BALLISTIK BOYZ、2ndシングル「ANTI
-HERO’S」とワンマンツアーに懸ける
想いーー僕らの新しい道を切り開く「
世界」を目指す逆境のヒーロー

この日の取材は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEにとって初のワンマンツアー『 BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 "BBZ”』の広島公演以降の延期が決まった直後に行われた。心待ちにしていたファン以上に、7人が今回の初ワンマンにかけていた思いは相当なものだったに違いない。<逆さまの地図で乗り込む Seven Knights 向かい風が吹く Every night>そう歌うタイトル曲を掲げた2ndシングル「ANTI-HERO’ S」。これは、順風満帆に見えながらも、彼らなりの苦悩や葛藤をいくつも乗り越えてきた7人の新たな決意表明の一枚だ。世界を目指す彼らならきっと、「ANTI-HERO’ S」の逆境精神で、最高の未来へと塗り替えてくれるはずだ。
BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE
ーー初のワンマンツアー『BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 "BBZ”』の広島公演が延期になることがついさっき決まったそうですね……。
海沼流星:僕ら自身もすごく残念です。みなさんの前でパフォーマンス出来ることが僕らの一つの幸せでもあるので。でもみなさんの安全を考えての決断なので、変に悲しまずに、僕たちはまた会える機会を絶対作るので待っていてくださいと伝えたいです。
ーーそのツアーでは、すでに今回の「ANTI-HERO’ S」収録の4曲も披露され始めてるんですよね。
砂田将宏:「ANTI-HERO’ S」から毎週1曲ずつ配信されて、最後の「Strangers」が配信された2日後からツアーが始まるという流れで、約1ヶ月かけて盛り上げてからのツアーだったので、自分たちも徐々に音源を解禁していく感じが楽しかったし、良いスタートが切れました。
ーータイトル曲「ANTI-HERO’ S」のテーマは正統派ではなく逆境のヒーロー。ここには7人のどんな思いやメッセージが込められているんでしょうか。
日髙竜太:僕たちとしては、正統派じゃない方が自分たちっぽいかなと思ってるんです。EXILE TRIBEの一員ではあるんですけど、先輩方が築き上げたものをしっかりと受け継ぎつつ、僕たちなりの新しいものを築き上げていきたいという思いと、世界へ進出したいという夢が、結成当初からずっとあって。そういった意味でははみ出し者というか。先輩方が作り上げてきた道だけを進むのではなく、自分たちが切り開いていく新しい道を信じて突き進んでいくというメッセージが、「ANTI-HERO’ S」には込められているんです。だから、今の自分たちの決意とか生き様みたいなものが本当に表現されている楽曲だと思います。やっぱり新しい道を切り開いていかないと自分たちの夢である「世界」は目指せないのかなと思っています。
松井利樹:言ってしまえば、スターになる為にやりたくないことをやるか、好きなことで挑戦するかっていう話ですよね。
ーー3曲目の「Bang Out」でもその信念は歌われてますが、好きな事で突き進む方がエネルギーが要りますよね。すでにある道にそって進んだ方がある意味ラクというか。
日髙竜太
日髙:でもそうしないのが僕たちの意思というか、やり方なんです。
松井:好きなことを好きなだけやって。
奥田力也:それが遠回りになることもあると思いますし、いろんな失敗や壁にぶつかることも絶対あると思うんですけど、それでも、止まれないんですよ、僕たちは!
海沼:震えてたね、今、声が(笑)。
深堀未来:素晴らしいですね。めちゃめちゃ感動してます。ヤバイです今、心に刺さってます(一同笑)。
奥田:言われたことだけをやってても、この先は変わらないと思うんです。だったら自分たちで話し合って……。
松井:楽しく!
