聴くかで印象が全く変わってきますね。
歌詞のなかで、未来の希望に対して歌っているところがたくさん出てくるんで、そういうところを見て「今の立ち位置から見た未来の景色が見えているんですかね」とか「先を見据えて」とか言われるんですけど、ぶっちゃけた話、そういうところではなくて。メッセージ性が強くあって書いた曲というよりも、日々のなかで考えていることを自然と出したらこうなったという曲ばかりで。
――自然と出したら、ということは制作が難航することもなく?
1週間くらいで4曲書いて、アレンジもしていて。曲それぞれの個性は違っても、時期としての統一性はありますね。
――短時間での制作、「今」の瞬間が閉じ込められた楽曲で、作詞も「今」の森さんが思う世界が描かれていると。昨年11月に発表されたシングル「パラダイムシフト」も収録されていますが、その楽曲の存在は作品全体に影響はありますか?
残り4曲は「パラダイムシフト」が完成したあとに作曲した曲ばかりで。「パラダイムシフト」の存在は一度無視して制作したんですが、作品が完成してみると自然と遠からず、な内容になったのかなと。いま、Brian the Sun(以下、ブライアン)の4人が登っている階段は緩やかに上がっていくターンだと思っていて。(作詞作曲する)僕が思っている感情は変わっていないので、曲は書きやすかったですね。
――作詞も森さんが担当していますが、作詞作曲も気負うことなくスルリと制作できたと。
そうですね。バンド活動を続けていくなかで、深く考えないというか、視野を狭くしない。無理矢理掘り続けることをしないようになりましたね。それが良いことかは分からないですけど、物事を深く、広く見られるようになりましたね。
――今のように視野の持ち方をフラットな状態で持ち続けることができたのは、いつ頃から?
アルバム『MEME』という作品を出した頃からですね。それまで色々試行錯誤しながら尖った側面とか、あまり他の人がやらない言葉使いや、メロディを使って作品をリリースし続けたけど、そういったものが世の中に対して何かを与えられた感じがしなくて。めちゃくちゃ食べにくい料理をお客さんに出している感覚が自分にはあったんですよ。その部分を自分のアイデンティティだと思っていて。でも、ふと、必要以上に物事をややこしく伝えたり、自分なりの比喩表現で想いを伝えたりすること、それだけが粋じゃないなと思うようになって。もちろんそれも大事だけど、もっと普通のことをしてても、自分が自分であることは変わらないなと思うようになったんです。物事を俯瞰で見た方が、いろんなことが見えやすくなる。活動を続けていくことで、自然とそうなった感じがあります。今のメンバーとどこへ行けばいいのかを考えたとき、自分ひとりが突出して考え方が変だったり、理想像が極端だったので、尖ったことばかりを続けていくとこのバンドをやっていくのは難しいと考えることもあったんですよね。
森良太(Brian the Sun)
――作詞作曲のすべてを担っているのが森さんです。バンドとして活動するうえで一人だけ軸が違った方向を向いていると、バンドとして続けていくうちに歪みが生じることもあり得ますよね。
でもロックバンドの良さって、根拠はないけど何かを信じているところだと思うんです。自分が好きなバンド、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかBLANKEY JET CITYとか、メンバーみんな考えていることはバラバラだと思うけどそこには音楽という軸がある。その使命を全員で遂行するような感じがロックバンドのかっこいい部分だと思っていて。好きなバンドがライブ前とかに「この曲で〇〇しよう」なんて、どこで盛り上がるかを打ち合わせてたりとかしているのって嫌じゃないですか? 自分の仕事をステージで見つけて、それをただただ自分なりに遂行した結果、バンドメンバーと歩幅が合っているというのが、僕が求めるロックバンド像で。でも、いざ自分がメジャーのフィールドに立つとそうも言っていられない。周りを見渡すと、思っているよりもみんな「仕事」として音楽をやってるんです。ミーティングもしっかりしているし、こうしようああしようと考えを言葉にしているのを見たときに、自分のなかですごくカルチャーショックで。(感覚ではなく)頭で考えた計画性で、物事がうまく進んでいいくんだなと知ったときに、なんだかがっかりして……。
――戦略を練れば練るほど、音楽に対して誠実なのかと。
意外とそれが大事なんだというのが見えたとき、音楽のなかの戦略ではなく、戦略に組み込まれた音楽をやっている人が山ほどいるんだなと気づいて。そのとき、中学生の頃のマインドで音楽をやっていた人間が29歳にもなって「なるほどな」と色んなことに気付いたんです。音楽って、ある種の信仰やと思うんですけど、その信仰って作られたものなんだなと。
――音楽が好きな人にとって、音楽は救いであったり、気持ちを楽にしてくれるものでもある。でもその音楽が仕組まれたものだと。
そう。そういうことに気付いたけど、でもやっぱりそれは違うでしょと思いたい。そんな29歳って感じです。
――音楽に真摯に向き合うからこそ生まれる葛藤、それが今なお続いていると。
まだ俺は(音楽を)信じたいですね。
森良太(Brian the Sun)
――ブライアンがメジャーレーベルで活動するバンドである以上、「考えた音楽」をやらないといけない、でも本質的にやりたい音楽もある。難しいところですよね。個人的には今回のミニアルバム『orbit』は音作りもマニアックな面もありつつ、しっかりとポップなところも見せていて、前作以上にバンドが、森さんがやりたいことをやっているんじゃないかなという印象を持ちました。
それがどこまで通用していくのかなと考えたりもしますね。
――このミニアルバムがどう受け止めてもらえるのか、世間に対する実験的要素も含まれている?
