村上虹郎、森崎ウィンらが「豊洲のマ
ンハッタンに来て!」とアピール ブ
ロードウェイ・ミュージカル『ウエス
ト・サイド・ストーリー』Season2ま
もなく開幕

2020年2月1日(土)より、東京・IHIステージアラウンド東京にてブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2が開幕する。これに先駆けて1月30日(木)に芝居の一部が公開され、キャストたちが本番さながらの熱のこもった芝居を見せた。
本作は、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』をベースに1950年代後半のアメリカで勃発していた人種問題や移民同士の対立といった社会問題を織り込んでいる。2019年11月よりそれぞれ異なるキャストが登場する3パターンで上演。今回のSeason2では主人公のトニー役を村上虹郎と森崎ウィン、マリア役を宮澤エマと田村芽実、アニータ役をMay J.と宮澤佐江、リフ役を上口耕平と小野賢章、ベルナルド役を渡辺大輔と廣瀬友祐がWキャストで演じる。
公開されたのは、「Prologue」(上口、渡辺)「A Boy Like That」(宮澤エマ、May J.)「One Hand One Heart」(森崎、田村)「Quintet」(村上、宮澤エマ、宮澤佐江、小野、廣瀬)の4曲が歌われる場面。
物語の核となるトニーとマリアの歌声や演技もさることながら、今回はリフ役の上口と小野、ベルナルド役の渡辺と廣瀬の長い手脚を存分に活かしたダンスと芝居に心奪われた。
囲み取材には、Wキャストの10名が出席し、今の心境を問われた。初ミュージカルで主演を務める村上は「昨日の通し稽古などで初日さながらに力を入れていて皆に『大丈夫か?』と言われるくらい」と笑い、「このサイズの劇場で森崎くんと共に主演として立てるのは光栄なこと。自分が与えられたことを全うしたい」気合十分。すると森崎も「エンターテインメントとしてこんなにも完璧な作品は観た事がないです。作品の重さも感じるけれど、1957年のマンハッタンに立っている意味をお客さんにも伝えたい」と言葉に力を込め「稽古期間の2か月は長いと思っていたけれど、もう目の前なんですよね。カンパニーが一つになっているのを感じています」と語り、このまま初日を迎えたいと本音をこぼした。

宮澤エマは「歌、芝居、踊りのどれをとってもこれ以上の作品はないと思います。一人ひとりが輝く瞬間があって、どこを切り取ってもドラマがあるんです。この作品を古典だと思わず、ショッキングで前衛的な作品だと思っていただきたいです」と見どころを語ると、田村は「360°回転するシアターだからこそ、セットも緻密に作り込まれているんです」とコメントし、「皆さん“豊洲のマンハッタン”に来てほしいです!」と笑顔を見せた。

アニータ役のMay J.は本作で女優デビューを果たす。劇中のダンスシーンについて「小さい頃からダンスが好きで踊っていたんですが、バレエとジャズダンスをミックスさせたような特殊な動きが多く、初めての動きばかりで身体の体勢もかなり無理している」と苦笑いしつつ「大変な動きだけど見た目はクールで、大変さが観る人に伝わらない。もどかしいですね」と笑う。同じくアニータ役を演じる宮澤佐江も「稽古期間中、毎日筋肉痛が2か月間続いていてどこかしら痛かったです」とMay J.の発言に乗っかる。「皆で力を合わせて本番でも見せていきたい」と気合いを入れていた。
渡辺は「ダンスが台詞のような形であらわされているので、そういう部分も観ていただきたい。また移民であるが故の偏見や差別といった“裏”の部分も観ていただきたい」と語り、上口は「振りの一つひとつに意味があり、全部の踊りが高度で、運動量的には激しいんですが、見た目的にはクールに見えるので皆さんに(キャストたちの)努力に気づいていただきたい。僕たち演者としても一生追い求めるレベルの作品だと思うんです」とかみしめるように述べた。
小野は「リフ役が決まってから、海外キャスト版を観たんですが、絶望したんです。ダンスもプロフェショナルな方々が演じているのを観て『自分もこれをやるのか!』と不安しかなかったんです」と本音を吐露する。「稽古を通して本番を迎える事が出来るようになったと思う。ウエスト・サイド・ストーリーの世界で生きられるようになれたら」とコメントした。
そして廣瀬は「皆が言ったとおりです。僕もただただ頑張りますの一言で。上口の耕ちゃんが言っていたように、振りの一つひとつに意味があって、本も無駄なところをそぎ落として物語を紡いでいる。ものすごくエネルギーが必要なんだと感じています。日々この作品という怪物と立ち向かっていきたいです」と力を込めていた。
好きなナンバーを聴かれると田村は「Tonight」を上げる。「バルコニーで歌うんですが、個人的に高いところが苦手で。“吊り橋効果”ですかね? 本当に『何かあったらよろしくお願いします!』って気持ちになるんです。世界中に私たちしかいないって気持ちになって」この言葉を聴いていた森崎も「凄く揺れるんですよ。お互いに(手汗で)ぬるぬるになってるんです」と正直に語ると「ぬるぬるってどうよ」と村上が茶々を入れて皆で笑っていた。
稽古場でのエピソードを聴かれた森崎は「ヒロくん(廣瀬)が絵が上手で!シャークスとジェッツのロゴを描いていて。あれは物販で売った方が良いと思う」というと廣瀬が照れくさそうにモジモジしていた。
最後に全員を代表して村上が「自分が出来る事は限られているので、お前がミュージカルかよ、と思われているかもしれないけれど、最高に頼りになる方々がちゃんと僕をここに立つまでにしてくださった」と力強くコメント。森崎は「単純にまずは楽しんでいただき、作品のメッセージを持って帰っていただきたい。1950年代のマンハッタンの物語を、世代を超えて今僕らがやる意味を伝えられたらと思っています。是非豊洲のマンハッタンにいらしてください」と呼びかける。が、「マンハッタン」の発音が今ひとつだったと村上が、歌の中にその言葉があるMay J.に話を振るとドスの聴いた声色で「マーンハッタン!」とキメ、会見は無事お開きとなった。
(前列左から)宮澤エマ、村上虹郎、森崎ウィン、田村芽実(後列左から)渡辺大輔、上口耕平、May J.宮澤佐江、小野賢章、廣瀬友祐

取材・文・撮影=こむらさき

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