世界が共鳴する音と感情の探求者、C
ö shu Nie。その源泉と新作『PURE』
で表現したもの
世界の全てから影響を受けている
ーバンドにとって、やはり『東京喰種』OPへの起用は大きな起点だったと思います。作者の石田スイさん自らの人選ということですが、石田さんの世界観と共感、共鳴できる部分はどんなところだと感じますか?
中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
切迫感、焦燥感、色々なキャラクター達が見せる歪な愛の形に共鳴する部分があったんだと思います。生きていく方法を探しているというか、必死で生きようとしているところも近いのかな。ーそういったバンドの世界観はどう作り上げられているのでしょうか?
松本駿介(Ba):
世界観は監督(中村)の中に出来上がっているんです。出来上がった曲を聴いた瞬間に共有はしていて、「あ、これね。」「なるほど、この感じね」と理解はできます。でも、その世界観は一定じゃなくて、監督の気分によってその都度変わっていく。次に何が来るかは分からない状態ですね。中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
自分のモードみたいなものがあるんです。だから、それによってアウトプットするものが変わっているんです。ーモードが変わるというのは着るものを変えるような感覚ですか?
中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
それもあります。ただ、服を変えるだけじゃ魂を削れないので、もう少し深いところですけど。ー曲を聴かせる際はメンバー2人に言葉で説明はしますか?
中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
デモで作り込んで渡すので、言葉の説明はほぼないです。ー2人はデモを聴いて、すぐにその世界を感じ取っているんですね。
松本駿介(Ba):
感覚的に繋がっている部分はあると思います。ただ、監督の持ってくるデモはそのまま音源にできるくらい完成度が高いんです。だから聴かせてもらえば言葉にしなくても分かるんですよ。藤田亮介(Dr):
そこから全然違う世界に行くことはないですよね。中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
2人は読み取る能力も高いんです。ーデモを作る際はずっと1人で作業されるんですか?
中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
そうですね、外との接触はないです。ーでは、ひたすら自分の中に掘り下がっていくという。
中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
これまでに感じたものを熟成させていく感覚で曲を書いてます。今回出したアルバム『PURE』は特に自分との対話だったので内へ内へと入っていく感覚で、カタルシスはありましたね。ーインスピレーションはどういったところから得ていますか?
中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
生活の全てから受けています。こうして話していることや食べる物もそうだし、感じていても言葉にできない感覚ってあるじゃないですか?それがずっと蓄積していて、ある時ふと音楽として生まれるんです。ーそういった中村さんの世界観へ影響を与えたルーツはなんだと思いますか?
中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
クラシックピアノもやっていましたし、好きなアーティストもいますけど、今のスタイルに影響したってなると何なんでしょうね。ー漫画や映画などの作品では何かありますか?
中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
『Dancer in the Dark』は好きです。Björkがすごく好きなので。でも、それだけじゃなくて本当にいろいろなものだと思います。松本駿介(Ba):
環境音楽も好きだよね?出会った頃から金属を叩く音とかを録音して、曲を作っていたんですよ。今も森の中に行くと知らぬ間に携帯で音を録っていて、後日その音を使って曲を作って聴かせてくれるんです。だから本当に全世界の影響を受けている感じがしますね。中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
今回のアルバムにも工具を叩く音、水やおはじきの音など色々入っているんですけど、そういうところから音楽が生まれる感覚はあるかも。ー曲自体を作り始めたきっかけは何だったんですか?
中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator):
コピーバンドをしていた時にオリジナルをやろうかとなって初めて書きました。『asphyxia』のカップリングの「PERSON.」という曲で、高校入りたての頃でしたね。その後もバンド活動を続けて行くうちに、ドラムレスになることもあったので打ち込みで曲を作るようになりました。