いや、実験というほど突飛なことはしてないです。とは言え、世間のど真ん中をつくような音を出すようにはしてなくて。そこがかっこいいと思ってもらえるといいんですけどね。
――1曲目「SOS」は、<わけもなくなんか苦しい>SOSを叫ぶような言葉から始まります。曲全体はネガティブなイメージではありませんが、「どうしたんだ?」と不安になる曲の始まりが印象的で。
ハハハ(笑)。最初、「SOS」のタイトルを作品タイトルと同じ「orbit」にしようと思っていて。そうなるとニュアンス的には真逆になるんです。「orbit」といタイトルには周期とか軌道という意味があって、バンドの軌道、お客さんの軌道、音楽としての軌道。それぞれの軌道が重なり合うなかで、たまたま一緒に過ごすことが出来ている。こういうインタビューもそう。すべてのことが縁でできている。そこに対して、もう少し不思議に思いたくて。
――重なる軌道もあれば、永遠に交わらない軌道もある。どこでどんな出会いがあるかはわからないですもんね。
みんながそういう軌道のなかで、生きているよということを言いたくて。僕って考えがコロコロ変わるって、人から言われるんですけど、実は自分ではそうは思っていなくって。ずっと一貫して同じことを言ってるんですよ。物事の裏表って、ものすごくわかりやすいじゃないですか。でも、「はい」か「いいえ」の2択のなかにも「はい寄りのいいえ」「いいえ寄りのはい」もあるかもしれない。でも、そういう位置感を示す言葉って世の中にはない。ある面も違う方向に行けば違う面をこちらに見せていることもある。「SOS」という曲名と、元々つけようと思っていた「orbit」、内容は同じですが言葉ひとつで印象が違う。そう捉えたときに「SOS」というタイトルをこの曲につけて聴いたほうが、曲の内包している本音が見えやすいと思ったんです。「SOS」なら<わけもなくなんか苦しい>という歌詞の言葉がより暗く聴こえるし、サビとのギャップにも繋がるかなと。
――となると、私は森さんの考えにまんまとしてやられたというわけですね。
そうですね(笑)。
――最初の1行目の言葉にも驚きましたが、曲全体の歌詞はものすごく美しい。曲の最後にはラブソングにも感じられるほど、愛おしい世界がそこにはあって。でも、作品全体を聴くとラブソングの甘さはありつつも渋みを感じる詞世界も多くて。
僕が果たして何に対して歌っているのか。それを想像しながら聴いてもらえると、もっとわかりやすいかもしれないですね。
森良太(Brian the Sun)
――4曲目の「星に願いを」は思わず恥ずかしくなるくらい、甘い言葉が多くて。でもラブソングと見せかけて、音楽や人生に向けて歌っている。独特の世界観がしっかりと感じられて、これもまた森さんにしてやられたなと感じました。
ありがとうございます。何かに対して歌っているとかは、聴いた人それぞれが大事なものと照らし合わせてもらえたらそれでいいかなと。
――誰しもが想う「何か」に置き換えがしやすい。『MEME』では人生観を描いた楽曲が多い印象で、聴く人によって姿形が違うように感じられるのは、歌詞の言葉使いがよりシンプルになったからかなとも思いました。今回の作品は制作に大きな時間がかからなかったとのことですが、『orbit』のリリース作業が終わったいまも楽曲は次々に生まれているんでしょうか?
曲は書いているし、悩まないですね。できるだけ悩まないようにして曲を作りたくって。少しでもどうなるんやろうと思ったら作業を中断して。
――考えることで練られた楽曲になることが嫌だから、ということでしょうか?
