色々な場所やシチュエーション、柔軟なアレンジで歌えるのが弾き語りカバー系YouTuberの強み。

しかしその裏で1本のOKテイクを撮るまでに、どれだけの練習を重ねたのか・・・?そんなことにも思いを馳せながら聴いてみましょう。
音楽系YouTuberの代表格「Goose House」
Goose Houseは元々、複数のシンガーソングライターがシェアハウスで共同制作を行ってネット配信するというプロジェクトから始まったグループ。
メンバーは流動的ですが全員が作詞作曲でき、さらにソロで弾き語りライブができる力量の持ち主。歌好きが集まったプロジェクトらしくカバー曲の動画も豊富で、その数は年間約60曲に及びます。
アレンジもなかなか凝っていますが、原曲の良さとメンバーの個性をどう生かすかという点を考えているのかが伝わる良カバー揃いです。
星野源「SUN」
2015年発表の「SUN」は、星野源の実質上のブレイク曲とも言えるポジティブで明るい曲。カバーとしては(当時の)メンバーが全員参加しているので聴き応えバッチリ。2015年のGoose Houseファン投票1位のカバー曲でもあります。
正体不明の手元だけ音楽系Youtuber「粉ミルク」
粉ミルクはとにかく本人情報が少ない歌い手です。チャンネル登録者数100万超えにもかかわらず、公式ホームページもブログもなし、TwitterやInstagramにも自分の写真は載せていません。肝心の動画も手元のみのワンショット。
スタイルは基本的にギター1本での弾き語り+曲によっては多重録音で、back numberRADWIMPSの曲を多数カバーしています。ロックな原曲も軽快に歌いきる歌とギターの力量は素晴らしいの一言です。
back number「高嶺の花子さん」
手が届かないと分かっていながら片思いを止められない、そんな男子の心を描くback numberの代表曲のひとつ。動画の背景もグリーン系の光に彩られているせいか、「夏!」感が弾けるカバーに仕上がっています。
広島発美声弾き語りYouTuber「KEISUKE」
2019年9月にYouTubeチャンネルを開設したばかりの新進YouTuber、KEISUKE。
広島を中心に活動しており、2019年5月には1stミニアルバムをリリースするなど活躍中。有名アーティストのライブでオープニングアクトを務めたりもしています。
多重録音の動画もありますが基本的にギター1本の弾き語りスタイルで、ウィスパー感のある地声と伸びのあるファルセットを自在に行き来する歌い方が魅力。動画の数や再生数は現時点ではInstagramの方が多いのですが、これからYoutbe上への投稿も期待できそうです。
「2019年HITメドレー」
再生数的にはまだ1000PVそこらなのですが、おそらく今後彼の実力が知れ渡るきっかけになるであろうカバーメドレーです。Pretenderにまちがいさがし、マリーゴールドなど2019年必ずどこかで耳にした曲があるはず。
心震わすハスキーボイス「小林柊矢」
現時点(2020年2月)でYouTubeへの動画投稿をはじめて1年となる小林柊矢は何と19歳のシンガーソングライター。つまり一番最初の動画をアップした時点では高校生だったわけです。
しかもその最初の動画がオリジナル曲でありながら今や50万PVを越えているというのですから、その才能の大きさがうかがい知れます。
そして歌声を聴いた人誰もが思うであろう「才能」のひとつは、その若さから想像がつかないハスキーボイス。けして耳障りではないかすれ具合とザラついた感触が、感情を乗せて張り上げるようなメロディーの曲に合っていて思わず聴き込んでしまいます。
wacci「別の人の彼女になったよ」
wacci結成以降初めて女性目線で詞を書いたという、2018年リリースのシングル。引きずった感情が渦巻くような楽曲の盛り上がりに、彼の声が驚異的にマッチしています。テクニック等を超越した末恐ろしいカバー。
謎多き実力派女性3人組ユニット「PLAY JAM」
華々しくメジャーの舞台へ駆け上がったYoutuberがいる一方で、新人Youtuberもまた日々生まれ続けています。まだ有名ではなくても、実力十分なカバーに出会えるとうれしいですよね。
今回紹介するPLAY JAMは、音楽教室がプロデュースする女性3人のユニットです。なぜか被り物をしているのでとても目を惹きます。
