『みねこ美根の“映画の指輪のつくり方”』

『みねこ美根の“映画の指輪のつくり方”』

『みねこ美根の
“映画の指輪のつくり方”』
- 第三十三回 -「アラジン」の指輪

2017年から本格的に活動を開始したシンガーソングライター〈みねこ美根〉が大好きな映画の世界から作り出す紙粘土細工と指輪の制作過程をお見せします。ミニチュア好きな方、アクセサリーづくりに興味のある方は是非見ていってください。指輪はライブ会場にて展示しております。

動画監督・撮影・編集・演奏・文:みねこ美根

「ウィル・スミスはウィル・スミスだった(「アラジン(ALADDIN)2019」)」

実写化。人の心を惑わせ、天地を揺るがし、原作ファンとフェミニストを怒らせるリスクを冒しながら挑む、無謀な二番煎じ。この高い壁を越えうるものは数少ない。この誰得チャレンジを行い続けるディズニーを生暖かい目で見守っているのは、TOKIOの片隅で映画鑑賞に勤しむ、みねこ美根であります。独断と偏見を強めて、今年もよろしくです。
「美女と野獣」「シンデレラ」「くまのプーさん」「ライオンキング」「マレフィセント」など、ディズニーアニメから実写化へ、という流れが王道化してきている。公開すれば一躍ヒットなイメージだけど、うーん、はっきり言って微妙、というか「実写化してパワーアップした!すげー!」とは思わないんです。「美女と野獣」は多方面に気を使い過ぎで、複雑になり過ぎて崩壊、という印象。「シンデレラ」は可愛いくて素敵なんだけどアニメとだいたい同じで印象薄。「プーと大人になった僕」は、とても感動したんだけど、プーさんを100エーカーの森から出したのは罪深い。「ライオンキング」は「CGにしました!すごいでしょ!」というだけで、「マレフィセント」は違い過ぎて、慣れ親しんだあの物語はなんだったんだ…と、はてなマークが飛び出る。(「ジャングルブック」は良かったのに、「主人公以外全部CG!」という広告が最悪だった。誰だ、考えたの!)

とはいえ、なんだかんだで映画館に観に行ってしまう私も私ですが、ここで大当たりがでた!それが「アラジン」です。現代への配慮もありながら、崩壊せず、キャラクターの背景をも強化し、アニメの矛盾点を補い、楽曲もパワーアップ!(アラン・メンケンが怖いよ。)これってすごいよ。
皆さんはアニメ版って見たことありますか?正直言って、アラジンのアニメって“のっぺり”してるのさ。人物が動いているだけで、背景とか細かい描き込みが少ない印象なのですが、それが実写化では色鮮やかに細やかに市場や宮殿、洞窟を表現している。それだけでも「実写化されて良かった」と思わせてくれる。アトラクションみたいで楽しい。

 そして、最初に唸ったのは、アラジンとジャスミンの出会いのシーン。アニメでは、遠くからジャスミンの美しさに見とれていたアラジンが、ジャスミンの世間知らずな奇行をカバーする、というのだったけど、実写では、騒ぎを聞きつけたアラジンが救ったのがたまたまジャスミンだった、という出会い。アラジンの優しさに焦点が当てられている!また、逃げるシーンで迷い込んだのは、少女たちが勉強している学校的な場所(黒板が見える)。アニメにはないこのへんの描写によって、この国では女性も学校で教育を受けられること、市場などでも性別関係なしに自由に出歩ける国なんだということが分かる(貧富の差はあるけど)。
アリ王子のパレードも良いんだ。豪華絢爛であることによる虚しさ、アラジンの表情が自信なさげなのも相まって「着飾って見栄を張らなくても君は素晴らしいんだよ!」と言いたくなって涙。最初は「僕を見つけて欲しい、僕のすばらしさに気が付いて」と歌うアラジン、でも魔法の手を借りるほど自信がなくなっていく姿にもどかしさを感じるも、その人間らしい弱さに心を掴まれる。環境は味方してくれなくても、自分を信じて、自分を信じてくれる人を信じて、進もうって思ったよ、アラジン!(私ったら純ね。)
そしてジャスミンの設定もうまいことやってるんですよ。「愛のある結婚がしたいの!」というアニメ版から、実写では「結婚するにしても国民のことを思える王子じゃないとだめ、ていうか、この国を愛する私が王になった方が良い!」と考えるジャスミン。努力を積み重ね、勉強にも励んできたのに、環境がそうさせてくれない。ここで二人の気持ちがリンクするのよね。その他にもジーニーの願い事のルールが整備されていたり、中盤、ジーニーがランプに引きこもる理由も、アラジンへの思いやりが動機となっていたりと、ほほう!と唸りまくり。「ホール・ニュー・ワールド」のシーンもジーニーに頼らずアラジンが彼なりに考えた行動であり、かつ“広い世界を見る”ということの意味もそこまでの描写で重厚さを持たせていて感動。
正直、ジャスミンの歌のシーンの演出は好きじゃないし、洞窟のルールが甘いけど(笑)、私にはドンピシャで珍しく映画館で2回鑑賞。

「アリ王子が扉となって、アラジンが開けるんだ」というセリフが良い。信じて進めばきっかけをつかむことができる。でもそれをものにできるかどうか。それは自分次第なのだ。
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モチーフ:ランプ、洞窟、ジャファー、ルビーを持ったアブー、ジャスミンの腕輪と髪飾り、魔法のじゅうたん
音楽:Alan Menken「Arabian Nights」「A Whole New World」「Speechless」
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みねこ美根Newオリジナル音源の配信決定!!
2020年1月23日よりSpotify、iTunes、レコチョク、mora、Googleなどすべての音楽配信サイトで聞けます是非2020年一発目の配信聞いてください。
「水面へ」・「僕らは飛べるようにできてる」2曲追加で全10曲今配信しています。
配信音源「水面へ」「僕らは飛べるようにできてる」

配信音源「水面へ」「僕らは飛べるようにできてる」

◆ワンマンLIVE ― band style -
2020年1月23日 (木) 
A Special Day of Mine「COLLECTIVE IMPACT ~根然一体~」
吉祥寺Rock Joint GB   https://www.rjgb.tokyo/
開場/開演開場 18:30 / 開演 19:30
Support member:小名川高弘(Gt)、カナミネケイタロウ(Bass)、大塚雄士(drum)
チケット発売中 http://eplus.jp

◆対バン形式出演
●2020年1月31日(金)原宿ストロボカフェ(Percussionと)
●bayfm LIVE PLANET #7出演
 2020年1月29日(水)代々木labo
 2020年2月12日(水)新宿SAMURAI
 2020年2月26日(水) 柏ThumbUp
●2020年2月27日(金) 横浜関内BAYSIS
〝美根〟 プロフィール

ミネ:オルタナティブ・シンガーソングライター。6歳の時にピアノで初めて作曲、11歳からはギターでの作曲も開始し、現在はピアノとギターを用いてライヴ活動中。2017年より“みねこ美根”名義で本格的に活動を開始し、22年4月に改名。その後も「零れる光」をはじめ、「本当は人魚」「この世界に」など配信シングルを精力的にリリースし、23年11月に待望の1stフルアルバム『焔心の砦』を発表。同年12月には東京・duo MUSIC EXCHANGEにてワンマンライヴ『A Special Day of Mine 【焔心の砦】』を開催する。〝美根〟オフィシャルSNS

OKMusic編集部

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