例えば、毎日会う仕事仲間でもその日のファーストインプレッションってあるじゃないですか。今日は体調が良くないのかな? とか、そういう印象って大体が当たっているんですよ。でも話すうちに考えすぎかなと思えてくる。それと似ていて、メロディを聴いたその日のファーストインプレッションがあるんですよ。でも、そのメロディに対して「〇〇したらおかしいかな? ここに〇〇したらどうかな?」と考えだしてしまう。
――技巧的な悩みが生じると。
そう。技巧的になると、そのメロディが言いたかったことが消えてなくなってしまうし、自分が良いと思ってそのメロディにしたのに、何度も作業を重ねることで良いと思っていたものがどんどんわからなくなってしまうのが嫌で。最初の印象のまま作っていくと、何回聴いても聴ける曲になることに気付いて。そこからは最初の印象を大事にしていますね。
――メンバーの反応を楽曲に反映することはなく?
メンバーは結構ドライなんですよね。今回の作品はメンバー内でも意見が分かれていて、それが面白かったですね。ルーツは一緒というか、ずっと一緒に過ごしてきているメンバーで根っこは一緒なんだけど、人それぞれ感じ方が違うんだなと思いましたね。全員が「スローダンサー」が好きとなると、そういうバンドになっちゃいますし。全員の好みがバラけているのはそれはそれで面白いですね。
森良太(Brian the Sun)
――「星に願いを」はすごく甘い印象の楽曲ですけど、「スローダンサー」は最後の曲で落とし込む、一気にダークサイドに持っていかれるような楽曲で。その曲で『orbit』の世界が終わる、その感覚がすごく斬新でした。
救っておいて落とすんかい! という曲ですよね(笑)。でも、「スローダンサー」は最後じゃないとアカンなと思ったし、作品をリピートで聴いたときに10曲分の聴こえ方もするんですよ。
――キレのあるサウンドだけど、詞世界はすごくあけすけに表現されていて。短い期間で作品ができたと聞きましたが、どの曲も表情が全く異なるもので、すごく興味深い世界観ばかりで。
何度も練り直すと、全曲、近いものができたと思うんです。でも最初に「この曲はこうです!」というやり方を守れば、勝手に曲の個性が出る。
――個人的には「スローダンサー」に続く作品が聴きたいと思うほど、大好きな楽曲です。
ありがとうございます。今回の『orbit』を聴いてもらったとき、めっちゃロックですねという人と、ポップですねと人によって違いが出るのはその人自身がどんな音楽を聴き続けてきたかの違いだと思っていて。それがわかりやすく出る作品なんです。普通は人が作品を聴いて評価するんですけど、今回は作品に対して色がほとんどついていない。『orbit』が聴く人の性質を示してくれるんです。
――聴く人それぞれの「気付き」の作品になると。
そうですね。言い方は悪いかもしれないけど、歌詞も当たり障りがないし、とんがったことを言っているわけでもない。普通のことを言っているんです。でも人によってピックアップする部分が違って、こういう聴こえ方を私はしましたという、その言葉で「なるほどな」って思うんです。
――普段、私たち取材をする側の人間はどうしても批評や批判をしてしまいがちだし、インタビュアー本人の思考や経験から生み出される言葉で取材が行われ、その言葉で記事が構成される。今回の作品はインタビュアーやDJの方など、みんなが森さんに試されていたというか、見透かされていたんだなと。そう思うと益々面白い作品だなと思うし、帰ってすぐに聴き直したいです。
試したりはしてないですけど(苦笑)。ライターさんでも、いろんなタイプの人がいらっしゃる。1枚の作品を聞いて、ただ不安になる人や絶望を感じる人もいる、頑張ろうって思う人もいる。それって自然でいいなと思うんです。「こうしてやろう」という作為をなくしたいんですよね。
森良太(Brian the Sun)
――『orbit』、森さんらしい作品になりましたね。純粋にブライアンのことが好きなファンの皆さんが『orbit』を聴いたとき、どんな感情が生まれるのかもすごく気になりますよね。
楽しみですね。みんなそれぞれ、自分が得た感情が答えだと思うんで。自分自身も、何年かして自分の感情が変化して聴くとどうなるのかなって、そういう発想で曲を作ってしまうんです。だからこの作品もそういうふうに楽しんでもらえたらなと思いますね。
――昔好きだった楽曲が時間を経て聴いたとき、新しい発見があったりすることもありますね。1曲目「SOS」は先日のライブで1曲目に披露されています。ライブにおいて、どの曲をどの順番で演奏するか。バンドの思い描く表現によって、また違った印象を持つこともありますよね。
ライブではまた変わりますね。生で演奏することでフィジカルが見える。聴こえる音のパワーってすごいんですよ。「スローダンサー」は全体がネガティブっぽく見えますけど、ライブだとその先が見えると思うんです。
