令和元年のクリスマスイブを幸福で満
たした、CHEMISTRYの歌声
再始動後初のアルバム『CHEMISTRY』を
基調としたツアー
幕が下り、始まったのは8thアルバム『CHEMISTRY』のオープニングナンバーでもある「Get Together Again」だ。活動再開の喜びを分かち合う楽曲に、オーディエンスは大きな声援とハンドクラップで応えていく。曲中盤では、バンドメンバー1人ひとりを紹介しながらソロ回しが披露され、最後はCHEMISTRYがお互いを紹介してそれぞれの歌声を響かせた。
続いて歌われたのはニューアルバム2曲目の「ユメノツヅキ」。そう、今回のツアー 「CHEMISTRY~Still Walking~」は、基本的に8thアルバム『CHEMISTRY』を曲順に辿り、中盤に過去の名曲が挿入されるという構成になっていた。
狂おしいほどの熱唱で魅了した「Angel」、失恋の痛みを静かに歌い上げるバラード「もしも」、生演奏ならではのファンク感に会場が心地良さげに揺れた「Horizon」と、アルバム収録曲を順番に披露すると、改めて楽曲の豊かなバリエーションに気付かされる。そして、次に届けられた楽曲のタイトルは「サイレント・ナイト」。CHEMISTRYの新作に収録されたこの曲は、まるでこの日のために用意されていたのではないかと錯覚するほど、クリスマスイブ当日のライブというシチュエーションにハマっていた。
冬の切なさに符合するように選び抜かれ
た過去曲のパフォーマンス
「It Takes Two」から始まった2ndアルバム『Second to None』収録曲の連発では、少しずつ冬の切なさを温めるムードが会場を包み、アップリフティングな盛り上がりを見せるように。「FLOATIN’」では軽快なハンドクラップで会場全体が一体となり、続く「SOLID DREAM」では大らかな曲調と歌声が心地良い雰囲気を演出していた。
ここでCHEMISTRYの2人は一旦ステージから離れ、バンドメンバーがアブストラクトなアンサンブルを奏で始める。その演奏は極太のベースとフリーキーなシンセサイザーの躍動によってファンキーなR&Bへと姿を変え、そのままシームレスに後半戦へと突入していった。
再び歩を重ねたCHEMISTRYの歩みに想い
を馳せる後半戦
ここまでMCらしいMCなしにパフォーマンスだけで魅せてきたCHEMISTRYだが、ここで2人から初めてのMCが。親密な距離感で話されたツアーやクリスマスの話に続いたのは、再始動後初めてのシングルとしてリリースされた「Windy」。観客の一人ひとりがCHEMISTRYの歩みに想いを馳せる中、流麗なストリングスが川畑・堂珍のエモーショナルな歌声を支えるバラード「13ヶ月」、ツアータイトルにもなったポジティブなメッセージソング「Still Walking」が立て続けに披露され、本編は幕を閉じた。
本編終了後に会場に響き渡ったのは、最新アルバム『Get Together Again』の冒頭を飾る「Get Together Again」。しかも、そのバージョンは原曲ではなく、このライブ当日のオープニングに披露されたライブの録音だ。中盤のソロ回しに合わせてバンドメンバーが登場し、川畑と堂珍の2人もその演出に合わせて手を振りながら登場。この心憎い演出に、会場は歓声と拍手が入り混じり、騒然とした空気に包まれた。
令和最初のクリスマスイブをCHEMISTRY
と過ごす幸福
続いてCHEMISTRYの二人から告知されたのは、デビュー20周年に向けての皮切りとなるライブ「CHEMISTRY”COUNTDOWN LIVE 19-20”」の開催。このライブは、2020年3月7日・東京国際フォーラム、3月8日・大阪フェスティバルホールにて行われる。そして、本当のラストを飾ったのは、彼らの1stアルバムに収録された「Motherland」。「La la la La La La♪」というコーラスの大合唱がホール全体を包み込み、令和元年のクリスマスイブという記念すべき日を幸せで満たす、大団円のフィナーレとなった。
CHEMISTRY
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令和元年のクリスマスイブを幸福で満たした、CHEMISTRYの歌声はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。