奥田:そうやって新しいことに挑戦する方が、自分たちの経験値も上がりますし、学べることもあるというか。周りの意見をそのまま受け止めてやるだけじゃなくて、自分たちが発信していくこと……いい時もあれば悪い時もあると思うんですけど。
日高:でもそれは、先輩方がやってきたことを僕らはやらないとか、そういう意味じゃないんです。
奥田:うん、いい意味でね。
砂田:全部が全部、自分たちの好きなことだけやりたいという、そんなわがままな感じではないんです。もちろん、自分たちが好きだと思うことを貫いてステージに立ちたい思いはありますけど、それだけでうまくいくことはないと思うし、やりたくないと思うことの中には、やらなきゃならないこともきっとあるだろうし。それをわかった上で、好きなことで自分たちが伝えられたらいいというスタンスなんです。
加納嘉将
ーーそのスタンスって、何かで「トップになりたい」と思ってがんばってる人すべてに共通することかもしれないですね。そういうメッセージこそグループとして発信していきたいものでしょうか。
奥田:そうですね。で、結果を残していきたいです。
砂田:EXILEHIROさんを始め、事務所の先輩方もみなさん意外と遠回りをされていて、10年ぐらいかかって今の場所にたどり着いていて。その10年分の近道を教えてもらえる分、「(目標とする場所に)出来るだけ遠回りせずに早くたどり着いて欲しい」と言ってくださるんです。僕らは見た目がちょっとチャラく見える分、挨拶はきちんとした方がいいとか、そういう基本的な部分に対するアドバイスはいつももらってますけど、俺が言ったから絶対だ、みたいなのは一切ないです。HIROさんからも、僕ららしいスタイルを大事に、「バリらしいパフォーマンスをやるのがいいんじゃない?」といつも言ってもらってます。
ーーチャラく見られがちなんですか?
砂田:やってる音楽だったり、服装や髪型もやっぱりちょっと派手だし、変な意味じゃないですけど、損するところもあると思うので、その分しっかり礼儀正しくと。本当、先輩方がアドバイスしてくださるのはそれぐらいなんです。
ーーとんがるとこはそこじゃなくていいよ、と。
海沼:ステージでいかに発揮していくかが真意でもありますし。
ーー今までのBALLISTIK BOYZは、エレクトロでポップな印象も強かったと思うんです。でも今回のシングルの4曲はどれも、どこかオールドスクールなヒップホップやR&Bの骨太なテイストがあって、ちょっとオトナの匂いも感じるというか。以前からこういう楽曲をやってみたいという思いはあったんでしょうか。
日高:(楽曲選びの時期が)ちょうど初の単独ツアーが決定してた頃だったんですよ。
深堀:で、ツアーでやるならこういう楽曲があるといいよねという、提案のようなことはしてたんです。
砂田:ツアーのセットリストは当初、今までの楽曲の中から選んで組んでいて。その中で、もっとこういう曲があるといいよねという話はしてました。
海沼:「Bang Out」もツアーのキックオフシングルですしね。
ーー確かに、「Bang Out」はまさにライブの幕開けにふさわしい曲ですよね。かと思えば、「Strangers」は切な過ぎるラブソングになっていて。誰がいつこんなオトナな恋をしたのかなとか、ついつい想像しながら聴いてしまうというか(笑)。
深堀:ありがとうございます(笑)。
海沼流星
ーーBALLISTIK BOYZはEXILE TRIBEの中でいちばん若いグループというイメージもあるので、こういうオトナの恋愛をどう表現するかは今回のテーマだったと思います。
日高:そこは僕たちもすごく考えました。今やってるライブでも、演出とかにすごくこだわったので、ぜひ楽しみにしていてもらえたらなと思います。ただ歌うだけじゃなく、自分たちも世界観を作って表現してるので、その世界観に入りこんで見てもらいたいです。
ーーじゃあ、どのバースを誰がどんなふうに歌うのかも見所ですね。
奥田:この4人(日髙、加納、深堀、砂田)で歌ってるんですけど、うまくキャラも出てると思うんです。実際のライブでも、歌い方とか見せ方とかにそれぞれのキャラが出てる気がするので、そこもぜひライブで見てもらいたいですね。
ーー具体的にどんな恋愛模様を思い浮かべながら表現されてるんでしょうか?