そんなサムネイル画像を見てネタか何かと思って再生すると、まず驚かされるのがそのコーラスワーク。どの曲にも凝ったハモリを入れ、そして一人ひとりの歌唱力がそれを支えていることが分かります。上げている動画はまだ多くはありませんが、これからも素晴らしいカバーを発表してくれるであろう注目の新人Youtuberです。
中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」
80年代アイドルの代名詞として君臨した中森明菜の代表曲のひとつ。ちなみに楽曲は井上陽水によるもの。伴奏はギター一本の弾き語りスタイルですがイントロからサビに至るまで巧みなコーラスワークを聴かせてくれます。
血を分け合った声が響きあう。若き兄弟ユニット「鈴木鈴木」
「鈴木鈴木」は兄・鈴木十夢(とむ)と弟・聖七(せいな)による兄弟ユニットです。このユニット名は、TV番組に出演した際、中居正弘さんによって命名されたとのこと。
YouTubeにチャンネルを開設したのは2016年11月で、以降SNSを中心に活動を続けています。
この鈴木兄弟、兄と弟それぞれが楽器も弾けて歌も上手。やはり見所は2人でつむぎだすコーラスワークでしょう。ふんだんにハモリを取り入れたアレンジが不思議なほど自然に、そして楽しそうに耳に入ってきます。
Saucy Dog「いつか」
躍進中の3ピースバンド、Saucy Dogによる2016年リリースの1曲。彼女との時間を手放してしまった男性の心境を歌っているのですが、鈴木兄弟のかなり「入り込んだ」歌声が聴きどころ。
745日連続弾き語り動画投稿を達成「宮崎菜穂子」
路上シンガーソングライターの宮崎奈穂子は、これまで路上で歌い続けて8万枚以上もCDを手売りし、ついには武道館で単独ライブを行ったというライブ中心のアーティスト。
Youtubeの「745チャンネル」では、745曲を目標に1日1曲ピアノ弾き語り動画をアップしています。カバーのジャンルも多彩なので、どんな方でも知っている曲が1曲は見つかるはず。
優しげな表情でのパフォーマンスと歌声の柔らかさが特徴的で、路上で歌い続けてきた努力に裏打ちされた安定感があります。
荒井由美「やさしさに包まれたなら」
1974年発表のユーミン3枚目のシングル。「魔女の宅急便」エンディング曲としても有名です。ピアノ弾き語りというスタイルと彼女の柔らかい歌い方にマッチしたカバーになっています。
小さな体に力溢れる歌声。ストリート出身の叩き上げシンガー「森恵」
既にメジャーデビュー済みの森恵は、2005年に地元で路上弾き語りを始めてメジャーデビューにまでたどり着いた叩き上げと呼ぶに相応しいシンガー。
彼女の動画を初めて見ると「あれ?ギターが大きい?」と驚くかもしれません。小柄なためにそう見えるのですが、歌い始めるとその体格からは想像つかないパワフルな声量と豊かな表現力に驚くでしょう。
さすがストリート出身の実力派なだけあって、ギターストロークひとつ取っても音の粒に貫禄があります。ハイトーンだけでなく、低い音域でも芯の通った歌声にも注目です。
BUMP OF CHICKEN「天体観測」
リリースから20年近く経ってもなおバンプの代表曲であり続ける日本のロックアンセム。疾走感溢れるバンドサウンドをギター1本で見事に置き換え、ボーカルの安定感もあって力強いカバーに仕上がっています。
何と現役女子高生。若きJ-POPカバーの女王「凛(こもれびちゃんねる)」
ハンドルネーム「凜(茜雫凜)」のYouTubeチャンネルである「こもれびちゃんねる」は2017年9月に開設されたものですが、この開設時点で彼女はなんと高校1年生。
こもれびちゃんねるはJ-POPのカバーを中心にしていますが、動画を見るとどの曲もほぼ10万PV超え。多いものは400万PVを超えています。
これは選曲のよさや丁寧な動画の作りもありますし、なにより弾き語りの実力、さらに言えばその声の力によるもの。憂いを帯びた、でも少し几帳面な歌声が特にバラード曲に良く映えます。
back number「瞬き」
2017年リリースの人気曲。確信に満ちた歌詞で大切な人への想いをつづり、映画の主題歌にもなりました。そんな曲を強く歌いきる彼女は10代と思えない表現力の持ち主です。
飾らない。マイペース。素朴な歌声「鈴木亨」
鈴木亨は2010年からYouTubeに動画投稿を続けています。YouTuberという概念ができるだいぶ前から活動されていたわけですね。
