今年で16年目。「GREENROOM FESTIVA
L」が目指す未来とは。

ビーチカルチャーをバックボーンに持ち、音楽やアートを楽しめるカルチャーフェスティバルとして幅広い層から愛されている「GREENROOM FESTIVAL」。2019年には15周年を迎え、来たる5月23日・24日には第16回目が開催される予定だ。この15年間で感じたフェスシーンの変化や「GREENROOM FESTIVAL」が目指すもの、今年の見どころについて、代表の釜萢直起さんに聞いた。


Photo_Kae Homma
Text_Momoka Oba

試行錯誤を続けながら迎えた15周年。

――GREENROOM FESTIVALは昨年で15周年を迎え、今年で16回目の開催となりますね。

自分たちのやり方を模索しながら続けてきた15年でした。FUJI ROCK FESTIVALやRISING SUN ROCK FESTSIVALのような大先輩がいる中で、僕らやTAICOCLUB、Sense of Wonderは言うならばフェス第二世代。ここ数年で新しいフェスも続々と増えてきていますが、スタイルは違えど、フェスが好きでフェスをやりたいっていう根っこの部分はみんな同じなのかなと感じています。

――15年間続ける中で、来場するお客さんにも変化はありましたか?

2005年に開催した第1回は、600人くらいしかチケットが売れなくて。しかも8〜9割が男性だったんです。マニアックなサーファーやスケートボード好きの人ばっかりでした(笑)。今は男女比が半々くらいで、いい意味で客層がかなり広がったように思います。

――無料エリアが充実していて、フェス初心者でも気軽に足を運びやすいフェスだと感じます。

そうですね。無料エリアだからこそしっくりくるコンテンツもあるし、それによってGREENROOMの可能性が広がっているのかなと。まずは無料エリアでフェスや音楽の魅力を知ってもらって、将来的には有料のライブにまで踏み込んでもらえたらうれしいです。

――音楽だけでなく映画やアートなど、カルチャーを横断的に楽しめるのがGREENROOMの魅力だと思うのですが、そこにはどんな狙いがあるのでしょう?

サーフカルチャーやスケートボードカルチャーって、音楽も映画もアートも、すべてがスタイルの一部なんです。それぞれがあんまり分かれてないっていうか、聴くものから食べるものまですべてがカルチャーっていう感覚で。僕自身も音楽やサーフィンだけが好きなわけではなく、衣食住すべてが纏う空気感に魅力を感じているし。GREENROOMでは、その雰囲気を理解してもらえたらっていうのが狙いです。

――上映する映画や展示するアート作品はどのように選んでいるんですか?

うちの会社ではフェス事業のほかにアートギャラリーの運営や映画の配給も行っているので、日常的にそういった作品に触れる機会が多いんです。アーティストの展示に足を運んでチェックしたり、知り合いの紹介で繋がることもあります。映画もアートも共通して、“ビーチカルチャーを感じられるもの”を意識して選ぶようにしています。

――GREENROOM FESTIVALは「SAVE THE BEACH, SAVE THE OCEAN」がコンセプトですが、海を守るためにはどんな活動をしてきましたか?

海岸にゴミ箱を150〜160個ほど設置したり、アーティストと一緒に啓蒙ポスターを作って貼ったり、ビーチクリーンの活動をしたりしています。あとは、ハワイと日本にあるギャラリーで海をモチーフにした作品を展示することで、まずはみんなに海を好きになってもらえたらなと。海を好きになってもらえたら、きっと海を大事にしてもらえると思うので。

国内外の、個性豊かなアーティストが出
演。

――海外アーティストから国内の大物、新鋭のアーティストまで、出演アーティストのバランスが毎年絶妙だなと思うのですが、ブッキングはどのように決めていますか?

シンプルに “ブッキングしたい人リスト”みたいなのが自分の頭の中にあるんです。そこから順にオファーしていく形ですね。

――その年ごとのテーマのようなものはあるのでしょうか。

もちろんあります。日々音楽を聴く中で自分も今のシーンのムードに影響を受けているので、「今年はこうしたい」とか「今年はこのアーティストに出てもらいたい」などと考えています。去年だとTom Mischの出演はすごくタイムリーだったと思うし、実際にライブも素晴らしかったですね。毎年、前年を超えるブッキングをしたいって気持ちでいます。

――今年、軸となったアーティストは誰でしょう?

