ナノ

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【ナノ インタビュー】
新たなスタートライン
となるベスト盤

2012年のデビューから発表された全シングル+αを収めたベストアルバム『I』をリリースしたナノ。既発アルバムのリード曲、新曲、カバーと収録曲全てに意味があり、挑戦がある全21曲2枚組について、“これは新たな始まりの合図”と語ってくれた。

伝えたいメッセージがあるからこそ、
何かに頼ったり縋ったりする必要もない

初のベストアルバムは8年前のデビュー曲「Now or Never」からリリース順に全シングル13曲が並んでいますが、聴いてみたご自身の感想は?

これまで別々で聴いてきたものを改めて並べてみると、まったく違うものに聴こえるなって感じました。1曲ずつだとその時々のレコーディング風景だったり、MV撮影の情景だったり、具体的なことばっかり浮かんできちゃうのが、全部並べると、ただただ感情だけが出てくるんですよね。おかげでひとつの音楽作品として、自分の作品を初めて客観的にリスナーの立場で聴くことができた気がします。その結果、実感したのが…やっぱりナノって染まりたくない人間なんだなと。いろんな七変化をしてきて、良い意味でぶっ飛んだことをいっぱいしてきてる(笑)。

貫して攻撃的なサウンドの中で、心に沸き出る何かを放っているような印象はありますよね。

そもそも自分が音楽をやり始めた理由が、歌や音楽が好きだとかよりも、リスナーに何か力を与えたいとか、みんなのパワーになれる音楽を作りたいってことだったんですよ。自分の感じたこと、学んだこと、気付いたことを、少しでもみんなの栄養源にしてもらいたいと考えていたので、染まらずにいられるんだと思うんです。伝えたいメッセージがあるからこそ何かにすがったり頼ったりする必要もないし、逆に何かに染まってしまうと自分のやりたいことやメッセージが薄れてしまう可能性がある。今回リスナー側に立って聴いてみたら、それが多少なりとも曲に表れているように感じられて、ちょっと自信が持てました。

そういった意味で特に印象深い曲を選ぶなら?

やっぱり「Now or Never」ですね。冒頭に“ナノと言ったらこれ!”って言えるくらいの定番曲がいきなり来るので、聴いてくださるファンはテンションが上がるだろうし、みんなにとって重要な曲は自分にとっても大切なんです。ナノ個人としては他にも特別な曲はあるんですけど、自分の曲は人と共有してこそ意味を持つので。

そもそもデビュー曲なんですから思い入れは深いはずですよね。

もう当時は“ようやく好きなことがやれる!”っていう嬉しさで、がむしゃらに作ってました。もちろん実力的には自分の理想に辿り着けなくて、最初の数年は悔しい想いもめちゃくちゃしましたし、今でも聴き返すと“あぁ、幼いな”って恥ずかしくなる部分もあるんですよ。でも、曲を重ねるごとに着実に自分のイメージに近付けるようになっていったし、その成長の過程もミュージシャン/アーティストとしてはひとつの表現であり、作品だと思うんです。だから、初期の作品が失敗作とはまったく考えていないし、むしろ悔しい想いが滲み出てる曲だからこそ、リスナーが心打たれるってこともあるじゃないですか。実際、ベストのリリースにあたって改めて初期曲のMVをSNSにアップしたりすると、ファンの方が“やっぱりこれが好き!”とかって、8年経っても言ってくれたりするんです。上手い下手以前に、曲が与えるパワーだったり感情のほうをリスナーって大事にしてるんですよね。なので、今回のアルバムでも過去曲を聴いて“あれがあったから今のナノがあるんだ”って感じてもらえたら嬉しいです。

昔の曲ほどファンにとっては思い出が積み重なってますからね。その分、大事な曲になる可能性は大いにありますよ。

そうなんですよね。めちゃめちゃ出汁が出てるスープみたいな感じ。何年も注ぎ足したタレみたいな(笑)。

シングルを集めたDisc 1だけではなく、アルバムのリード曲や新曲、カバーを収録したDisc 2との2枚組になっていますが、なぜこういった構成にしようと?

アルバムのリード曲ってナノにとって欠かせない曲なんです。制作する時に一番力を入れて作る曲だし、ライヴでも絶対にやっている大切な曲なので、この曲たちが入らないとベストとして成立しないんですね。実際、ファンの方々もYouTubeとかでたくさん視聴してくださってますし。

聴き比べるとシングルでは瞬発力のある曲が、リード曲では壮大さだったりドラマチックな側面を押し出した曲が多いと感じました。

現実的な話をすると、シングルはテレビアニメのタイアップがほとんどなんで、どうしても曲の構成に制限が出てしまうんですよ。その点、リード曲はひとつの作品として自分のやりたいことを自由に詰め込めるんです。別に歌始まりじゃなくてもいいし、イントロがキャッチーじゃなくてもいい。結果、自分の好みがあからさまに出ちゃうんですよね(笑)。歌詞も自分の言葉で、自分の言いたいことを言ってるから、リアルタイムのナノの想いが詰まってます。
ナノ
ベストアルバム『I』

OKMusic編集部

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