奈月れい、5周年感謝の集いで昭和の
名曲やシルヴィアの遺作を披露

2月9日、東京・新宿の叙々苑 游玄亭にて、<奈月れい 5周年感謝の集い>が開催された。奈月れいは、2011年に「母の日/マイハート」でCDデビュー。2015年の「美山/母の日に」でメジャーデビュー。歌謡曲をはじめ、演歌、ポップス、ジャズなど、広いジャンルで活動を続けている。2016年からは、ロス・インディオスの10代目女性ボーカルに起用され、Reinaとしても活躍。5周年感謝の集いとなるコンサートは、焼肉の叙々苑グループでも最高峰の游玄亭。焼肉の豪華ディナーの後に、奈月れいを近くで感じられるコンサートという贅沢な構成だ。

1980年のヒット曲「パープルタウン」(八神純子)の歌い出しとともに奈月が入場し、大きな拍手に迎えられる。ファンと握手をしながら歌って客席をまわり、ステージへ上がった奈月。「皆様、こんばんは!」と笑顔で挨拶をすると、「こんばんは!!」とファンからの大きな返事。「1曲目から、皆様盛り上がっていただいて、嬉しい限りでございます。本日は、叙々苑 游玄亭の協賛、後援というかたちで、すばらしい会場で歌わせていただくことができます。今年は私、デビュー5周年ということで、5周年をこちらの場所でスタートさせていただきたいと思います。本日は皆様に喜んでいただけるよう、精一杯歌わせていただきます」と語ると、“なっちゃーん!” “れいちゃん!” “よっ!”と方々から声が上がる。ここで、バンドメンバーが紹介された。サックスの黒田一義、井出崎優、ギターの河野彰という実力派揃い。

2曲目は奈月のオリジナル曲から「美山川」。1曲目とはうって変わった演歌調の歌を圧巻の歌唱力で歌いこなし、実力の高さを感じさせた。初チャレンジ曲では、昭和の名曲から「想いで迷子」(チョー・ヨンピル)、会場が新宿ということにちなみ、「新宿の女」(藤圭子)を客席をまわりながら披露。見事な表現力で、歌い終わってから、奈月が「こんなにも盛り上がっていただけるとは思いませんでした」と言うほど、会場は熱気につつまれた。奈月のステージのモットーは、「なるべく多くの方のそばに寄らせていただいて、近くで歌わせていただき、コンタクトを取ること」と奈月。ファンには嬉しいスタイルである。
続いて、“胸がキュンキュンする曲”として、「四つのお願い」(ちあきなおみ)、「まちぶせ」(三木聖子)、「木綿のハンカチーフ」(太田裕美)を歌唱。懐かしい歌の連続に、立ち上がって踊り出すファンも現れた。奈月によると、いつもコンサート中に踊る常連の男性なのだそう。その男性に、まわりのファン達も拍手を贈るというアットホームな雰囲気も心地良い。

ここで、ロス・インディオスの初代女性ボーカルだったシルヴィアが2007年に発表した「東京の男が好きなんか」をカバー。切ない男心を歌った名曲でありながら、あまり世の中には知られていないこの曲。奈月の感情のこもった歌いぶりや、美しいロングトーンにも惹きつけられる。奈月が「5周年記念にカバーして、発売できたらいいなと思っています」と言うと大きな拍手が起こるほど、奈月にも合っている曲である。

続いては、ゲストコーナーでグレート義太夫がギターを抱えて登場。過去のたけし軍団での活動を振り返り、「デビューして36年、待っていたのは悪夢でした」、「やっぱりタレントは爆破されないと」という衝撃発言。その後は、「石狩挽歌」(北原ミレイ)、「京都慕情」(渚ゆう子)、「コーヒールンバ」(西田佐知子)をアレンジした歌謡漫談で、観客達の笑いを誘った。
奈月れい、グレート義太夫
後半は、妖艶な黒いドレスに着替えた奈月が、「sweet memories」(松田聖子)を披露。歌い終えてからのトークでは、三井住友銀行で働いていた頃やデビュー時を振り返り、がんで亡くなった母への思いを語る奈月。途中で涙ぐむ場面もあり、ファン達の目にも涙が。「母に色々できなかった分、歌を通じて、皆様に元気になっていただきたい。そして少しでも勇気や希望を持っていただきたい。そういう気持ちを込めて歌わせていただいています。これからも一歩ずつ歩んでいきたいと思います」と奈月。「亡くなった母に向け、私自身が作詞をさせていただきました」と、デビュー曲「母の日に」を魂のこもった声で披露。2019年にパラリンピック、パラバレーボールの公式サポートシンガーとなった奈月。公式サポートソングには、奈月が2016年に発売した「明日へ」が選ばれたことも発表された。その「明日へ」を、コンサートの最後に選曲。「♪一歩だけ一歩だけ」というフレーズで、人差し指を左右に振る振付を、観客達も歌に乗って踊り、会場は一体感に包まれた。アンコールでは、グレート義太夫もステージに上がり、「LOVE IS ALL~愛を聴かせて~」(杏里)を、熱いムードの中で歌い上げ、終演となった。

2020年は11月29日(いい肉の日)に、この日と同じ、叙々苑 游玄亭でのコンサートを開催予定。

取材・文:仲村 瞳

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