【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#135
ミュージシャン・大瀧詠一の言葉

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

知恵さえあれば、どんな状況でも面白く
できるはずだよ

『大瀧詠一 Writing&Talking』(著:大瀧詠一/白夜書房/2015年3月21日発行)より

今回の名言は、『大瀧詠一 Writing&Talking』に収められている、大瀧詠一の公式サイト『アミーゴガレージ』(1996年〜2003年)に関するインタビュー記事からの抜粋。ミュージシャンのオフィシャルサイトは、「だいたいがつまらない」というインタビュアーに対して、大瀧は「権利関係云々の問題があるんだろうけど、果たしてそれだけかな?」と疑問を投げかけ、「法的に整備されたら面白くなるってのはさ、『売れたら好きな音楽やる!』って言っていた奴いたけど、それと同じだよ。そんなもん俺たち売れないうちからやってんだぜ」と苦言を呈す。今回の名言は、そういった話しの流れから結論づけられた「いろいろな状況を鑑みつつ、そのなかでどれくらい面白いことをやれるかって知恵がないとね」という大瀧の言葉の集約である。この言葉は、音楽界のみならず、すべての仕事、ひいては人生訓として受けとめることができるのではないか。

大瀧詠一 (おおたきえいいち)
1948年7月28日生まれ、岩手県奥州市出身。ミュージシャン、シンガーソングライター、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、レコードレーベルのオーナー、ラジオDJ、レコーディング・エンジニア、マスタリング・エンジニア、著述家など。1970年、ロックバンドはっぴいえんどのボーカル&ギターとして、アルバム『はっぴいえんど』でデビュー。1971年、はっぴいえんどの活動中の1971年にソロ活動を開始。1972年、ソロアルバム『大瀧詠一』をリリース。同年、はっぴいえんど解散後は、CMソングの制作や、ごまのはえ、布谷文夫など若手ミュージシャンのプロデュースを始める。1974年9月には自らがプロデュース、作詞、作曲、編曲、エンジニア、原盤制作、原盤管理などをすべてこなすプライベートレーベル『ナイアガラ・レーベル』を設立。1975年、ソロアルバム『NIAGARA MOON』をリリース。同年、ラジオ関東(アール・エフ・ラジオ日本)で、DJとなり『ゴー・ゴー・ナイアガラ』の放送を開始。1979年からはプロデュース業を本格的に手掛ける。1980年、「さらばシベリア鉄道」を太田裕美に提供し、大瀧の曲で初のヒットシングルになる。1981年、楽曲提供とプロデュースをした松田聖子の シングル「風立ちぬ」で初のチャート1位を記録。その後、森進一の「冬のリヴィエラ」や小林旭の「熱き心に」などヒットを連発し、プロデューサーや作曲家として脚光を浴びる。1985年、はっぴいえんど再結成ライブを開催。1986年、クレージーキャッツの30周年記念作を手掛ける。1997年、「幸せな結末」をリリース。テレビドラマ『ラブジェネレーション』の主題歌となりミリオンセラーを記録。2003年、「恋するふたり」をリリース。テレビドラマ『東京ラブ・シネマ』の主題歌となりヒット。2013年12月30日、死去。享年65。2014年には初となるソロベストアルバム『Best Always』を発売。2015年には、CD 12枚組BOXの『Niagara CD Book II』を発売。
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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