舞台『バレンタイン・ブルー』 しゅ
はまはるみが初舞台の福田愛依との対
談でアドバイス「怒られたら、ごめん
ねって言っておけば大丈夫。それが若
さの特権」

2020年2月18日(火)から開幕する舞台『バレンタイン・ブルー』。小規模な作品ながら大ヒットとなった映画『カメラを止めるな!』で注目を集めたベテラン俳優しゅはまはるみと、初舞台となる若手俳優福田愛依が出演するが、今回「ベテラン✕新人」をテーマにお二人に話を伺うことができた。
ーーしゅはまさんといえば、やはり印象強いのが『カメラを止めるな!』。コミカルな役どころが印象的でしたが、今回はどんな役を演じるのでしょうか?
しゅはま:今回は娘を持つ母親であると同時にカフェバーの店主でもあるという役を演じます。このカフェは、町の人たちがたくさん集まる場所。なので、町の人たち、登場人物たち全体の母親のようでもあるキャラクターとなっています。今回は私と夫役の西ノ園達大さん以外、ほぼみんなアンダー30なので、役の上でも俳優としても、みんなを自分の娘や息子のように見守って接しています(笑)。
ーーなるほど。その全体を見守るという点で意識的に取り組んでいることや、難しく感じる部分などはありますか?
しゅはま:みんなの母親的な役割ということで、地声の大きい人という解釈で取り組んでいますが、とにかく元気いっぱいなキャラクターなんです。ですが、私としては十分に大きい声で取り組んでいるつもりなのに、声の大きい俳優が何人もいるので、もっとでかい声を出すように注意されることがありますね。みんな声がでかいんですよ。おかげでもっと大きい声を出さないと「地声が大きい人」にならないんです(笑)。
ーーみなさん声が大きいのですね。一方、今回が初舞台となる福田さんですが、昨年は映画やドラマなどで高校生役からキャバ嬢役までさまざまな役柄に挑戦したのではないかと思います。今回はどんな役を演じるのでしょうか?
福田:今回は高校ダンス部員の役で、何かと踊ったりする明るいキャラクターです。先輩と後輩の間をつなぐような立場で、先輩には落ち着いてくださいと誘導しつつ、後輩には眼力で押さえつけるような感じなので、表情の変化の勉強をしなければいけないなと思っています。あとは高校生らしさも大事にしています。
ーー福田さんの初々しさも見どころだと思いますが、しゅはまさんと福田さん、お互いをご覧になっての印象を伺えますか?
しゅはま:ちょうど昨日の稽古が(福田)愛依ちゃんのダンスシーンだったんですけど、まだ振り付けは決まっていない段階で、ダンス部役の3人各々がとりあえず踊っている体でラフに動いていたんです。ですが、愛依ちゃんはさすが元チア部。足がきちんと上がっていましたね。ただ足踏みしているだけなのに、後ろに向けての足の蹴りが全然違う(笑)。
福田:雰囲気を作るために動いたらそうなっていたみたいですね(笑)。
しゅはま:愛依ちゃんはとにかく元気があって、物怖じしなくて、ぶつかっていく感じがすごく良いなと思いました。私は若いとき、頭でごちゃごちゃ考えちゃって、やりたいと思ってもすぐに飛び込んでいけないタイプだったので。これからも考えずにどんどん体当たりでやっていくと良いと思います。考えないでやって怒られたら、ごめんねって言っておけば大丈夫。若さの特権ですよ。
福田:(笑)。私は、こうやって間近でしゅはまさんの演技を見られる機会をいただけて、とても勉強になっています。先ほど自分には表情の勉強が必要だと話しましたが、しゅはまさんの表情の変化は本当に繊細で、特に物語のラストに向かうとても素敵なシーンがあるんですけど、稽古のたびに心からジーンと感動しちゃって、本番を見ているような感じになります。演出の堤さんが指示を出すと、それに呼応してすぐに別のお芝居に変えられる姿も尊敬しかありません。しゅはまさんの初舞台は19歳で堤さん演出ということですけど、私も今回19歳で堤さん演出の作品で初舞台になるので、いつかまたしゅはまさんのようにご一緒できるように頑張らないとな、と思います。
しゅはま:45歳になったらまた堤さん演出作品に出演してね(笑)。
ーー最後に、『バレンタイン・ブルー』の見どころについて教えてください!
しゅはま:私も含め、出演しているみんなが、無名とまではいかないけど、なかなか「ああ、あの人だね」と言われるほどにはなれていないのかな、と思うところもあるんです。でも、稽古を通して出演者それぞれを見ていると、俳優としてすごく素晴らしいメンバーが集まっているので、出演者で選ぶのではなく、作品そのものを観にきてほしいなと思います。素敵な内容ですし、俳優陣は向上心があって毎日新しいことにチャレンジして、稽古場の中がどんどん進化していっていますしね。観てもらえれば、絶対に「もう一回観たい」と思えるような舞台になっています。
福田:私は初舞台で全然わからないことだらけなのに、毎回稽古を観ていて面白いし、毎日進化していくのが楽しくて、作品やスタッフ、キャストへの愛もどんどん増えていっています。みんながより良いものを作ろうと団結している雰囲気が本当に素晴らしくて。その成果を18日からの本番でお届けできればと思っています。

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

新着