三阪咲、ワンマンライブ『RAISE YOU
UP!』で示した“未来への決意” 
さらに、次なる全国5大都市ワンマン
ライブツアーを発表!

三阪咲 One Man Live 2020『RAISE YOU UP!』

2020.2.7 東京都・渋谷WWW X
「私は今後も遠くなればなるほど、近くに感じられるアーティストになりたい!!」……これは、この日のライブの最終幕。全曲歌い終え、バンドも去った後、一人ステージに残った三阪咲が我々に贈った言葉だ。
この「遠くなれば」は、今後更なる大きな舞台へと邁進していく気概と誓いを指し、「近くに感じられる」は、例えステージからの距離がどんなに離れようが、一人ひとりの心にダイレクトに歌を伝え、常に身近に感じてもらえる存在として歩んでいく。そんな決意や覚悟、宣誓のように響いた。と同時にその言葉は、彼女が大舞台で歌っている姿へと想いを馳せさせ、そこで歌われる歌の数々は、まるで自分のことを歌っているかのように常に我々に直接届くことを確信させた。
三阪咲が東京と大阪にてワンマンライブを行った。彼女がワンマンを行うのは実に9ヵ月ぶり。共にその際よりも会場は数倍もの広さとキャパへとアップした。とは言え両箇所ともチケットは即完売。会場は立錐の余地がないほどの大盛況だ。
振り返るとこの数ヶ月で彼女にはかなりの飛躍と躍進があった。秋の『第98回全国高校サッカー選手権大会』の地区予選での歌唱を手始めに、同大会の応援歌に「繋げ!」、みんなのアンセムには「We are on your side」が選出され、それらは同大会史上最年少の16歳で現役の高校1年生による初の楽曲起用の快挙へと結びついた。また本大会の準決勝、決勝では満場の埼玉スタジアムで熱唱。約5万7千人を魅了した。間の12月には自身初の全国流通盤EP『Every day, Every night』もリリース。このEPと共に全国モールツアーも敢行し、大成功に収めた。
それらを経ての増々の高期待値の中、行われた今回の東阪のワンマンライブ。カバー曲が中心だった前回に対し、逆にオリジナル曲を中心にシフト。新たなる三阪が堪能できた一夜となった。
三阪咲
場内に入るとステージ背後の今回のライブの巨大なロゴフラッグが我々を歓迎してくれた。そんな中、まずは天の声が登場SEをイントロデュース。牧歌的から鼓舞していく煽り、ドラマティックなイントロの中、白いパーカーのフードをかぶった三阪がステージ中央に現れた。1曲目はトラックをバックに「空梅雨」を歌い始めた彼女。躍動的なトラップミュージックとEDMサウンドに乗り、その上をたゆたう彼女の歌声が伸びやかに響き渡っていく。続いてオートチューンを交えての「ヒラヒラ」では、キャッチャーなフレーズとトロピカル性を交えたポップEDMが会場をバウンスさせていった。
「久々のワンマン。最後まで一緒に楽しんで下さい。今日は、ここまでやってきたことやこれからやっていきたいことをギュっと凝縮してお送りしたい」と三阪。ここからはバックを務めるブルームバンドが呼び込まれ、自身もギターを持ち、カバーメドレーを披露。「シンデレラガール」(King & Prince)を躍動感たっぷりなロックサウンドに乗せて放てば、三阪の歌もさらに伸びやかに力強く広がっていく。対して「サイレントマジョリティー」(欅坂46)ではロートーンの力強い歌声が会場をけん引。ハンドマイクにて歌われた「君はロックを聴かない」(あいみょん)の際にはステージを左右に移動しながら歌唱。アクションも加わり、より歌に感情移入がなされていく。
ここでバンドのメンバーを紹介。シンクマスター・木内友軌、ギター・花井諒、ベース・荻野目諒、ドラム・山本まきと、先のEPを一緒に作ったバンドと共にこの日は贈られた。中盤からはミディアムな曲のゾーンに。ささやかなハッピーさをウェット気味の歌声と包みこむようなコーラスと共に歌った「夢の先へ」が、“憧れでここまでこれたからこれからもこの道をしっかり進んでいく!!”とのさりげない今後へのメッセージが満場へとギフトされた。
三阪咲
三阪の衣装チェンジの間、バンドメンバーによるシングルの制作秘話を経て、虹色のベールをつけたフード付きの白を基調とした衣装で三阪も登場。ここからは事前に会場から募った質問に答えるというコーナーへ。今年の目標を尋ねられると、「留年しないこと!」と学生らしい一面も覗かせ、さらにもう一つ「去年のライブ本数を超えるライブをやります。より大きな会場でやる!」と満場に誓ってくれた。
この日は新曲も2曲用意されており、初お披露目された。失恋して雨に打たれている自身を想像し作ったという、ライブの5日前まで歌詞を悩んだ末書き上げた「When singin' in the rain」をまずは披露。雨の中の失恋を歌いながらもこれをも超えていくからとの力強い歌詞も印象的であった。以降も最後までオリジナル曲にて進行していった。“この先もみなさんの応援歌になれたら”との願いを込めて歌われた「繋げ!」では内包された諦めないとの強い意志と共に、その歌声を力強く伸びやかに満場へと響かせれば、サンプラーパットを持ち込み、交え、アンセム「We are on your side」が会場のクラップと雄々しいコーラス、そして三阪のソウルフルで力強い生命力たっぷりの歌声と共に場内に力を与えるのを見た。
「やっぱりモールとは違う楽しさがライブハウスにはありますね!」と三阪。2020年最初に作った曲として、「何かを始めようとしている人に贈りたい」と、こちらも新曲が。アーシーで大地感が溢れ、ダイナミズムと生命力を寄与してくれそうな、一緒に並走し助力を与えてくれるであろう、実に追い風感と共に2020年の彼女への期待感も溢れるナンバーであった。そして本編ラストは「Say Good Night」。英語詞を交えた同曲が、“おやすみ”と“また明日”の気持ちと安堵感を交えて歌ってくれた。
三阪咲
アンコール。ライブTシャツをアレンジした衣装に着替え、まずはズンズン進んでいくかのようなサウンドに乗り、ロートーンで三阪のカッコ良さが引き出された「Generate」が。そして正真正銘のこの日のラストは「今だけは好きなものを好きでいたい」が飾り、ドライブ感と解放感溢れる同曲がまるで会場をも引き連れるかのように駆け抜けていった。同曲では会場もタオル大旋回で応答。明日への力をしっかりと受け取っていく様を見た。
写真撮影を終え、バンドがステージを去ってもステージに一人残る三阪。どうしても感謝の想いを直接伝えたかったのだろう。まるで一人ひとりの胸に呼び掛けるように感謝の旨、それから今後ももっと大きくなっていくことを力強く語ってくれた。
そして、2月11日(火)に行われた大阪公演では早くも次回の全国5箇所でのワンマンライブツアーの開催が伝えられ、楽曲リリースもまた春頃にできれば、という発言も飛び出した。この日よりも会場も大きく、そこではまた新しいファンも沢山集うことになるだろう。
「私は今後も遠くなればなるほど、近くに感じられるアーティストになりたい!!」。この日最後に会場に遺したこの言葉と共に、大きな舞台だがきちんと身近に、間近に感じる三阪の雄姿、歌へと想いを馳せたのは私だけではないはずだ。三阪咲、みんなの笑顔の花と共にこれからも大きく美しく咲き誇れ!

文=池田スカオ和宏 撮影=関口佳代

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