めいちゃん シークレットゲスト・B
RADIOとともにコラボ曲も披露したワ
ンマンZepp Tokyo公演をレポート

めいちゃんワンマンライブ6「サンタさんを捕まえよう」

2019.12.24 Zepp Tokyo
クリスマスの前夜、“聖夜”と呼ばれる12月24日に、めいちゃんが『めいちゃんワンマンライブ6「サンタさんを捕まえよう」』をZepp Tokyoにて開催。“クリスマスイブによい子のもとへプレゼントと夢を持って訪れる”とされるサンタクロースを果たして捕まえることができたのかどうか、ここにお伝えする。
めいちゃんのマスコットキャラクターである“めいたま”の顔まんまの大きなキラキラ星がついたツリーや、いくつものプレゼントボックス、リースのかかった暖炉などが飾られた華やかなステージ。窓に見立てたスクリーンには、雪景色の中に立つかわいらしい雪だるまも見えて、クリスマスムードたっぷりだ。そこに、バンドメンバーに続き、赤と緑のクリスマスカラーな衣装で勢いよく現れためいちゃん。1曲目は、数日前にMV公開されたばかりのどこか切なさをたたえたポップなクリスマスソング「ベイビー・メイビー」だ。自身のイメージカラー・オレンジのペンライトが揺れるフロアをくまなく見渡しながら歌うめいちゃん、「いくぞ!」と声をかければ、サビの<ベビメビ・ニュービーズ>を大合唱するオーディエンス。出だしから、両者の息がぴったり合いすぎている。
めいちゃん

めいちゃん

「アノニマスファンフアレ」では「もっといけるだろ!」とめいちゃんが煽り、「ノイローゼ」ではオーディエンスが全力でコールしたりして高まっていく一体感の中、中毒性がありすぎる「オートファジー」、ジャジーな「フィクサー」、アイロニックな「絶え間なく藍色」と、曲それぞれの世界観に染まっていくめいちゃんの変幻自在ぶりは見事だ。
「かわいい!」と黄色い声が上がれば「かわいいんですよ!(笑)」と即座に返したりして、オーディエンスとのゆるーいやりとりを楽しむめいちゃん、手にしたタンバリンをリズムに合わせて鳴らしながら歌ったのは東京事変の「今夜はから騒ぎ」。女性的な艶を感じさせる歌声に、ドキっとさせられてしまう。クリス・ハートのバラード「I LOVE YOU」ではていねいな歌い出しからギュっと心をつかんで、めいちゃんのJ-POPカバーにも、いつだって愛とリスペクトが込められている。
めいちゃん
ライブを重ねるたびに新たな挑戦をしているめいちゃん、1年前の12月25日、同じZepp Tokyoにて開催した『めいちゃんワンマンライブ4「クリスマスぼく予定あるんで」』では「メーベル」でギター弾き語りにチャレンジしたわけだが、「今回はピアノ弾き語りをします!」と宣言。「猫踏んじゃった」でお茶を濁そうとしたものの(!?)、観念してピアノの前に座り、「マジ緊張する!」と動揺しまくりながらも、「ピエロ」を弾き語りすることに。ピエロの哀しみをたたえた歌声、そっと寄り添う奏では、とてもとても美しく響いた。
めいちゃん
「「ホレボレボリューション」でコラボレーションしたBRADIOに気の利いたプレゼントを渡さないと!」というめいちゃんママの発案で、ロシアのウラジオストクで“はじめてのおつかい”をすることになっためいちゃんに密着した映像では、なんと-4℃の極寒の地でメンバーへのプレゼント探しに奔走する姿が。ギターの大山聡一とベースの酒井亮輔へのロシア帽はすぐに見つかったが、アフロ頭の真行寺貴秋のためにと探すアフロスタイルのマトリョーシカはなかなか見つからず……昨年のスカイダイビングといい、ライブにおける箸休め的なおもしろ動画の域をはるかに超えている!
めいちゃん
めいちゃん
その上で、めいちゃんとともにステージに姿を現したのはシークレットゲストのBRADIO。ファンキーなダンスナンバー「ホレボレボリューション」の生コラボが実現したのだ。4人ともMVと同じスーツを着て、めいちゃんと大山や酒井がアイコンタクトをしたり、めいちゃんと真行寺が向き合って歌ったりステップを踏んだり。ステージで起こるめいちゃんとBRADIOによる化学反応は、音源に増して刺激的だ。

めいちゃん

興奮冷めやらぬ中、大山と酒井にはロシア帽を、真行寺には無地のものにめいちゃん自らがBRADIOメンバー3人を描いた世界にひとつだけのマトリョーシカを渡しためいちゃん。BRADIOの大ファンでコラボを熱望し、「めいちゃんのライブを観たら嫉妬するぐらいファンのみんなと仲良しで、そんなめいちゃんとみんなでイチャイチャできるダンスナンバーを作りました!」とアツく応えてくれたBRADIO。とても素敵なコラボから生まれたキラーチューン、「これからひとりでもいっぱい歌っていくからな、イチャイチャしようぜ!」というめいちゃんの言葉にも、昂ってしまうではないか。
めいちゃん
「ぶち上げていくぞ!」とめいちゃんが咆え、自作のボカロナンバー「ヴィクター」からファン待望の「コールボーイ」「メーベル」、演出のシャボン玉がステージ両脇から噴き上がった「シャボン」とたたみかけていけば、ますます熱を帯びていくフロア。
めいちゃんが軽やかに踊りながら歌い、オーディエンスもサビで歌声を重ねた「バレリーコ」。相変わらずファルセットも耳に心地いい椎名林檎の「丸の内サディスティック」。盛り上がるフロアを観て「いいね!」と笑顔を見せた「ライムライト」。歌でとことん満たしてもらう聖夜、本当に贅沢である。
めいちゃん
「実はめいちゃんがサンタだったんです! プレゼント、持っていくよ!」とサンタ姿のめいちゃんが告白するという映像に驚かされていると、ステージ上の煙突が伸びる暖炉にドスン!と落ちてきたのはまさにサンタ姿のめいちゃん。「めっちゃ服汚れた!」「なんで演奏始めちゃうの、早いよ!」などとボヤきまくって全然「ロキ」を歌わない……それもまたクリスマススペシャルだ。
さらに、サンタといえばの大きな白い袋に入っていたのは、「2020年」「3月4日」「NEWアルバム発売決定!」と書かれた3枚のフリップ。めいちゃんサンタは、ファンにとってこれ以上ない、うれしいプレゼントを用意してくれていた。
めいちゃん
そして、バンドメンバーが布で囲う昭和スタイルな生着替えで沸かせつつ、神妙な面持ちで語り始めためいちゃん。
「本日の公演、完売することができました。ありがとうございました。みんなに見られるということを意識して、これまで“着飾って”きた僕ですけど、今年の夏、『オールナイトニッポン0(ZERO)presents XYZ TOUR 2019 -YOKOHAMA ARENA-』で横浜アリーナに立ったとき、言葉にできないなにか、音楽のすごさみたいなものを感じたんです。集まってくれるみんなは、着飾った僕を見ているわけではなくて、内側の僕を好きになって、こうして足を運んでくれているはず。だったらまだ見せていない自分も知ってほしい、そんな想いで、新しいアルバムで曲を書いてみました」
そう言って最後に披露したのは、めいちゃんが書き下ろした新曲「世迷言」だ。上質でキャッチーな曲に踊る、赤裸々な言葉たち。アーティストとして新たな扉を開いためいちゃん。その歩みから、2020年ももちろん目を離すわけにはいかない。

文=杉江優花 撮影=小松陽祐(ODD JOB)

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