L→R 黒田俊介、小渕健太郎

L→R 黒田俊介、小渕健太郎

【コブクロ インタビュー】
真っ白な状態から作りたい歌を
ふたりで作った

ブラスバンドやチアリーディングがいる
大阪マラソン独特の楽しさを表現した

そして、カップリングの大阪マラソン新公式テーマソング「大阪SOUL」はまたガラッと曲の雰囲気が変わりますね。

小渕
はい。この雰囲気は走ってる時に伝わってくる沿道からの華やかな応援、いろんな色の旗を振ったり風船を持ったりしてくれてる様子が反映されてます。前回の大会公式テーマソング「42.195km」(2014年10月発表の配信シングル)ではその感じがあまり出せてなくて、エンジンを積んだ乗りものがひたすらゴールに向かってるイメージだったんですけど、今回の「大阪SOUL」は周りに手を振りながら走ってる曲。ブラスバンドやチアリーディングがいる大阪マラソン独特の楽しさを表現してみました。

“大阪らしさ”みたいなものも意識しましたか?

小渕
「42.195km」では関西弁的なテイストをガーッて入れたんですけど、今回はタイトルや歌詞でストレートに“大阪”と言ってますね。大阪の人って“大阪!”って叫ぶのが好きやと僕は思うんですよ。あと、“大阪ー!”って言われるのが好きというか。ライヴでも呼び掛けるとものすごく盛り上がるので(笑)。
黒田
大阪マラソンはコース変更があったんよな。「42.195km」の曲中に走る場所の描写が入ってたから、“じゃあ、曲も変えようか”って話になったんです。僕は「42.195km」の歌詞だけ変えた新コースバージョンも大阪らしくて面白いかなと思ったんですけどね(笑)。
小渕
まあまあ、それも新鮮味がないわな。あと、マラソンをやるようになって分かったんですけど、走る時に聴くのってさわやかな曲が合うんですよ。ゴリゴリのロックやとしんどくなるし、バラードやと走るピッチが落ちちゃうんです。なので、今回はこういうさわやかな曲調になりました。僕らの曲で言うと「晴々」(2018年9月発表の配信シングル)とかが走るのにはめちゃくちゃ気持ち良くて、あんな感じの曲を聴きながら走りたいとイメージしつつ作りましたね。

ちなみに小渕さんは他のマラソン大会も出たりしてますか?

小渕
いや、出たことないです。大阪マラソンのみ。
黒田
それ、すごいな。別のやつは1回も出てないの!? どんなこだわりなん?
小渕
やっぱり1年に1回くらいしかフルは無理よ。音楽やってると。
黒田
“明日走れ”って言われたら走られへんの?
小渕
無理やって、急に42.195キロは! 半年以上練習しないと。
黒田
ゴルフとかやったら“明日行こうや”ってパッと行けるやん。1回覚えた技術ならちょっとやって、へんやなってなってもできるのかと思ったらそうじゃないんやな。そんな過酷なスポーツ、しんどすぎるわ~(笑)。

そんな「大阪SOUL」のミュージックビデオでは小渕さんのゴールを黒田さんが迎えるシーンがありましたね。

黒田
あれ、汗びっちゃびちゃでな。小渕はフルマラソン走ってきて想いがすごいんですけど、僕はゴールで待ってただけですからね。テンションが合わないのなんの!
小渕
ビデオの最後でハイタッチしてるけど、本当は手触れたくなかったみたいです(笑)。
黒田
小渕が走ってることを踏まえたこの曲を僕が気持ちを乗せて歌うのは、ある意味戦いですよ。

小渕さんは大阪マラソンの経験を重ねてきただけあって、「42.195km」の時とはまた違ったモードで曲作りに臨めました?

小渕
そうですね。例えば《もう二度と走れない》っていう言葉から始めてるのも意味があって。本当にそれくらいキツいんですよ、走り終わったあとって。でも、そこから始まるのがマラソンの面白いところだと今は分かるんで。“ダメかな?”“もうやめとこう”ってなるのに、またやっぱり練習に行きたくなるんです。不思議ですよね。

コブクロの活動休止中に始めたマラソンが今やライフワークになってるのも。

黒田
ほんまに不思議やな。何歳までやんの?
小渕
もう、ずっとでしょ。本当にライフワーク(笑)。
黒田
幾つまでできるもんなん? フルマラソンって。
小渕
50~60歳くらいの人も走ってるよ。制限は特にないと思う。
黒田
僕は絶対にやりません。人生何があるか分からへんって言いますけど、これだけは断言できます! 100メートル走とかやろうかな、俺は(笑)。
小渕
曲にできへんわ、それは! 走ってる時間、せいぜい20秒とかやもんな。

取材:田山雄士

シングル「卒業」2020年3月18日発売 WARNER MUSIC JAPAN
    • WPCL-13184
    • ¥1,000(税別)
コブクロ プロフィール

コブクロ:1998年、路上ライヴをしていた小渕健太郎と黒田俊介が出会い結成。2001年シングル「YELL~エール~」でメジャーデビュー。2006年に発売したベストアルバム『ALL SINGLES BEST』は350万枚の売り上げ。2007年、シングル「蕾」が第49回日本レコード大賞を受賞。2018年9月に結成20周年を迎え、同年12月に発売した初のコンプリートベスト『ALL TIME BEST 1998-2018』は30万枚を記録した。2019年、20周年を記念した全国ツアーを開催。同年12月、大阪マラソンのアンバサダーとして、小渕健太郎がフルマラソンで参加し、テーマソングとして「大阪SOUL」を制作。2020年3月18日におよそ1年半ぶりとなるシングル「卒業」を発売する。コブクロ オフィシャルHP

「卒業」MV

「卒業~合唱~」MV

「大阪SOUL」MV

OKMusic編集部

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