―――曲全体はダークだけど、歌詞は最後に明るい方向へ進んでいく。それがライブで演奏されると、その先にどんな景色があるのか楽しみが増えますね。でも、今回のミニアルバムの世界を体感できるはずのツアーの本数が少ない! 東名阪3か所のみ。今作はミニアルバムでしたし、ツアーを終えた先に何か活動の意図があるのかなと。
この5曲はあんまりこすりたくなくて。いっぱいやることで自分の中でも曲の聴こえ方が変わってきてしまうので、この5曲に関しては賞味期限があると思ってるんです。永遠に演奏できる曲もあるけど、この5曲に関しては自分のなかで摩耗に弱いというか……。
――美味しくいただけるうちに聴いてよと。制作はスムーズに、でも賞味期限は短め。そのあとの作品は? と気になります。
どうしましょうねぇ。
――返事が早い!(笑)
まだ何も考えてないですね。今は方法論や、やり方で成功できる時代だと思うんです。でも、自分はそこに興味がなくて。消費されることは大事だと思うんですけど、それを続けていった先、そんなことをしててどうなるんだろうと思うんです。みんなが死ぬ間際に棺桶まで持っていきたいと思える作品を作れるほうが僕にとっては大事で。でも、その大事さもみんな思い込んでいるだけなんじゃないかと思ってしまったり。自分の心にぴったりとくる作品を見つけるような聴き方をしているかと言うと、絶対にしていないと思うんです。
森良太(Brian the Sun)
――情報が乱雑に入り混じる昨今、音楽もあっという間に消費されていくものが多いというのは感じますね。
売れたいというより、聴いてほしいという気持ちの方が大きいんです。商品として僕たちはこのメジャーレーベルに所属していますけど、売れる音楽を作ることを考えるのがダルいなと思ってきてて。
――音楽をやるうえでその感情はとても大事だと思います。バンドを続ける、お客さんに聴いてもらう。そういう環境を作るためにはある程度「売れる」ことを意識しないといけない。でも本質としては自分たちの音楽がやりたい。メジャーレーベルのミュージシャンの誰もが考えることだと思います。
小学校や中学校で一年毎にクラス替えがあるのがめちゃくちゃ嫌やったんですよ。担任の先生もクラスメイトもずっと一緒が良かった。でも、ずっと一緒って無理なんですよ。メジャーの世界もそれと同じで。大好きやなって思っていても、その人と一緒に仕事ができなかったり。その人にはその人の生き方があるから、ずっと一生というのは無理な話で。それはお客さんもそう。作品のリリース毎にお客さんの性質も変わってくる。例え大きく売れたとしても、その規模を保ちながら歩んでいくのと、めちゃくちゃ大変なことで。そうなると、本当の好きとか愛情ってなんなんだろうって日々思うようになって。
――相手の感情を考えると、思考はどこまでループし続けるし、その答えをどこに落とし込むかすごく考えちゃいますね。
でも、僕はあと4~50年生きて、その間にこういう音楽家がいたなと、未来の人が思い出してくれるような音楽を作りたいんです。今はそれが全然できていない。まだまだ届いていないし、何も生み出せていないと思っています。
――そこに向かうためには必要な何かがあると思います。キッカケや気づき、それはどんなものだと思いますか?
心の燃焼具合ですね。それを高めるのは環境なのか、人なのかもしれない。もしくは自分のやり方次第かもしれない。いくらでも曲は書けるし、いくらでもライブはできる。体は元気だし働くことはできるけど、それは消耗なんです。燃焼したい、燃え尽きたい、そういう場所を探しています。
――まだまだ道半ばですか?
まだスタートラインにも立ってないと思います。みんなが観てくれるブライアン、森良太像はまだ形にはなっていないです。まだまだやと思いますよ、僕なんて。もっと頑張らないと。
――ここからブライアンが、森さんが変わるかもしれない。バンドの形も、曲もどんどん変わるかもしれない。楽しみだらけですね。
探してますね、ずっと。どうなっていくんでしょうね。正しく燃焼しているところには必ず人が集まると思っているんで。燃焼しているところに添加物が入ると燃え方も違っちゃう。その瞬間の輝きはすごいかもしれないけど、僕は自然な燃え方がいいなと思いますね。
――キレイにまとめちゃうと、「その瞬間を見逃すな」と(笑)。賞味期限が短いという『orbit』を携えてのツアーも気になるし、その先の作品も、いつブライアンが、森さんが覚醒するのか。気になるところだらけですね。
次は渾身の一撃となる曲が書けるように。時間がかかるかもしれないですけど。
――まずは4月のツアーを楽しみにしております。
森良太(Brian the Sun)
取材・文=黒田奈保子 撮影=河上良

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