深堀:自分たちなりに解釈して、それを歌にして、がんばって気持ちをぶつけたって感じですね。
日高:声もいろんな引き出しを使って、ちょっと切なく歌ったりとか、そこはかなり意識しました。
__だからこそ、世界を目指すBALLISTIK BOYZも、もしかしたらこんな恋愛を乗り越えてきたのかなとか、ファンは7人の姿を重ねながら聴いちゃったりするんじゃないですか。
松井:えっ、そういうこと?
奥田:俺らも中学生とか高校生の頃とかそんな感じじゃなかった? そういう曲聴く時は。
砂田:自分なりにというか、自分だったらっていうシチュエーションに置き換えて聴く、みたいな。
ーー女の子のファンも多いでしょうから、7人にさよならされた恋人の立場になって聴いてみたりとか……。
深堀:逆に、俺らがさよならされた方のシチュエーションで聴いてみたりとか……(切ないぜ、という感じのニヒルな表情で)ふっ。
松井:ハハハ(笑)。
深堀未来
ーー今の反応からも「Strangers」がツアーでどう表現されているかかなり気になりますが(笑)、ラブソングって、どの世代のどんな人にも共感できるものだと思うんです。
加納:ですねー。
奥田:あ、やっと喋った(笑)。
加納:本当に共感しましたからね。リアル共感です。#共感。すいません、どうぞ続けてください(笑)。
奥田:なんやねん、もう(笑)。
●順調に上ってきたふうに見えてると思うでもそこには壁もたくさんありました●
ーー2曲目の「Front Burner」も強力なライブチューンですよね。イントロからもう、ゾクゾクします。
砂田:かっこいい!って感じですよね。そういう「Front Burner」に対して「Bang Out」はポップというか、明るい感じじゃないですか。僕、「Bang Out」を初めて聴いた時、アメリカのハイスクール・ムービー系の、生徒たちが自転車とかに乗って学校に向かってる絵がめっちゃ浮かんできて。「Bang Out」のMVも撮りたいなって思ってたんですよ。
ーーMVのアイディアは自分たちからも提案してるんですか?
砂田:はい。MVを作る時は自分たちのアイディアも結構出してます。
深堀:バランスがいいですよね、今回のシングル。バランスを保ちながらバラエティに富んだ一枚というか。
ーーその意味では、ミニアルバムぐらいの聴き応えがあるシングルだと思います。
全員:確かに!
砂田:シングルって大抵2曲ぐらいですよね。だって1stシングルも2曲入りだったし。しかもDVD付きの方には結成当初からというか、デビュー前の武者修行の時から、この間の東南アジアでのプロモーションまで、全部のドキュメンタリー映像が付いてきますから。
ーー最初から最新までが詰まった映像集ということはつまり、ファンは絶対見ないとダメなやつですね。
奥田:絶対見て欲しいです。
ーー最初の頃の自分たちの姿って、今の7人にはどう映ってるんですか?
加納:本当に恥ずかしいです(笑)。
砂田:こんなMCしてたのかとか、下手くそというか、恥ずかしいです。
奥田力也
ーーでも歌やパフォーマンスに関しては、もともとポテンシャルの高いグループだったから、そこの恥ずかしさはそんなにないんじゃないですか?
全員:ありますね。あるある。
砂田:武者修行の頃とかは多分、まだ自分たちも迷ってる部分もあったかもしれないですし、とにかくやってみよう、みたいな感じでしたからね。
奥田:言われたことに対して、とにかくみんなで一生懸命やっていたので、今みたいに個々のアイディアとかは全然なかったし、とにかくチームの絆を深めるみたいな。
ーーその頃はまだ今ほどお互いのこともわかり合ってなかったでしょうからね。
深堀:はい。今はもう手に取るように……。
奥田:(小声で)わからへんけどな。
砂田:僕らはデビューしてまだ一年も経ってないんですけど、デビューの時からずっと見てくださった方たちからすると、ポンポンポンと順調に次のステージへ上がって行った感じに見えると思うんです。でもその裏には壁も結構たくさんありましたし、そういうところがドキュメンタリーでは見れるので、僕たちのいろんな面を知ってもらえるかなと思います。
ーーもし武者修行時代の自分に何かアドバイスをしてあげられるとしたら?
