【かねやん的アニラジの作り方】第1
2回 「語り」の番組をどんどん作る
2020年に

 明けましておめでとうございます。オリンピックイヤー2020年がスタートしました。1月4日はベルガモの創業記念日です。1周年を迎えます。ほんとあっという間の1年でした。1年前の今日、まだ何にもない状態で会社をスタートさせとりあえず今日段階で番組数は10になります。20年中に20にしたいと思っています。どんどん拡大していくベルガモにご期待ください。

 先日、周防正行監督の映画「カツベン!」を観に行ってきました。「カツベン」は活動弁士の略です。映画は大正の頃、活動写真と言ってまして、まだ音が入っていませんでした。つまり無音=サイレントで映画館上映されていました。そこに各映画館に説明者=活動弁士がついて、そのサイレント映画の内容を説明していたのです。さらに音楽も映画館で生演奏していました。そして、その説明者の人気によって映画館の観客動員が左右されるという時代を描いた作品でした。
 これ言われてみると今の声優人気と似ています。周防監督は雑誌のインタビューで「僕は日本の語りの歴史があると思うんです。例えば平家物語を語った琵琶法師とか、無言の人形の芝居を外からの声によって成立させる人形浄瑠璃。無言の役者の芝居に声がつくというのは、能でも歌舞伎でもあるわけです。落語、講談、浪曲もある。さらに言うと、紙芝居なんて動かない絵を使った語りですよ」と話しています。「日本はモノを語る文化」という視点で解読すると今おきている現象も理解できてきます。最近、若い声優さんと話しているとやりたい企画で出てくる「ゲーム実況」。これなんかもサイレントなゲーム画面に語りをつけていく「語り芸」といえるでしょう。そう考えると普段ニコニコ動画やYouTubeで行われていることが「モノを語る文化」の1類型とすら見えてきます。
 であるならば、ベルガモは「モノを語る力」のある役者とどんどんモノを語っていきたい。20年もベルガモは「日本のモノを語る文化のど真ん中」にいるプレーヤーとして様々な番組を発信していきます。僕は最近までAMラジオ局にいましたので、正直発想が音声の番組を番組としてしかとらえることができていませんでした。しかし、自分の仕事を「語りの文化」としてとらえなおし、動画、写真、絵、モノと組み合わせて新しい番組を創造していきたいと思っています。「なんだあたり前じゃん」と思われるかもしれません。しかし「語り」に絵がつくのはかなり作りが違います。
 ベルガモでは19年11月にスタートした「駒田航・木村昴 World Ving Ving Satellite(WVVS)」が絶好調です。共にドイツで育ち、今「ヒプノシスマイク」などの人気コンテンツに出演し、のりにのる若手声優2人が「世界の全ての国の人達からもてたい」というシンプルなコンセプトの番組なんですがこれが実に面白い。「モテる」というテーマに語り手の力が生きてます。先ほど紹介した映画「カツベン!」でこんなシーンがあります。登場人物の活動弁士が「俺たちはどんなつまらない写真(映画)でも面白く説明(語る)してみせる」。あらゆるテーマを面白く料理していく「語り手」の力。(勿論テーマも大事ですよ)WVVSは毎週木曜日に更新しています。是非聞いてみてください。
 20年は「ラジオ聴くならベルガモ」「ラジオ見るならベルガモ」、その中心にあるのは「語り」です。

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