L→R シーナ(Vo&Tamb)、鮎川 誠(Gu&Vo)、奈良敏博(Ba)、川嶋一秀(Dr)

L→R シーナ(Vo&Tamb)、鮎川 誠(Gu&Vo)、奈良敏博(Ba)、川嶋一秀(Dr)

【シーナ&ロケッツ インタビュー】
大好きな曲をカバーするのは喜びで、
ロックバンドの腕の見せどころ

シーナ(Vo&Tamb)の命日でもある2月14日にリリースする初のカバーアルバム『LIVE FOR TODAY!-SHEENA LAST RECORDING & UNISSUED TRACKS-』。シーナの最後のレコーディングテイクとなったカバー7曲を中心に、世に出ることがなかったレア曲も収録されている。シーナの口癖でもあった“今を生きる”ということを刻み、ステージに立ち続ける鮎川 誠(Gu&Vo)の決意とロックンロール愛に迫る!

カバーだけのアルバムが
1枚あってもいいかなと思った

まず、シーナさんのラストレコーディング7曲を含むライフタイム・カバーアルバム『LIVE FOR TODAY!』をリリースしようと思われたいきさつから教えてください。

シーナと一緒に最後にスタジオに入ったのはアルバム『ROKKET RIDE』(2014年発表)のレコーディングの時で、スタジオを押さえていた3日間のうちの2日間で全曲録り終えて1日余ったから、“なんかジャムろうぜ”ってことになったんです。その時はシーナの最後のレコーディングになるなんて思いもしなかったけど、いつものように“あの曲をやろう”“この曲もやろう”って思い付くままに録ったのが今回の7曲で。アイディアも何もないまま録音したものなんです。

いつかリリースしようと思っていたわけではなかったんですね。

シーナ&ロケッツは昔から…それこそN.Y.でもロンドンでもスタジオの時間が余ったら遊びみたいな感覚で音源を残していたから、いつか出そうとかではなかったんですね。ただ、最後のシーナの声は僕にとって特別やったし、その歌いっぷりも大好きだし、ロケッツの一番好きな部分が入っているから、その時の音源を家で何度も聴き直していました。7曲しかないし、レコード会社に自分から出したいとは提案できないと思っていたら、ビクターの人がBOXセット(『LOVE BOX -42nd Anniversary Kollection-』)を作ろうって言ってくれて、世に出していなかったいろいろな時代のアウトテイクも見付け出して送ってくれたんです。

1980年代だったり、1990年代だったりに録音したテイクを?

そう。僕らはバンドを始めた時からThe BeatlesやThe Rolling Stonesやらずっと外国のロックに夢中で、オリジナルの曲と大好きな偉大なアーティストの曲を演奏することはシーナ&ロケッツのレコード作りの基本になってたんです。だから、1stアルバムの『#1』にChuck Berryの「COME ON」を入れたり、細野晴臣さんがプロデュースした2ndアルバム『真空パック』でもJames BrownやThe Kinksの曲をカバーしていたりしてて。なので、カバーだけのアルバムが1枚あってもいいかなと思ったんです。

鮎川さんにとって影響を受けた曲や大好きな曲をカバーすることの醍醐味とは何ですか? 例えば新たな発見があったりとか。

僕たちは“カバー”っていう呼び方はしないんですけど、バンドで一番最初にやりたかったことであり、今でもやりたいことの重要な根幹となっていますね。僕はSpotifyでもいろんな音楽を聴いているけど、昔の曲を聴くと“こんな演奏やったんだ!?”って発見のほうが多かったりするんですよ。例えばシーナ&ロケッツでThe Troggsの「WILD THING」をやってみようかっていうことになると、オリジナルを真似するというよりも勝手に自分たちの中で思い描いている「WILD THING」を僕と奈良と川嶋が演奏して、そこにシーナが我流で歌うから、その場にならないとどうなるか分からなかったりするんです。それが面白いし、カバーするのはバンドにとって喜びであり、腕の見せどころだし、勝負だから。

勝負?

メンバー同士もそうやし、先輩も後輩バンドもどんどん誕生してくるから全部に負けられん。

今作にも2011年の『RISING SUN ROCK FESTIVAL』で演奏された「WILD THING」のライヴテイクが収録されていますが、爆音でめちゃめちゃカッコ良いです!

カッコ良かったよね…自分で言うけど(笑)。確か「WILD THING」は最後の最後にとっさにやった曲なんですけど、ロック好きが集まった満員の会場の中で、みんなが天井が破けるほどの歓声をあげてくれたのもすごく嬉しくてね。“これは聴いてもらいたい”と思った。

Ramonesのカバー「Loudmouth」から始まるアルバムは臨場感たっぷりで最初から血が騒ぐし、サンハウス(鮎川が博多時代に組んでいた伝説のバンド)のカバー「雨」も素敵でした。シーナさんのようにロック特有のアクの強さと華とキュートさを兼ね備えている女性ヴォーカリストはなかなかいないと思いますが、鮎川さんから見たシーナさんの魅力は?

シーナは自分の中で昇華したものを出してくるから、僕はいつもびっくりさせられてたんです。シーナ&ロケッツのステージデビューはElvis Costelloの来日公演(1978年にオープニングアクトとして出演)やったんだけど、その時にシーナは初めてライヴで歌ったんですね。お客さんの前に立つのは初めてやったのに、いきなり俺たち3人を引っ張っていくようなヴォーカルですごいと思った。シーナは自分で言ったことはないけど、“夢が叶った!”と思ったんじゃないかな。ずっとGS(グループ・サウンズ)が好きで、中学生の時からエレキバンドが演奏している場所に観に行っていたし、Led Zeppelinをヘッドホンが壊れるほどの大ボリュームで聴いたりしたそうだから(笑)。

熱狂的なロックファンだったんですね。

でも、出会ってからは家では歌っていたけど、バンドで歌いたいと言ったことはなかったんですよ。サンハウスが解散したあと、音楽で身を立てられんもんかと思って東京に行った時にヴォーカルを探していたらシーナが“ヴォーカルがいないなら私が歌ってあげようか”って言うけん、“いいねぇ。思いもせんかった”って。なのに、Elvis Costelloと一緒のステージに立った時にはシーナはもうバンドのリーダーやったよ。“こんな服着たほうがいんじゃない?”とか、ゲストのキーボードにも“こんなスタイルで弾いて”とか提案して。みんなが観てワクワクするような、それこそMick Jaggerの仕草やったり、Iggy Popの歌いっぷり、BlondieのDeborah HarryのチャーミングさとかPatti Smithのカッコ良さとか、自分の理想やビジョンをロケッツで実現してメンバーを引っ張っていってくれたのがシーナのすごいところですね。歌もリズムやスピード感、音符の置き方とか、いろんな歌い方がどんどん出てくるから、演奏にも気合いが入ってくる。

シーナさんのシャウトや歌い回しやパフォーマンスが鮎川さんのギタープレイに火を付けてくれるような?

うん。火を付けてくれる。
L→R シーナ(Vo&Tamb)、鮎川 誠(Gu&Vo)、奈良敏博(Ba)、川嶋一秀(Dr)
アルバム『LIVE FOR TODAY!-SHEENA LAST RECORDING & UNISSUED TRACKS- 』
BOX『LOVE BOX -42nd Anniversary Kollection-』

OKMusic編集部

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