深堀:いやもう、僕はひとつしかないですね。「お前、ダセぇよ」と。あの時はあの時なりに自分でゴールを探してたというか、探りつつがんばってたと思うんです、その時なりに。でもこうやっていろんな経験をしてきて、あの時はダサかったなと思えるし、またこの5年後の自分に言いたいですね、「お前、ダセぇよ」って(笑)。
砂田:いいことですよね、そう言えるのって。
松井利樹
ーーそれだけ成長出来てる、冷静に自分を見ることが出来てるってことですもんね。これだけ成長速度が早いってことは、もしかしてこっそり次のアルバム用の楽曲制作も進んでたりするんでしょうか?
砂田:あ~、そこ聞いちゃいます? 一切、作ってないです!(一同爆笑)。
松井:言い切ってくれたね(笑)。
深堀:なんでかっていうと、僕たちはデビューの一発目がアルバムだったんで、やっと2ndシングルを出して、今やっと初のワンマンツアーをやってるところなので……。
砂田:いろいろトライしてみたいことはたくさんあるんです。英語詞だけの曲を出してみたいとか、ラッパーだけで曲を作るとか。アイディアはたくさんあるので、徐々にそれを実現してみたいと思ってます。
ーーワンマンツアーをやることで、盛り上がる曲がどういうものなのかもさらに実感出来るでしょうし、こういう曲があればもっとライブが良くなるという部分も見えてくるでしょうし、まずはツアーをやり終えてみないと分からない部分もありますよね。
奥田:こういう曲は一緒に盛り上がれるとか、聴き入れる曲だなとかね。
ーー「ANTI-HERO’ S」の次はどういう感じのものがやってみたいですか?
松井:明るい感じがいいですね。気持ちよくみんなで踊れる感じがいいっていうか。
全員:ああ! 
加納:夏っぽいのはやりたいね。
奥田:季節感があるのはいいね。
松井:結構攻めてる感じの曲が多かったので、そこからちょっと離れて、遊ぼうよという感じの曲、気持ち良く踊れる感じの曲がいいですね。
__これからいろんなトライをしていく中で、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEが目指す理想のグループ像は?
砂田:いつも言ってるんですけど、サッカーの日本代表みたいなグループになること。僕らは7人全員がマイクを持ちますし、個性の強い7人が集まったグループだと思うんです。それぞれが得意なことでコミュニティを広げていって、個々でも世界で活躍できるようになった7人がグループとして集まった時にもっと最強のグループになれると思うんです。サッカーの日本代表がまさにそうだというか。世界のいろんなところでそれぞれ活躍する選手が日本に集結してチームで戦う、みたいなスタイルが理想だなと、個人的には思ってますね。
砂田将宏
ーーいやもう、この7人には早く世界で活躍して欲しいです。
全員:おおっ。
砂田:アジア人は今、世界の人口の半分に達したらしいんです。ということは、アジアでいちばんになったら世界一と言ってもおかしくないぐらいになってきてるのかもしれないですし、何を言って世界一なのかというところもありますけど、自分たちのスタイルで、日本人としての誇りを持って、日本人アーティストといえばBALLISTIK BOYZだよねって、世界で認知されるぐらいになりたいですね。
ーーそのために今、自分たちに必要なものは何だと思いますか?
砂田:いっぱい必要だなぁ。語学もそうだし、経験も必要ですし、ダンスや歌、ラップのスキルも必要ですし。
ーー語学のスキルはすでに7人全員が持ってるでしょうけど。
奥田:何よりもっと知ってもらうことが大事だし、世界と戦うためにはまずは曲ですね。音楽でバズれば世界中に知ってもらえると思うし。だからいい曲を作って、BALLISTIK BOYZとして発信したいですね。
砂田:で、いつかは全部自分たちのセルフプロデュースでやってみたいです。振り付けは今も全部自分たちでやってるんですけど、曲もいずれは自分たちで作れるようになりたいし、MVも自分たちでプロデュース出来るようなグループになっていけたらいいですね。
BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE
取材・文=早川加奈子 撮影=河上良

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