millennium parade新たな世界へ連れ
出すバンド
東京のカオスをモチーフに、多様性を受
け入れるmillennium paradeの実験的サ
ウンド
millennium paradeはKing Gnuの常田 大希が始動させたソロプロジェクトで、形式としてはバンドですがボーカルを含む参加アーティストは固定されておらず流動的です。
MVやライブでの3Dヴィジュアルなどの演出を手掛けるのは常田自身も所属しているクリエイティヴ・チームPERIMETRON。他にはKing GnuやTempalayのMV、ファッションブランドのコレクションムービーなどにも携わっているチームです。
2019年5月に恵比寿LIQUIDROOMにて行われたキックオフライブ「“millennium parade” Launch Party !!!」、その後12月になんばHatch、新木場STUDIO COASTで行われたワンマンライブでは3Dメガネを導入した映像演出、サラウンドを駆使した音響演出でファンを圧倒させました。
元々はDaiki Tsuneta Millennium Paradeとして活動しオリジナルアルバム「http://」をリリースしていましたが、Millennium Paradeに改名。現在リリースされている音源は4曲です。
まだ音源化されていませんが、ライブでは披露されていた曲「Fly with me」は2020年4月からNETFLIXで配信されるSFアクション『攻殻機動隊SAC_2045』のオープニングテーマに決定しました。現在ライブのアナウンスはありませんが、チケットは即ソールドアウトするのではないかと予想されます。
millennium paradeが掲げているテーマは「世界から見た東京の音」。
常田は自分の音楽性を多種多様なカルチャーやジャンルをミックスして、新しいものを提示するスタイルだと分析しており、それは東京的なスタイルでもあるとコメントしています。
老若男女問わない様々な人がいて、老舗もポップアップストアもあり、白にも黒にもなりきらず混沌としている無秩序な東京、その中の1人の人間が持つ多面性にフォーカスすることを一つの武器にしているバンドです。
常田は東京には多様性を認めているようで、認めていない歪んだ感触があると自身の感じている違和感を踏まえて、どんな人間も肯定したいと話していました。
Daiki Tsuneta Millennium Paradeとして活動を始めた当初から百鬼夜行をコンセプトにし、いろんな生き物がバラバラなままパレードしてるイメージで、その頃から多少変化を遂げましたが、根本には多様性に対して寛容でありたいという一貫した想いがあります。
veil
真っ白な部屋、白い人形の上で機械的な人形が歌う姿だけが映されたMVです。クールで整ったサウンドからは、人間の感触を匂わせない無機質な印象を感じ、”今の所この愛のシステムが分からない”(和訳)と歌う様子からはAI的な冷然さが伝わってきます。作詞と歌唱を担当しているのはblack boboiのメンバーでもあるermhoi。
ジャケットに写っている人のようなものは良く見るとプランクトンの集合体に見えます。
MV中の人形とは異なる姿をしており、もしかするとMVに写る人形はAIではなく、知能を持ったプランクトンという考え方も出来るのかもしれませんね。
Plankton
プランクトンは食物連鎖の最下層であるため、他の動物の餌という貴重な役割も担っています。自分の命を顧みず、他の生物の命の炎を繋いでいくMVに慈愛を痛感します。
stay!!!
“あなたが動物たちを自由にしたから、動物たちはもういなくなっちゃった”(和訳)の一節があるように、veilから続いている物語はMVのテイストが変わっても、きちんと繋がっているのだと気付かされます。veilに似たドラムパターンが鳴っている点にも、ストーリーの関連性を匂わせます。
millennium parade新たな世界へ連れ出すバンドはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
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ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。