ご本人のチャンネルの説明では「気の向くままに動画をUPしています」とのことで、自分のペースを崩さずにカバー、オリジナル、ライブ映像などを投稿されています。動画自体も狙った印象がなく、実際にTwitterなどでも動画配信の宣伝などはあまりされてないようでした。
しかしそれでも見る人は見るのがYouTube。動画も声も飾り立てない所にオーラがあって、そこに惹かれる人が多いのでしょう。秦基博やスキマスイッチ、平井堅のカバー曲が多めです。
平井堅「魔法って言っていいかな?」
2016年リリース、平井堅得意のスローテンポのバラード。アパートの一室で何の作為もなく一発撮りした動画だと思われますが、なぜこんなに?と思うほどギターも声も沁みいるものがあります。
中性的セクシーボイスを持つ現役大学生「Shun」
Shunは国際教養大学に在籍中の弾き語り系YouTuber。普段は学業にバイトに勤しみつつ色々な曲のカバーをYouTubeへ投稿しています。
投稿動画は多重録音を駆使しているものもありますが、スタイルとしてははギター1本の弾き語りがメイン。中性的な歌声の持ち主であり、ソフトな歌い方とあいまって聴きなれた曲も新鮮に聴かせてくれます。
もちろんギターの腕前もボイスコントロールも見事なもの。投稿動画の中にはぽつぽつと自作の曲もあるので、自身の楽曲でメジャーデビューする日も遠くはないでしょう。
椎名林檎「丸の内サディスティック」
椎名林檎の1stアルバムに収録され、シングルカットされていないにも関わらずファンからもアーティストからも愛される超有名曲。もちろんカバーも多いわけですが、彼の声で聴くと二味くらい違う新鮮さがあります。
初心者とは一体?「大場唯」
大場唯は既に自身のマキシシングル3枚を発表しているシンガーソングライター。YouTubeには2009年から動画をアップしており、チャンネルの説明には「ピアノ独学初心者の弾き語りチャレンジ部屋として・・・」とあります。
ですが、10年前の初投稿の時点でピアノ・歌ともに「初心者とは一体?」と考え込ませるレベル。
低音からファルセットまでヨレなくピシッと決まる歌声が注目ポイント。しかも低めの音域に包容力もあり、幅広い曲を完ぺきにこなしています。
中島美嘉「雪の華」
2003年のリリース以来冬ソングとして定番となった中島美嘉の名バラード。この曲はやはりピアノ。原曲では儚げなボーカルが印象的ですが、大場さんのカバーは歌いだしの温かみが逆に冬を感じさせます。
今時の子供の夢を実現中?中学生弾き語りYouTuber「しんぺいSP」
小学生のなりたい職業アンケートでYouTuberが上位にくる時代ですが、小学生時代から動画投稿を始めて話題を呼んだツワモノがこちら、しんぺいSP。
昨年8月に新しく投稿したOfficail髭男dism「Pretender」のカバー動画はもう少しで200万PVに届こうかという勢いです。
注目すべきはその歌ですが、まだ声変わり前なのか透明感ある歌声を聞かせてくれます。小学生時代の動画は今よりも幼く聞こえるので、短期間での成長を感じられます。
若くして注目を集めた才能がどう伸びていくのか、今後を見守りたいYouTuberの一人ですね。
official髭男dism「Pretender」
紅白でも歌われ、「ヒゲダン」の名を世間に知らしめた超ヒット曲。この曲もまたカバー動画数は無数にありますが、単なる「巧さ」ではなく演奏と歌に対する真摯さという点で推したいカバーです。
前人未踏の1000曲投稿を達成「吉田拓矢
吉田拓矢は2011年10月にYouTubeで自身のチャンネルを開設したプロミュージシャン。
シンガーソングライターとしてまた自身のバンドを率いてのライブ活動が本領発揮の場と言える彼ですが、2012年から1000曲を目標に動画を投稿し、1年半で完走しました。
カバー曲はなんともバラエティ豊か。しかもそれらの曲を自分のスタイルで表現するその技量は経験に裏打ちされたものでしょう。1000曲チャレンジ終了後もいろいろな曲をカバーされています。
エレファントカシマシ「今宵の月のように」
ボーカル・宮本浩次の声と詩、そして曲が手を取り合ったエレカシの定番曲。1000曲全部を拝見したわけではないですが、ザラッとした手触りの曲のほうが吉田さんはイキイキしている気がします。
実力や個性がはっきりとわかる弾き語り。自分のお気に入りのYouTuberを見つけたらそれぞれのアレンジを楽しんで聴いてみましょう。

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