土曜日はやっぱりMGMTですね。彼らの「Kids」という曲が昔から大好きで、そのテンションと!!!でダンサブルにまとめています。赤レンガがダンスホールみたいになればいいなって。その前にアジカンやスペアザ、ネバヤンなど国内勢にも出演してもらい、気持ちいい1日になるのではと思います。日曜日は、Tash Sultanaがとにかく凄くて。何度かライブを見ているのですが、独特のオーラがあって心を持ってかれるんですよ。なのでTashを軸に決めていきました。

――Dragon AshLOVE PSYCHEDELICORHYMESTERなど国内のアーティストも豪華ですよね。

そうなんです。Dragon Ashは16年目にして初めて出演してもらえることになったのでとてもうれしいです。
――普段は、新しい音楽とどのように出会っていますか?

国内外のフェスにたくさん足を運ぶのと、渋谷の〈タワーレコード〉でたくさん試聴しています。もちろんSpotifyやApple Musicで聴くこともありますし。15年間続けてくる中でたくさんのミュージシャンやエージェントと仲良くなれたので、そういう人たちから情報をもらうことも多いです。自宅のある鎌倉から東京のオフィスまで毎日車で通っているので、行き帰りの1時間半が音楽をじっくり聴く時間になっています。

――最近のお気に入りはありますか?

最近のヒットはやっぱりTash Sultanaかな。あとは土曜日に出演するOscar Jeromeも素晴らしいですよ。

――海外のフェスにもよく行かれるとのことですが、海外のフェスと日本のフェスの違いを感じたりしますか?

海外のフェスは良くも悪くもアバウトで、とにかく自由なんですよ。音被りとかも気にしないから、ステージが隣接してたりして(笑)。お客さんの服装とかも自由だし、各々に個性が感じられて面白いですね。

――以前、別のインタビューで「GREENROOM FESTIVALはあえてロゴ入りのグッズを作らない」とおっしゃってるのを読んでとても共感しました。日本のフェスってみんなが似たような格好をしてるから、なんだかちょっとユニフォームっぽくなっちゃうなと思うことがあって。

うちはマーチャンダイズをほとんどやっていないんです。出店しているセレクトショップやサーフブランドがかっこいいものを作ってくれてるから、そっちを着た方がいいよって(笑)。

――遊びに来ているお客さんもおしゃれな人が多いイメージです。

そうですね。都市型フェスなので、いわゆる野外フェス用の服装じゃなくてもっと自由におしゃれしてほしいなって。好きな服を着て美味しいお酒を片手に音楽を聴いて、っていう雰囲気を楽しんでもらいたいです。

スペシャルな環境でカルチャーを味わっ
てほしい。

――今後を考えた時に、20年、30年後に向けた目標はありますか?

カルチャーフェスとしての濃度をより高めていきたいなと思っています。音楽面でもより良いアーティストを呼びたいし、映画やアートの分野にも力を入れていきたくて。僕が子どもの頃って、レジェンドのスケーターやペインターに出会う機会ってほとんどなかったんですよ。でも、GREENROOMに来てもらえばいろんな分野で活躍する人と会えるから、その価値をもっと生かしていきたいなって。

――そういう意味では、大人はもちろん、若い世代がたくさん来てくれるとうれしいですよね。

そうですね、若いうちからそういう世界を子どもたちが見れたら面白くなるんじゃないかなって思います。横浜はアクセスも良くて安全だから子ども連れでも来やすいですし。

――最後に、今年のGREENROOM FESTIVALを楽しみにしているお客さんに向けて、今年の見どころや期待してほしいところを教えてください。

もちろん好きなアーティストのライブも楽しんでもらいたいですが、何より全体的な空気感を味わってもらえたらと。赤レンガは歴史的建造物で目の前に海もあって、ロケーションもスペシャルだなと思うんです。そういう環境の中で仲間たちとフェスを楽しむっていう体験を、ぜひ満喫してください。
GREENROOM FESTIVAL’20

2020/5/23(土)、24(日)
横浜赤レンガ地区野外特設会場

第3弾出演アーティスト&日割り発表!
5/23(土)
MGMT / !!! / Oscar Jerome / ASIAN KUNG-FU GENERATION / never young beach / 平井 大 / SIRUP / LOVE PSYCHEDELICO / clammbon / SPECIAL OTHERS / TENDRE / 幾何学模様 / LUCKY TAPES / D.A.N. / STUTS / NakamuraEmi / showmore / yonawo
5/24(日)
Tash Sultana / Sigrid / Dragon Ash / Suchmos / EGO-WRAPPIN’ / 佐野元春 & THE COYOTE BAND / RHYMESTER / PUFFY / GLIM SPANKY / KANDYTOWN / TRI4TH / 武藤昭平withウエノコウジBAND SET / 佐藤千亜妃 / the chef cooks me / Vaundy / みゆな
and more…

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今年で16年目。「GREENROOM FESTIVAL」が目指す未来とは。はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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