「劇場版 Fate/stay night [HF]」リ
レーインタビュー(1)杉山紀彰&下
屋則子 士郎と桜が選んだ先にあるも

(c) TYPE-MOON・ufotable・FSNPC 劇場3部作の最終章「劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel]III.spring song」が、3月28日から公開される(※追記。8月15日公開に変更)。原作ゲームではじめて映像化される「Heaven's Feel」の物語は、本作でついに完結。主人公・衛宮士郎役の杉山紀彰と、メインヒロイン・間桐桜役の下屋則子に、前作第2章の印象的なシーンを振り返りながら、最終章の収録に臨んだ心境を聞いた。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)
――第2章の完成映像をご覧になった感想から聞かせてください。
杉山:とにかくすさまじいなというのが第一印象でした。第1章の高速道路でのランサーと真アサシンによる戦いはスピードバトルでしたが、第2章のセイバーオルタとバーサーカーによる戦いはパワーバトルで、バーサーカーの尋常でない迫力と力強さと、それを涼しい顔で受け流すセイバーオルタの対比に目をみはりました。神話の戦いというのはこういうものなのかと――まあ僕は見たことないんですけど(笑)――そう感じさせるぐらいの勢いでした。
下屋:第2章では、桜が自分の心情を打ち明けるシーンが多かったように思います。第1章で桜が土蔵で士郎に思い出話をするシーンがありましたが、あのとき「桜がこんなふうに自分の話をするのは初めてだな」と感じたんです。そんな桜は、第2章のレインのシーンで「私は先輩にふさわしい人間ではない」と自分をさらけだして士郎を突き放すけれど、それでも士郎は受け止めてくれ、本当に心打たれるシーンだと感じました。物語も加速度をあげていって、桜が「マキリの杯」になるという衝撃のラストをむかえ、見た方には衝撃の大きい内容だったのではないかと思います。
――第2章公開前のインタビューで(https://anime.eiga.com/news/107705/ )、ノベルゲームならではの表現を映画で上手く再現していると称賛されていたシーンがありました。どのシーンのことだったのでしょうか。
下屋:桜の夢のシーンのことですね。テキストだからこそ表現できる内容を、映画では桜が夢を見ている視点で描いて、そのままギルガメッシュのいる現実の世界へとつなげる描写は本当に素晴らしかったです。
杉山:桜がどうして今まで正気をたもっていられたのかが、残酷なまでに描かれていました。
(c) TYPE-MOON・ufotable・FSNPC――あの夢のシーンは絵面だけ見るとファンシーですが、映画を見た人はまったく違った意味合いに見えると思います。
下屋:おかげさまでといいますか、最近Twitterで「お腹がすいたな」とつぶやくと、皆さんから「飴はどうですか」「くうくうお腹が鳴りましたか」とよく言われます(笑)。
――第2章の桜は、(遠坂)凛に対して嫉妬するところも心に残りました。
下屋:桜にとって士郎は、付き合いたいとか自分のものにしたいという思いとは違うところで、本当にかけがいのない大事な存在だと思うんです。それを、さきほどお話した第1章と同じ土蔵で、今度は凛が同じように士郎に思い出話をするという……。何もかも自分より勝っている姉さんに先輩との大切な思い出まで取られてしまう……。桜の気持ち、私は痛いほど分かります。
――第2章は、士郎の正義がゆらぐ物語でもあったと思います。
杉山:桜は普通の生活を送ってきたと思っていたら、そうではなかったわけですよね。士郎は桜が育ってきた過酷な境遇などを知り、誰が彼女を救えるのだろうとの思いにたぶん至って、自分が救わなければいけないと考えたはずです。だからといって、正義の味方としてひとりでも多くの人を助けたいという思い自体がなくなったわけではなく、「目の前のひとり」から助けていかなければいけないと、彼のなかの優先順位が変わった。そここそが士郎にとって譲れないところでもあったのだろうと。それぐらい彼の思い描いている正義の味方像は大きかったと感じさせる面もあったのではないかと思っています。

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