お風呂シーンの稽古はハプニングだら
け!? 舞台『KING OF PRISM -Shin
y Rose Stars-』開幕レポート

今ではすっかりおなじみとなった「応援上映」。映画館でスクリーンに映る映像にあわせて声援を送ったり、ペンライトを振りながらライブさながらに鑑賞するという、映像鑑賞スタイルだ。アニメのみならず実写映画などあらゆる分野に広がりを見せている。
その先駆けで社会現象をも巻き起こしたアニメ作品「KING OF PRISM」(通称:キンプリ)の面白さはそのままに、さらに生のお芝居として舞台化した舞台『キンプリ』は2018年11月の初演(舞台『KING OF PRISM -Over the Sunshine!-』)から2年の月日を経て、ついに新作公演がスタート。
今回の作品は、アニメ「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」で展開された「PRISM.1(プリズムワン)」を描き、さらに、オリジナル曲満載でオリジナルストーリーも挿入される。

舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより

舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
舞台『キンプリ』の魅力、“応援上演”とは
舞台『キンプリ』の面白さは、ありすぎて簡単に記すことが難しい。まず外せないのは応援上演という観劇スタイルについて。観客はサイリウム・ペンライトやうちわの応援グッズを持ち込んで、LIVEに声援という形で参加できる。舞台両脇にあるライトが点灯している間はペンライトを点灯させたり、声を出して応援をして良いとされている。(※応援グッズの持ち込みに関しての詳細は公式サイトを参照し、既定のものを使用すること)ファンを笑顔にするのがプリズムスタァであり、そんな彼らを笑顔にするのが観客の役目だ。それぞれのイメージカラーのライトを灯し、LIVEシーンではめいっぱい応援ができる。そのほかうちわで推しを主張したり、拍手を送ったり、アフレコシーンがあったり、『キンプリ』おなじみの応援上演スタイルは初演から変わることなく堪能することができる。
そのほかにもLIVEパートでは、プロジェクションマッピングを利用して、プリズムジャンプの疾走感や精神性を表現していたり、映像面ではアニメとリンクしていることが多く、より一層没入感を味わえる。
太刀花ユキノジョウ/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロよりゲネプロより
西園寺レオ/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
香賀美タイガ/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
十王院カケル/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
鷹梁ミナト/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
涼野ユウ/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
今回はアニメにないオリジナルストーリーが展開される。劇場版アニメで描かれたプリズムキングカップの後、「KIDUNA climax」というストリートデュオ大会が開催されるということになった。普段はエーデルローズやシュワルツローズというスクールに分かれているが、今回はそのスクールの垣根を超えて二人組で出場できるというもの。どの組み合わせで、どんな演目を披露することになるのか。因縁の組み合わせからいつもの組み合わせまで。そこで交わされる会話(セリフ)やプリズムショーの内容は見てのお楽しみに。
一条シン(左)・如月ルヰ(右)/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
大和アレクサンダー(左)・仁科カヅキ(右)/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
キャストの引き締まった身体がまぶしい“お風呂シーン”
今回新たに加わったキャストは3名(キャスト変更含む)。不思議な雰囲気をまとう如月ルヰ(横田龍儀)は一条シン(橋本祥平)とともに物語のカギを握る人物。
小林竜之は実際にアニメでも池袋エィスの声を担当している。鷹梁ミナト役の五十嵐雅も同様に、舞台とアニメの架け橋を担っている。シュワルツローズ所属のエィスは高田馬場ジョージ(古谷大和)との関係性も見逃せない。
もうひとり新キャストとして黒川冷(及川洸)という人物がいる。今回の物語の本流にはあまり関係がないが、彼は氷室聖(栗田学武)や法月仁(前内孝文)と関連がある人物だ。
高田馬場ジョージ/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
池袋エィス/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
黒川冷/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
田中会長(左)・氷室聖(右)/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
初演でも大好評だったみどころのひとつ、お風呂シーンは今回も限界までチャレンジしており、さらにパワーアップしている。エーデルローズの日常を見ることができてほっとするひとコマでもあるが、鍛えて引き締まった身体に思わずドキドキしてしまう場面でもある。まさにサービスシーンだ。
お風呂シーン/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
参加する楽しさを味わえるLIVEパートや、感情を揺さぶられるお芝居パートなど全方位に「キンプリ」の魅力がぎゅっと詰まった、盛りだくさんな内容になっている。できればハンカチを用意して感動のラストシーンを見届けたい。

舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより

舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
稽古場ではハプニングだらけ! 愛が溢れる囲み会見

ーー2年ぶりの舞台化第2弾の本作ですが、改めて役を演じて楽しかったことや難しかったこと。舞台で注目してほしいことは?
一条シン役 橋本祥平:
僕たちキャスト・スタッフさん一同、今日という日を本当に心より待ちわびておりました。去年の10月のライブが天候の影響で中止になってしまい、その分のエネルギーが今回に集まってきているのではないかと思っております。2年前に一条シンくんを演じさせていただいたときはどんな感じだったっけと考えました。この2年間にいろんな作品と触れ合う中で自分なりに成長したと思っているんですが、それがある意味フレッシュ感とかそういうものを失っているんじゃないかなと。改めて見つめ直すのが難しかったです。今回はお芝居パートはもちろんですが、ライブパートが盛りだくさんです。今発表されているのは「ストリートデュオ大会」と「PRISM.1」の2つございます。精一杯みなさんと一緒に楽しめたらと思います。
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
如月ルヰ役 横田龍儀:
僕は今回から初めて参加させていただきます。最初このお話をいただいたときはすごくプレッシャーが強かったです。まず声が高い蒼井翔太さんが声優をやっているということで、僕は地声がすごく低いので大丈夫かなという不安がありました。役もなかなか難しい役だったので不安に思ったのですが、この素敵なカンパニーが新しく入った僕もすぐに受け入れてくれて……。(突如その場でスキップをする横井さんを横目で見ながら)舞台中にこのスキップを僕はします。こういう風にすごく温かいメンバーが支えてくれて、今日を迎えられました。今となっては初日を迎えるのがすごく楽しみです。それと応援上演というのを僕は初めて経験します。すごく面白い観客の方がいると聞いているので笑ってしまわないかがすごく心配ですね。芝居に集中しつつ、その場を楽しみながらやれるように頑張っていきたいです。

舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より

太刀花ユキノジョウ役 横井翔二郎:
2年ぶりのこの作品、キャスト一同本当に心より待ちわびておりました。お客様と一緒に映画館でやった応援上映から始まり、ライブを経て、今日に至ります。稽古が始まる前にまず最初にビジュアル撮影をしたのですが、約2年半この作品を愛しているだけあって、ただの立ち絵でも各々のキャラクターのことを心から理解して愛しているんだなっていうことがわかったのが、僕はすごく嬉しかったです。このように久しぶりに集まっても変わらない絆と、新しいキャスト、そして公演は盛りだくさんのショーということで。そんな僕らが紡ぐ日常、そして心の飛躍をお客様と一緒に完成させられたらなと思います。
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
香賀美タイガ役 長江崚行
ライブなどのイベントに出演させていただく機会はあったのですが、本編の続編は2年ぶりです。その間にみんながいろんな現場に行っていろんなことを学んで吸収して帰ってきたことで、舞台上の余裕などが生まれており、この2年の間にみんな成長したんだなと肌で実感しました。今回から新キャストの方もいます。映画も公開中ですし、「キンプリ」という作品がアニメも映画もそして舞台も、それぞれがひとつの方向に進んでいることが本当にうれしいなと思います。作品の一端を担う舞台キャストとして、精一杯作品のパワーをみなさんに伝えられるように最後まで頑張ります。
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
十王院カケル役 村上喜紀:
やっぱりライブとかイベントで集まることもあったのですが、お芝居を作り上げるという作業は心からとても楽しくて。先輩後輩関係なく、仲間として向き合ってくれるこの座組が本当に大好きです。初演からの2年間に各々たくさん経験させていただいており、魂をこの劇場に持って帰ってきたんですが、お客様もこの2年間ですごく熱を上げていてたまったエネルギーを持ってきてくださっていると思っています。その圧倒的なエネルギーに負けないように、さらにそれを受けて昇華させて、プリズムのきらめきをたくさんのお客様に届けていけたら光栄です。最後まで応援していただけたら嬉しいです。頑張って翔びたいと思います。
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
鷹梁ミナト役 五十嵐雅:
(記者に向けて)みなさん朝早いですが、朝ごはん食べましたか?(キャストの)みんなはこうして畏まってますが、本当にもう……!
長江:(続きは)何もないんかよ!
五十嵐:……っていう(ツッコミをしあえる)仲なんです。顔合わせで久しぶりに会ったのに、すぐに昔の時間に戻るんです。それだけきらめきの共通点が多くて、すぐに繋がりあえる仲間です。それが僕の財産です。見どころは半端ないです!! 劇場版アニメの「プリズムショーベストテン」でしたっけ?(※「KING OF PRISM ALL STARS -プリズムショー☆ベストテン-」のこと)
鷹野:出てますよね!? 声優さんもされてますよね!
五十嵐:劇場版もですが、本当に「キンプリ」はプリズムショーが見どころです。今回の舞台も盛りだくさんで、リアルにプリズムショーのライブを体感できます。そして応援上映だとスクリーンを通してとなりますが、生のライブ感、つながる感覚っていうのはこの舞台ならではなんです。きらめきをたくさん補充しに来てください。僕は4年間この作品に携わらせていただいているので、その時間も含めてやっぱり最高の時間です。舞台『キンプリ』ならではのライブ感をプリズムショーとして体感していただきたいというのを強く推させていただきます。
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
西園寺レオ役 星元裕月:
今回は新しくなるもの、逆に受け継がれているもの、みんなが持ってきたものだったり、全員で作っている感覚を稽古場で感じることがすごく多かったです。もちろんどの作品でも座組一丸となって作っていますが、この座組は「一体感」がすごく強くて。キャストの作品への愛、同時にキャスト同士への愛があります。それとスタッフさんの力ってすごく偉大だなと感じました。舞台上の全てが一丸となって、プリズムのきらめきを作ろうとしている姿勢が強く出ています。それって当たり前のようで当たり前ではありません。そのことへの感謝をとても思いました。改めて私が尊敬できるキャストのみなさんのもとで、レオを演じられていることが本当に幸せです。きっと今回も素敵なプリズムのきらめきが舞台上に旋風を起こすと思います。お客様にはとにかく両手を広げて、心を広げてそれらを受け取っていただけるように我々一丸となって頑張っていきたいと思っています。
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
涼野ユウ役 廣野涼大:
本当にキャスト一同楽しみにしていました。キンプリにおいては好きを通り越して、“愛”に変わっています。2年前も愛はありましたが、僕らなりの真っ直ぐでがむしゃらな伝え方だけでした。今回はキャスト自身の成長もあり、愛の伝え方はすごく様々になってますが、その方向は間違っていない。とても素敵な方向に向いていると稽古中や場当たりでも感じました。本番でもお客様の力も相まってすごいものができるという実感を持ちながら今日まで走ってきました。まずお客様の前でこれを見せられるのがすごく楽しみです。僕らキャラクターからすると、すごく成長したんです。今回のエーデルローズ7人は、こんな良い衣装で、そしてセプテントリオンとして……うーん、愛が溢れすぎてちょっと伝えきれません! 僕たちの愛をみなさんも全力でハグしに来てください!
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
脚本・青葉譲:
2年前の舞台の時に、僕のことを「青葉さん、青葉さん」ってすごくチヤホヤしてくれたんです。その時にこの子たちのためにもう一回書かなきゃなってずっと思っていました。みんなすごくやりたかっただろうし、悔しい思いもしていたんだと思います。その間に顔を合わせたメンバーもいるんですが、その時からやりたいっていうことがすごく伝わってきていました。ようやくこうして舞台を書くチャンスがありました。このお話をいただいたときはすごく忙しかったんですが、でもあの時のチヤホヤされた感じが忘れられなくてですね……。またチヤホヤされたいと思って書いちゃいました!
一同:(笑)
青葉:チヤホヤ大事(笑)。今回のシナリオは自由度の高いものを書きました。特に「デュオ大会」については完全にオリジナルです。自由度が高いということは僕とキャストたちの戦いでもあります。どんな戦いを見せてくれるかなと思っていたんですが、通し稽古を見た感じだと僕は完全に負けるくらい、みなさん素晴らしくて面白くて。もう僕の手元にはなく、キャストのみんなに物語が移っています。あとはこれからはお客様との戦いになると思うので、舞台で存分に戦ってもらいたいなと思います。みどころは全部です!
脚本・青葉譲/舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
ーーお風呂シーンについて教えてください。前回と比べて何%増しですか?
橋本:初演の時に橋本祥平の役者魂を見せて、ほぼマッ裸になるっていう現象があったんですが、その姿を見てみんな火がついてしまったようで、正直稽古場ではハプニングだらけでした! いろいろ計算して調節してみなさんに見ていただける状態に持ってきています。逆にみんな脱ぎたがりの集まりになってましたね!(笑)
廣野:リハーサルの段階からすごかったもんね! 仕込みとかね!
青葉:シナリオを発注されるときに、お風呂は入れてください! って言われて。そこか! って思いました(笑)!
橋本:何パーセント……! う~ん、80%増しですかね!
横井:残り20%はお客さんで、合計100%かな!
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
ーー青葉さんに質問です。オリジナルはTVアニメのシナリオが出来上がった後にこの台本をお書きになったんでしょうか。
青葉:「デュオ大会」については、アプリと連動していてそれの監修をしています。アニメのシナリオを作っている時期と被っていて、ほぼ同時に作っていたので原案みたいなものはなんとなく思い描いていたものがありました。TVが終わった後にそれを今回シナリオにしたという感じです。
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』ゲネプロより
僕たちは誓う! 観に来てくれた人を絶対笑顔にすることを!!
会見が終わって、キャストたちの前に運び込まれたのはなんと巨大なくす玉。カウントダウンの後、橋本と青葉がひもを引いて勢いよくくす玉が割られた。
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
「僕たちは誓う! 観に来てくれた人を絶対笑顔にすることを!!」
登壇の9名が声を揃えて、記者の前でくす玉に書かれたセリフを宣誓。この宣言は「PRISM.1」のストーリー中にあるセリフにも沿っているもの。キャストとスタッフの作品への深い愛と観客に楽しい舞台を届けるという自信と意気込みを感じた記者会見とくす玉割りイベントであった。
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』会見より
「キンプリ」は東京・水道橋のTDCホールにて2020年3月1日(日)まで公演。プリズムのきらめきは深く頭で考えずに全身で浴びるものであるという。ペンライトを持って参加するのが望ましい。
発売元:エイベックス・ピクチャーズ
(c)T-ARTS/syn Sophia/エイベックス・ピクチャーズ/タツノコプロ/舞台「KING OF PRISM-Shiny Rose Stars-」製作委員会2020
取材・文・撮影=松本裕美

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